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リバイバル・ブルース

10月9日(土)よりシアターイメージフォーラムにて公開

10月9日〜22日まで11:00〜 1日4回上映
10月23日〜 連日21:00より1回上映

初日来場者先着80名にカナダビールプレゼント
関係者による舞台あいさつも予定
2003年/カナダ・日本共同製作/114分/ドルビーSR
イントロダクション
 『リバイバル・ブルース』は、中年期を迎えた男女の心の再生を描き、現代を生き抜く大人たちに向けて、これからの生き方を問う“友情ドラマ”である。
 物語は、ビジネスマンの男が、沖縄で暮らす元バンド仲間の男を訪ね、復活ライブを提案するところから始まる。喧嘩別れから26年間という長い年月は、彼らの考え方や社会的な地位、そして人生を大きく変えていた。
 だが、かつてリードボーカルをしていた女が経営する新宿の小さなバーで、お酒を酌み交すことをきっかけに、3人は少しずつ“70年代の青春”を取り戻していく・・・。無言で交わされる“男同士の友情”に、女は半ば呆れて笑ったが、内心は嬉しかった。埃を被ったギター、古ぼけたライブハウス、そして懐かしいブルースの音色とともに、彼らの止まった“青春の鼓動”がゆっくりと息を吹き返す。
 そして、バンドの復活を喜ぶ彼らの眼前に現れた“末期癌”というリアルな現実。この世を去る者と、生き残る者。“死”の影に覆われていく友人の横で、皮肉にももう1人の男の“生”は輝き始め、複数の女と関係を結ぶ。かたちを変えて蘇った、対照的な男たちの“新たな友情”を、女は静観し涙ぐむ…。迫りくる“友人の死”と向き合いながらも、家族でもなく性をも超えた、大人ならではの“ドライな友情”が育まれる。こうした厳しい現実の中で、まもなく訪れる“最期の別れ”と向かい合い、立ち枯れていた中年仲間の胸に“新しい充足感”が芽生えていく…。
 監督は、カナダ人のクロード・ガニオン。初監督となる『Keiko』(1979年ATG配給)は日本監督協会新人賞、キネマ旬報の第3(1位『復讐するは我にあり』、2位『太陽を盗んだ男』、4位『赤い髪の女』)を受賞、下半身切断の少年を描いた『ケニー』(1987)はモントリオール映画祭でグランプリを受賞し、世界40カ国において上映されるなど、国際的に活躍する映画監督。
 “日本で再び新作を撮りたい”という彼の呼びかけに、内藤剛志、奥田瑛ニ、桃井かおりといった、70年代に映画デビューを果たした日本の演技派俳優陣が賛同した。出演オファーを受けた桃井かおりは「21年間、あなたが私に映画に出てくれと頼んでくれるのをずっと待っていた」と即決したほど、1970年代をリアルタイムに生きた世代にとって“伝説的な映画監督”と言っても過言ではない。出演者に要求されたことは、芝居から台詞まで全てを即興で行うこと。これは、デビュー作の『Keiko』で用いた同様のスタイルだ。俳優の会話劇が妙に現実味を帯び、演技とも素とも判別しにくい“駆け合い”が、不思議な“風味”として全編を包み込む。「リバイバル・ナイト」に登場するバンド演奏もすべて俳優陣たちによる実演、ボーカルの桃井かおりによるステージパフォーマンスも見どころのひとつである。そして、沖縄、京都、新宿…再び日本の地を踏んだクロード・ガニオン監督が映し出す日本の風景は、どこか懐かしく、そして新しい。この独特でノスタルジックな映像世界に、ライブ感溢れる即興演技がリアルな質感を与える。
『リバイバル・ブルース』は、“死に対する静かなる勇気”を創出させてくれる、異色の感動作だ。
ストーリー
 1970年代、ひとつのブルースバンドが解散し、1曲のブルースだけが残った・・・。彼らは別々の人生を歩み始める。ゴールデン街に姿を消した女、沖縄へ逃避した男、そして企業戦士になった男。
そして、26年後、スーツに身を包んだビジネスマン・健(内藤剛志)は沖縄の地に降り立った。目的は、会社の出張に合わせ、元バンド仲間であった洋介(奥田瑛ニ)を訪ねること。やっとの思いで洋介の経営する店を探し出すが、洋介の態度は冷たかった。26年前バンドを解散へ追いやった原因が健にあったからだ。それでも健は仕事の合間をぬって店に足を運ぶ。再びバンドを組んで、自分たちがかつて出演したバーで“リバイバル・ナイト”を復活させるために。初めは一笑する洋介だったが、次第に“あの時代”は懐かしく、かけがいのない時間のように思えてきた。そんな時、洋介は発作で倒れ、病院から末期癌を通告される。
 洋介は“リバイバル・ナイト”に参加することを決め、一緒に暮らしていた静香(渡辺ほなみ)と入籍、最期の大切な時間を過ごすため上京する。バンドのリードボーカルをしていた加代(桃井かおり)が経営する新宿の小さなバーにかつての仲間が再会し、ライブのリハーサルが始まった。この意外にも簡単に復活した“男たちの友情”を、加代は皮肉を込めて笑った。
「ばっかじゃないの!だから男って嫌なのよね!」
 “リバイバル・ナイト”の本番は盛り上がり、3人は生きている喜びを実感する。だが、病は洋介の身体を確実に蝕んでいった。健が最期にしてやれること、それは洋介を自分のマンションで介護してやること。仕事を途中で中断し、介護用ベッドを購入し、食事から下の世話に至るまで、壮絶な闘病生活が始まった。友人を献身的に面倒する一方で、健はなぜか次々と複数の女性たちと関係を持っていく。皮肉にも、友の死を目の当たりにすることで、健は初めて自らの生(性)を実感できるようになったのだ。そして、ライブハウスで知り合った歌手志望の有紀(野村麻紀)と出会い、彼女と一緒にいる時だけは、心を開き自分自身を見つめ直すことができた。
 しかし、こうした二重生活は冷め切っていた妻・恵子(久保京子)との結婚生活の終わりも意味していた。ただ無言で立ちつくす健の前を、恵子は荷物をまとめマンションを後にした。日に日に苦しみの増す健の姿を前に、どうしても加代は戸惑いを隠せない。彼女にしてやれることは、彼の手を握りベッドに寄り添ってあげること・・・。そこには、セックスを超えた、男女の愛の姿があった。ある日、洋介はバンドが解散してからの26年間を振り返り、介護を懸命にしてくれている健に最期の言葉を残す。
「俺が憎いのは自分自身なんだ。その憎しみの塊が、癌になったんだろうな…。ちゃんとしろよ。俺の分までちゃんとしろ」
 そして、洋介は静かに息を引き取る。葬式を終えた後、健の姿は閑静な寺にあった。寺の床を吹き掃除し、座禅を組む毎日。その静かな生活を送る中で、健はかけがえのない親友の死を受け入れ、これからの自分の生き方を見つめていくのだった。
スタッフ
キャスト
脚本・監督:クロード・ガニオン
プロデューサー:奥田瑛二/ユリ・ヨシムラ・ガニオン/サミュエル・ガニオン
ラインプロデューサー:中村和彦
助監督:山田智之
美術監督:青池良輔
照明:櫻井雅章
録音:川嶋一義
スクリプター :辛 美恵
製作助手:植田まや
撮影助手:宮平貴子
照明助手:常谷良男
美術助手:嶋田奈々青
メーク(桃井):福島久美子
スタイリスト(内藤):藤井享子
車両:桜田雅巳/原昌洋
沖縄スタッフ:小松利行/遊佐篤史/張替一喜/柳子憲二
気巧指導:高橋重子/志多伯のり子/志多伯のり子(沖縄)

製作:ZUNO FILMS & ZERO PICTURES
配給:エレファント・ピクチャー
健:内藤剛志
洋介:奥田瑛二
加代:桃井かおり
静香:渡辺ほなみ
恵子:久保京子
有紀:野村麻紀(新人)
沢田:ミッキー・カーチス

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