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カミュなんて知らない

2006年1月中旬、ユーロスペースにて移転第1弾ロードショー

2005年/日本映画/35mm/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーSR/115分
イントロダクション
 「人殺しを経験してみたかった。人を殺したらどうなるか、実験してみたかったと言ってもいいです」。2000年5月、愛知県豊川市で実際に起きた老婆刺殺事件。その犯人である男子高校生の証言をてがかりに、都心のキャンパスに通う学生たちが、この衝撃的な事件の映画化に取り組んだ。映画という集団作業における非日常的環境に置かれた学生たちは、一方で、恋愛問題や就職活動といった個人的な現実に苛まれている。ごく平凡な高校生が犯した殺人や暴力について、喧々諤々と口論を繰り返すうちに、彼らの立ち惑う青春の焦燥や奔放な愛のエネルギーが、映画製作の現場に大きな影響を与えていく。そして取り返しのつかない決定的な出来事が! 青春の無軌道さと生真面目さを同居させた彼らが、<不条理殺人>の向こうに見出したものとは? 現代を生きる等身大の若者像を鮮烈に刻印した、新しい青春映画の誕生である。
 監督は『さらば愛しき大地』『チャイナシャドー』など既成の映画のジャンルを超越した精力的な映画作りを続ける柳町光男。映画製作の現場で意気盛んなキャンパスライフを縦糸に、老婆刺殺事件に対するアプローチを探求し続ける学生たちの創造力を横糸に、繊細かつ大胆に紡ぎあげ、疾走感あふれる“柳町ワールド”、その新境地を拓くのに成功した。また、映画製作の現場を舞台としているだけに、『アデルの恋の物語』や『ベニスに死す』、そしてヌーヴェルヴァーグの名作の数々が、オマージュにも似たパロディとしてたっぷりと盛り込まれているのも注目すべきユニークさである。
 撮影は『はつ恋』『お墓と離婚』の名手、藤澤順一。音楽は国際的ミュージシャンとして活躍し、柳町作品では『チャイナシャドー』『旅するパオジャンプー』に続き3度目のコラボレーションとなる清水靖晃。
 出演は、ハンサムだが女と金に優柔不断な監督の松川に『きょうのできごと』『血と骨』など気鋭の日本映画には欠かせない男優のひとりとなった柏原収史。松川の恋人で妄信的な行動をとるユカリに『TOKYO EYES』でヨーロッパの映画人から高く支持された個性派、吉川ひなの。生真面目さゆえに自身に混乱を抱えてしまう助監督・久田に『バトルロワイアルII 鎮魂歌』などで成長著しい前田愛。物語の鍵を握る“異端児”池田に『PAIN』の主演で注目された新鋭、中泉英雄。そして大学教授を魅了して翻弄するレイを黒木メイサが演じるほか、期待の若手俳優が丁々発止のアンサンブルを織り成している。また、彼らの指導教授で、学生たちから“『ベニスに死す』のアッシェンバッハ”と称される元映画監督の中條教授に本田博太郎。学生の若さの傍観者的存在として、妻に先立たれた男の悲哀を際立たせた名演は必見だ。
 都会の異空間であるかのような視覚的効果あふれる大学キャンパスは、2004年に創立130周年を迎えた立教大学が特別協力という形で賛同、全編にわたってロケ撮影されているほか、池袋西口界隈の街並みが青春映画にふさわしい若さの臨場感を醸し出している。また、立教大学の映画研究会を中心に多くの学生スタッフが参加、キャンパス内でヒップホップダンスやパントマイムに興じる学生たちの姿も作品の瑞々しい躍動感の一端を担っている。
 本作は2005年5月のカンヌ国際映画祭<監督週間>に出品され、10月にはニューヨーク映画祭で公式上映を果たすなど、国際的にも高い評価を受け、10月の東京国際映画祭では日本映画・ある視点部門の作品賞を受賞している。アメリカでの公開も決定した新たなる“柳町ワールド”の全貌が、ついに明らかになる!
ストーリー
 都心にある大学キャンパス。中條教授(本田博太郎)の指導する“映像ワークショップ”を受講する学生たちは、2000年に男子高校生が犯した老婆刺殺事件をテーマに、「タイクツな殺人者」と題された映画を製作することになった。クランクインの5日前、主演俳優が突然降板し、助監督の久田(前田愛)は代役探しに奔走する。一方、監督の松川(柏原収史)は妄信的な恋人・ユカリ(吉川ひなの)の存在に悩まされていた。やがて、演劇サークルの池田(中泉英雄)が主役の代役を引き受けることを承諾し、撮影リハーサルが始まる。しかし、<殺人>をめぐるテーマの解釈について、松川は久田や池田たちと対立を深めていく。果たして、狂騒と白熱の映画製作の渦中に投げ出された学生たちは、無事「タイクツな殺人者」をクランクインさせることができるのだろうか…。
スタッフ
キャスト
脚本・監督:柳町光男
プロデューサー:清水一夫
撮影:藤澤順一
音楽:清水靖晃
照明:小野晃
録音:山田均
美術:斉藤岩男
編集:吉田博
監督補:門奈克雄
製作補:澤木慶瑞/安西志麻
記録:石田芳子
助監督:東條政利
製作担当:安田憲邦
装飾:松本良二
衣裳:浜井貴子
ヘアメイク:小堺なな
効果:帆苅幸雄
特機:多正行

特別協力:立教大学
後援:財団法人としま未来文化財団
協力:池袋シネマ振興会

製作管理:大内公認会計士事務所
製作:多井久晃/永田弘道/小松崎和子/島田裕之

製作:「カミュなんて知らない」製作委員会 プロダクション群狼+ワコー+Bugs film
配給:ワコー/グアパ・グアポ
松川直樹:柏原収史
ユカリ:吉川ひなの
久田喜代子:前田愛

池田:中泉英雄
レイ:黒木メイサ
大山:田口トモロヲ

西浦博:玉山鉄二(友情出演)

本杉:阿部進之介
上村:鈴木淳評
吉崎:伊崎充則
中根:金井勇太
佐々木綾:たかだゆうこ

藤原:北口裕介
女子大生:藤真美穂
検察官役:佐藤恒治
古橋教授:津村鷹志

老婆役:今井和子
老人役:山谷初男

そば屋の店主:柳家小三治
中條教授:本田博太郎

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