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ギミー・ヘブン

2006年1月14日(土)より、渋谷ユーロスペース、新宿武蔵野館ほかにて公開

2004年/日本映画/121分/カラー/ヴィスタサイズ
イントロダクション
 誰もが互いに理解し合える運命の相手を必死に求めている。運命がその相手を用意してくれることも、あるいは神様のいたずらですれ違ってしまうことも…。自分が感じたり、見たものが、他人と違う感覚で脳にインプットされてしまう、いわゆる“共感覚者”が、同じ感性を持つ人と出会える確率は、25,000×α分の1――。しかし、そんな相手と出会ってしまったら…。その出会いがもたらす、悲劇…。連続殺人、残された記号、戦慄の絆、そしてその真実。そこが荒漠とした世界の果ての場所であろうと、出会ってしまったふたりは、孤独の果てに愛の繋がりをその地に見出すのだった。
 ある豪邸での殺人事件――。しかもその殺人はある少女の周囲で起こった、3度目の殺人だった…。一見、『踊る大捜査線』シリーズを想起させる、軽妙な犯罪ミステリー映画タッチで始まる『ギミー・ヘブン』は、しかし、次の場面ではすぐさま意想外なトーンへと変容していく。“共感覚”というキーワード、盗撮サイト、洗脳者の存在…。バーチャルな表層の世界で仮想された欲望が、つかのま虚ろに消費され、蕩尽されていく。現代の最先端技術によって生み出された高度情報社会の闇の部分を象徴する、仇花のような世界の噴出がこの映画を暗黒に、しかし切なく彩っていく。
 キャストは主演に『戦国自衛隊1549』の江口洋介。『亡国のイージス』の安藤政信、『NANA』の宮崎あおい、『恋の門』の松田龍平、『四日間の奇蹟』の石田ゆり子という日本映画を代表する俳優陣が顔を揃え、さらには小島聖、鳥肌実、北見敏之らがバイ・プレイヤーとして脇を固めている。
 監督はこの作品が長篇映画デビューとなる松浦徹。脚本は『世界の中心で、愛をさけぶ』の坂本裕二。撮影は『ホテル・ハイビスカス』の高間賢司があたり、今考えうる最高のスタッフ、キャストで製作に臨んだ。
 音楽を担ったのはnido。Dragon Ash の古谷建志、スケボーキングの上杉俊佑、映像クリエイターの吉川寛、俳優でありサックス奏者である武田真治によって2003年に結成されたバンド形式のプロジェクト・ユニットである。サウンドとヴィジュアルの融合を目指したエレクトロニカな音楽が、映画『ギミー・ヘブン』のサブテキストのように、挑戦するように劇伴され、その奇跡的なコラボレーションは、緊張感をもって映画を物語る。さらには竹仲絵里によるアコースティックなエンディング曲『ガーベラ』が透明感のある歌声とともにラストを盛り上げていく。
ストーリー
 ある豪邸で殺人事件が起こった。現場に駆けつけた警視庁のキャリア組の警部・柴田亜季(石田ゆり子)と刑事の柘植(北見敏之)は、刺された主人の死体を階段の上から眺めると、その血痕が不気味な模様を描いていることに気づく。その家の養女・麻里(宮崎あおい)は幼くして親を亡くし、施設で育てられた。これまで3度、豊かな家に引き取られていたが、その受け入れ先の家族はすべて謎めいた死を遂げていたのだった。
 葉山新介(江口洋介)はデザイン事務所を開いているが実際は休業状態。弟分の貴史(安藤政信)とともにヤクザの紺野(鳥肌実)の下請け仕事として盗撮サイトを運営していた。新介は感じたり、見たものが、他人とは違う感覚で脳にインプットされてしまうという症状を持つ“共感覚者”だった。新介の恋人・不由子(小島聖)はカウンセラーから“共感覚者”の孤独について説明を受け、言い知れぬ淋しさを感じるのだった。
 ある日、新介たちの盗撮サイトのひとつで異変が起こる。部屋にカメラを置いて私生活を公開していた女性が失踪したのだ。女の部屋のベッドには血糊が残されていた。新介はその血糊の描く模様がアンダーグラウンドのサイトで<死の商人>と呼ばれている男・ピカソ(松田龍平)のマーキングであることに気づく。
 その後、新介たちの盗撮カメラが仕掛けられた地域で投身自殺など不可解な事件が起こる。都内を流れる川の排水口敷きの映像に倒れた若い女性が映っているのを見つけた新介と貴史は現場に行き、倒れていた女性を事務所へと連れ帰る。その女性はニュースで行方不明と報道されていた麻里だった。
 新介と貴史、麻里の奇妙な共同生活が始まり、貴史はビー玉のような目をした麻里に惹かれていく。しかし、新介と麻里の出会いは、周囲の人々を巻き込んで悲劇へと転がり始めていたのだった…。
スタッフ
キャスト
監督:松浦徹
脚本:坂元裕二
撮影監督:高間賢治(J.S.C.)
音楽:nido/安部潤
エグゼクティブ・プロデューサー:松下順一
製作:関雅彦/武内健/山崎一彦
プロデューサー:堀越謙三
共同プロデューサー:西村大志/■啓祝
アシスタントプロデューサー:大野敦子
ラインプロデューサー:飯田康之
照明:上保正道
美術:安藤篤
録音:井家眞紀夫
助監督:崎田憲一
編集:金子尚樹
記録:岩倉みほ子
整音:山本逸美
効果:佐々木英世

衣裳:宮島尊弘
ヘアメイク:高比良法子/内野晶子
制作担当:新井聡
エンディングテーマ:「ガーベラ」作詞・作曲・歌 竹仲絵里/編曲 安部潤
オリジナルサウンドトラック:motion picture soundtrack/nido

制作プロダクション:ユーロスペース
製作:アートポート+松竹+ユーロスペース+関西テレビ放送
配給:アートポート+ユーロスペース


■=たけかんむり(竹)に旗
葉山新介:江口洋介
野原貴史:安藤政信
路木麻里:宮崎あおい

唐木不由子:小島聖
紺野惣一郎:鳥肌実
桑名依子:西田薫
下川美紀:北川えり
湯川宏一:小木茂光
柘植琢郎:北見敏之

柴田亜季:石田ゆり子
帆村薫:松田龍平

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