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まだ楽園

2006年5月13日(土)、池袋シネマロサにてレイトショー

2005 年/日本/カラー/DV/82分
イントロダクション
 雄二と俊。ふたりの男が、何の変哲もないファミリー車に乗り込み街を後にする。彼らが目指すのは、雄二の生まれ育ったある地方都市。そこで俊はひとりの女と出逢い、雄二はひとりの男と対峙する。果てしなく続くかもしれないし明日終わってしまうかもしれない世界。目的を果たした雄二のまなざしの先には、一体何があるのだろうか。
 『まだ楽園』には、成長する男の物語も非日常の中で少しずつ変化してゆく人間関係もない。ただ予め与えられた宿命に沿って生きる者の姿が、緩んだ時間の中で、時にユーモラスに時にシリアスに描かれるに過ぎない。
 主演の中村英司、森本忠典をはじめ、キャストのほとんどは演技経験ゼロの素人。だが全ての登場人物が、商業俳優に負けない存在感を発揮している。音楽は、横須賀を拠点に人気を集めるガレージ・バンド、ミサイルズ。その“爆音”ぶりの一端が、ライブシーンで垣間見ることができる。監督・脚本・編集は『夜と昼』『車をさがす』で神奈川県映像コンクール特別賞を受賞した佐向大。家庭用ビデオカメラで撮影された全くの自主映画として制作されながらも、ジャームッシュやヴェンダースを彷彿とさせる独特の世界が活き活きと映像化され、観る者の心を揺さぶらずにはいられない作品がここに誕生した。
ストーリー
 昼下がりの住宅街。どこに何をしにいくのか全く話してくれないことに苛立つ恋人を残し、雄二(中村英司)は友人の俊(森本忠典)とともに街を出発する。途中立ち寄ったサービスエリアやコンビニで、同乗させるようせがむ男やママチャリで旅する二人組らに遭遇しながら、車を走らせる雄二と俊。徐々に雄二にとって見覚えのある景色が広がる。そこは彼の生まれ育った町であり、幼少の頃に殺された母親が眠る場所でもあった。俊は居酒屋で働いているというチカ(水高陽子)に出会う。退屈で穏やかな時間を過ごすふたり。しかし雄二は、ある目的を果たすべく、その時が来るのをうかがっていたのだった…。
スタッフ
キャスト
監督・脚本・編集:佐向大
撮影:佐向大/倉茂透
音楽:ミサイルズ
特別協力:木村貴一
協力:boid
製作:パロマイン
配給:パロマイン/ロサ映画社
中村英司
森本忠典

水高陽子
小川登
日守良平
近藤千草
清水永順
福永光宏
照本良
石川諒太郎

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