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シルバー假面
	２００６年12月23日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトロードショー
	２００６年／全３話／カラー／ビスタサイズ／ステレオ／１３０分（３話計）

　光と影のシャープな映像美で知られる実相寺昭雄監督。「ウルトラシリーズ」などで特撮ファンから不動の評価を得ているのはもちろん、ＡＴＧ三部作や『帝都物語』、近年も『姑獲鳥の夏』『ユメ十夜』など、１作ごとに話題を呼んできた。２００６年11月29日、惜しまれつつ逝去した鬼才が最後に手掛けたのは、既成概念にとらわれない自由なイマジネーションに彩られた、まったく新しい魅力に満ちた特撮エンターテイメントである。『シルバー假面』――それは、銀色の光芒に包まれて変身する、美しきヒロインの物語。
　本作品のベースは、１９７１年から翌年にかけてＴＢＳ系で放送された特撮ＴＶドラマ「シルバー仮面」である。実相寺監督と脚本家・佐々木守の名コンビが生み出した、大人の鑑賞に堪えるハードタッチの異色作で、“早すぎた傑作”との評価も高い。そして21世紀の今、「新たな視点を持たない“単なる続編的リメイク”ならば、作る意味はない」――実相寺監督のそうした意図のもとに生まれた新『シルバー假面』は、最初からはっきりと大人のためのエンターテイメントを目指している。そのために前作を知る者をあっと驚かせる仕掛けが用意された。舞台を現代から混迷の大正時代（１９２０年代）へと移し、主人公シルバー假面も、男性から日独ハーフの美女にリニューアルを果たした。
　スタッフは、実相寺監督、原案の佐々木守、美術監督に池谷仙克、撮影監督に中堀正夫と、旧「シルバー仮面」にも参加したオリジナルスタッフに加え、音楽に実相寺作品と馴染みの深い冬木透と、超ベテラン陣が集結。さらに、特殊造形には日本の特殊メイク＆造形の第一人者・原口智生、劇団新感線の衣裳デザインで注目を浴びる竹田団吾がシルバー假面コスチューム制作を担当するなど、新世代のクリエイターが参加している。実相寺監督と佐々木守による原案を脚本化したのは異才・中野貴雄と気鋭の若手ライター小林雄次。実相寺監督の監修のもと、２００６年２月に急逝した佐々木守への追悼の想いも込め、破天荒でテンポの良い作品世界を引き継いでいる。
　３話構成となっている第壱話「はなやしき」は総監修もつとめた実相寺監督自ら演出。そして第弐話「於母影（おもかげ）」を北浦嗣巳、第参話「鋼鉄のマリア」を服部光則と、実相寺組ゆかりの実力派が担当。各話ごとにそれぞれの持ち味を生かした上でひとつの世界観を創出している。
　シルバー假面に変身するヒロイン・ザビーネ役には日英ハーフのファッションモデル・ニーナを抜擢。ローティーン時代から“内田仁菜”名義で活躍し、２００６年に20歳を迎えたニーナは本格的な映像出演は初挑戦。翳りのある美しさを持つ難役に果敢に挑んでいる。ヒロインを助ける若きエリート軍人・本郷大尉には大ヒット作『YAMATO 男たちの大和』やＴＶ「功名が辻」などで注目される渡辺大。飄々とした存在感で本郷とコンビを組む平井太郎（のちの江戸川乱歩）には若手実力派の水橋研二。神出鬼没のカリガリ博士に石橋蓮司、ナレーターと劇場の弁士役に寺田農といったベテラン陣に加え、『帝都物語』の“加藤保憲”こと嶋田久作、「ウルトラセブン」の“アンヌ隊員”ことひし美ゆり子という異色のキャスティングも話題である。
　わが国至高のスタッフ・キャストが結集、力強いコラボレーションを見せ、かつてない奇想とめくるめく面白さに満ちた、新・特撮エンターテイメントが誕生した。

　ときは１９２０年（大正９年）。スペイン風邪、シベリア出兵、過熱する労働争議、米騒動などで帝都・東京の世情は騒然としていた。
　そこに次々と起こる、不可思議な美女連続殺人事件。若きエリート軍人・本郷義昭大尉（渡辺大）は、特務機関のボス・明瀬元次郎（嶋田久作）と憲兵隊長・天数照彦（二階堂智）から事件の捜査を命じられる。
　本郷は、探偵小説家志望の友人・平井太郎（水橋研二）の案内で浅草のダンテ劇場へ向かう。そこでは、カリガリ博士（石橋蓮司）という怪人が部下のチェザーレを使って奇怪なアトラクションをおこなっていた。劇場の楽屋裏で見た謎の人影を追った本郷は、日独混血の美女・ザビーネと出会う。カリガリのあやつる蜘蛛型宇宙人が本郷の前に現われたとき、ザビーネは銀色の超人・シルバー假面に変身し、宇宙人を撃退する。
　文豪・森鴎外（伊藤昌一）とドイツ人女性・エリス（アデイト）の間に生まれたというザビーネは、父を追ってドイツからやって来たのだった。彼女が変身に使う“ニーベルンゲンの指輪”は、使い方を誤ると人類を壊滅させるほどの力を持つという。カリガリはザビーネの持つ指輪を狙っているのだった。
　カリガリ、チェザーレ、宇宙人、鋼鉄の女ロボット・マリアら不気味なキャラクターが跋扈する中、物語は競うとスリルに満ちたクライマックスへと突入していく！

総監修：実相寺昭雄
製作：熊澤芳紀
製作協力：小林隆吉
企画：総合プロデューサー：森遊机／池谷仙克
企画協力：桜井浩子／金田益実
プロデューサー：鈴木政信／服部光則
原案：佐々木守／実相寺昭雄
脚本：中野貴雄／小林雄次
監督：実相寺昭雄（第壱話）／北浦嗣巳（第弐話）／服部光則（第参話）
撮影監督：中堀正夫
撮影：中堀正夫（第壱話）／藤井良久（第弐話）／八巻恒存（第参話）
照明：武山弘道
美術監督：池谷仙克
美術：黒瀧きみえ
音楽：冬木透
尺八音楽：山本邦山
録音：星一郎
編集：矢船陽介
特殊造形：原口智生
シルバー假面コスチューム製作：竹田団吾

製作：ジェネオン　エンタテイメント
製作協力：宣弘企画
制作：コダイ
配給：ユーロスペース
宣伝：アルゴ・ピクチャーズ

ザビーネ（シルバー假面）：ニーナ
本郷義昭大尉：渡辺大
平井太郎（のちの江戸川乱歩）：水橋研二
カリガリ博士：石橋蓮司
チェザーレ：山本昌之
マメ蔵：赤星満
明瀬元次郎：嶋田久作
天数照彦：二階堂智
森鴎外：伊藤昌一
エリス：アデイト
少女時代のザビーネ：渡邊エリー
小金井：堀内正美
敷島教授：ひし美ゆり子
ナレーター・弁士：寺田農

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