OLのキリコ(森川葵)は、職場でも「かわいい」と評判の女の子。男子社員からは大人気な一方で女子社員からは嫌われているが、キリコ自身も周りの女の子と自分は違うとまったく意に介さない。チョコレートにアイスクリーム、マカロンに苺のショートケーキ……「かわいい」ものがキリコを作っていく。
キリコがよく通うバーには、恋人のようなそうでないような関係のユウト(谷啓吾)が働いている。バーを訪れたキリコは、近々店を辞めるバイトのケンジ(松澤匠)の代わりに、さやか(井上早紀)という新しいバイトが入ったことを知らされる。ユウトからさやかを紹介されるが、キリコはあっけらかんとユウトとの関係を尋ねてくるさやかがどうにも気に入らない。
ある日、キリコは仕事でアクセサリー作家の幸太(木口健太)を訪ねる。職人らしいこだわりなのか、いまひとつ快い返事をしない幸太にキリコはいつものように「かわいさ」でアピール。ところが、媚びて話をうまく進めようというキリコの狙いを幸太は見透かして「そういうのが疲れるんです」と言い放つ……。
最初はお互いに印象最悪のキリコと幸太。でも仕事で何度か会ううちに、キリコも幸太の繊細な内面に気づいていく。少しずつ変わっていくふたりの関係。
そんな中、ケンジから相談があると呼び出されたキリコは、ケンジの口からさやかとユウトの関係を聞かされショックを受ける。荒れるキリコに呼び出されてキリコの部屋まで来てくれたのは幸太。いつの間にか幸太はキリコにとって素直な気持ちを明かせる数少ない相手になっていた。そして……。
おんなのこきらい
監督:加藤綾佳
出演:森川葵 木口健太 ふぇのたす ほか
2015年2月14日(土)より シネマカリテほか全国順次公開
2014年/カラー/80分
気鋭のミュージシャンと映画作家がコラボレーションし、次々と意欲的な音楽映画を生み出している音楽×映画の祭典「MOOSIC LAB」。2014年の「MOOSIC LAB」で準グランプリ(グランプリは該当作なし)と観客賞、主演女優賞と男優賞の4冠に輝いた作品が、新たな編集を加えたディレクターズ・カット版として単独一般公開を果たす。1988年生まれの新鋭女流監督・加藤綾佳と2015年3月にメジャーデビューを控える3人組グループ・ふぇのたすがコラボレーションした『おんなのこきらい』だ。
主人公のキリコは自他ともに認める「かわいい女の子」。「女の子の価値はかわいい」がすべてと考えて「かわいい」を武器に生きてきたが、ある日その価値観が通用しない青年・幸太と出会って……。
キリコを演じるのは、人気ファッション誌「Seventeen」モデルでデビューし、主演映画『劇場版 零~ゼロ~』『チョコリエッタ』やドラマ「ごめんね青春!」で女優としても注目を集めている森川葵。本作では実年齢より上の「かわいいけど性格は最悪」なOL役を熱演、主演女優賞獲得も納得の新たな魅力を振りまいてくれる。
幸太役には『揺れるスカート』で山形国際ムービーフェスティバル2014で最優秀俳優賞を受賞するなど今後の活躍が期待される木口健太。そして、音楽を担当するふぇのたすの3人も出演し、作品をポップに彩る。
監督の加藤がふぇのたすの歌詞にインスパイアを受けつつ作り上げたストーリーは、男女問わずどこか共感できるはずの「女の子の本音」を浮き上がらせる。「かわいい」の裏にあるものをポップなタッチで描き出した、新感覚の恋愛映画だ。
- キリコ:森川葵
- 幸太:木口健太
- ユウト:谷啓吾
- さやか:井上早紀
- 茜:加弥乃
- ケンジ:松澤匠
- 田辺:巴山祐樹
- まゆみ:緑茶麻悠
- ふぇのたす(みこ/ヤマモトショウ/澤“sweets”ミキヒコ)
- 監督・脚本・編集:加藤綾佳
- 撮影:平野晋吾
- 照明:小川大介
- 録音:吉方淳二
- 助監督:滝野弘仁
- ヘアメイク : 久乃
- 音楽・主題歌:ふぇのたす
- 企画・配給:SPOTEED PRODUCTIONS
- 製作:GOLD FISH FILMS
- 協力:ユニバーサルミュージック/加茂啓太郎