隙間が好きというちょっと変わった趣味を持っている大学生・ヘイサク。隣家のカーテンの隙間から見える女の子の姿が気になっていたヘイサクは、その女の子・文緒（ふみお）と知り合いになるのだが……。
覗く青年と、覗かれる女の子。フェティッシュな嗜好で結ばれたふたりの関係を描いた『スキマスキ』は、ヒット作「うさぎドロップ」で知られるマンガ家・宇仁田ゆみの同名コミックを注目のキャストで映画化した異色ラブコメディだ。
脚本・監督は独特のエロティックな世界が海外でも評価されている吉田浩太。『ユリ子のアロマ』でフェティッシュな愛を描き『うそつきパラドクス』『女の穴』などコミックの映画化も多く手がける吉田浩太と『スキマスキ』はまさに相性抜群だ！
主人公の大学生・ヘイサクを演じるのは、劇団EXILEのメンバーであり、舞台や「花子とアン」などの人気ドラマに出演する町田啓太。コンプレックスを抱えた“愛すべきバカ”ヘイサクを見事に演じきっている。そして“隙だらけ”のようで秘密も抱えたヒロイン・文緒を演じるのは『フィギュアなあなた』などで注目される佐々木心音。あっけらかんとした文緒役で新たな魅力を見せるとともに、グラビア界でも人気の美しさを大胆に披露している。
そのほか、ドラマ・映画で話題作への出演が続く中村映里子、劇団EXILEの八木将康、映画や舞台で活躍する久住翠希ら期待の若手が共演。また、改名し女優活動を再開させた松野井雅が吉田作品出演を果たしているのも注目だ。
こんな趣味は変かもしれない、でも「変」ってなんだろう？ 『スキマスキ』はポップなタッチで真摯なテーマに向き合ってみせる。さあ、あなたも隙間のその先にある世界を覗いてみよう。
ヘイサク（町田啓太）は「隙間」が好きでたまらないというちょっと変わった趣味を持っている。そんなヘイサクがこのところ一番気になっている隙間は、隣のアパートの一室のカーテンの隙間。その隙間からは、部屋の主の女の子の無防備な姿が見えるのだ。大学の建築科で学ぶヘイサク、隙間からかすかに見える「お隣さん」のことが気になりすぎて勉強に集中できず、このままでは落第という危険な状況になっている。
ある日ヘイサクは、大学で見かけたひとりの女子学生が「お隣さん」ではないかと直感する。そしてその女子学生・文緒（佐々木心音）とヘイサクは学食で近くの席に座ったのをきっかけに知り合いになり、やはり文緒があの「お隣さん」であることが判明。さすがに文緒のことをいつも覗いているとは言い出せず、罪悪感を感じながらも今日もカーテンの隙間から見える文緒の姿を覗き続けるヘイサクだった。
ところが、文緒にもヘイサクが知る由もない秘密があった。心理学を学ぶ文緒もまた、アパートの窓の隙間から見えるヘイサクのことを興味深く観察していたのだった。
文緒と同じく心理学を学んでいる文緒の友人・華（中村映里子）は、文緒がヘイサクを観察していることを知っている。ある夜、文緒の部屋を訪れた華の姿を、ヘイサクはカーテンの隙間から目撃する……。
ヘイサクと文緒の関係は、華も巻き込んで奇妙な方向へと進んでいく。果たして、ヘイサクが「隙間の向こう側」に見出すものとは……。
