夏のある日、何度もデートを重ねた相手を振った大学生・清高(野村周平)は、車の免許を取ろうと思いつく。「車に乗ったらどこにでも行けるから」。そして自転車で夜道を走っていた清高は、車にはねられてしまう。
清高をはねた車を運転していたのは、若いヤクザの轟木(賀来賢人)。轟木は無免許で、事故を起こしたとなればかなりまずい。同乗していた先輩ヤクザの手を借りて、轟木は完全に意識を失っている清高をトランクに積み込んで車を走らせる。
清高が気がつくと、そこは木々に囲まれた古い学校のような建物。入口にかかっている「森山中教習所」の看板を見つけ、ちょうど免許を取りたかった清高は大喜び。建物の中を覗くと、そこには轟木の姿があった。
事故のあとで組長の中島(光石研)の免許を取るよう命令され、教習所で入所手続きをしていた轟木の前に、てっきり死んだと思っていた清高が駆け寄ってきた。おまけに清高は嬉しそうに「轟木!」と呼びかけてくる。「……清高くん?」。実は清高と轟木は高校の同級生だったのだ。
組長は、奇跡的に無傷だった清高に、教習所に通う授業料を肩代わりするのと引き換えに事故のことを内密にするよう持ちかける。清高はあっさりその条件を承諾、振ったばかりの松田さん(岸井ゆきの)にタダで教習所に通えると報告する。
こうして森山中教習所に通うことになった清高と轟木。実は森山中教習所は非公認で免許を取るには別に試験を受けなくてはならないと知って一度は落ち込む清高だったら「受かればいい」と前向きに考える。
教官をつとめるサキ(麻生久美子)の指導のもと、清高と轟木の森山中教習所での夏が始まる――。
森山中教習所
監督:豊島圭介
出演:野村周平 賀来賢人 ほか
2016年7月9日(土)より 新宿バルト9ほか全国ロードショー
2016年/カラー/アメリカンビスタ/DCP/103分
ひとりは、能天気で妙に前向きな大学生。ひとりは、無表情で無口な若きヤクザ。高校の同級生だったふたりは、奇妙な再会を果たし、ひと夏をともに過ごすことになる。山の中にある自動車教習所「森山中教習所」で――。
ドラマ「梅ちゃん先生」で注目を集めた野村周平と、ドラマ「クローバー」「花子とアン」などの賀来賢人。ともに映画やドラマへの出演が続くふたりの若手男優が、初共演にしてダブル主演をつとめるのが『森山中教習所』だ。
原作は、マンガ界の新鋭・真造圭伍の初連載作である同名コミック(「月刊!スピリッツ」掲載)。賀来賢人出演作『ソフトボーイ』などを手がけ、2016年は『ヒーローマニア -生活-』やオムニバス作『スリリングな日常』と監督作公開が続く俊英・豊島圭介がメガホンをとった。
大学生の清高を野村周平、若きヤクザの轟木を賀来賢人が演じるほか、活躍めざましい若手女優の岸井ゆきの、日本映画界を代表する女優のひとりである麻生久美子、ベテランの光石研、根岸季衣、ダンカンら、幅広いキャストが揃った。
また、惜しまれつつ解散したインストゥルメンタルバンド・SAKEROCKのメンバーで幅広く活躍する野村卓史と伊藤大地によるユニット・グッドラックヘイワが初めてユニットとして劇伴音楽を担当し、主題歌は俳優・文筆家としても人気でSAKEROCKのリーダーであった音楽家・星野源が映画のために書き下ろした「Friend Ship」。音楽面でも豪華な顔合わせが実現した。
夏の教習所でふたりの主人公が築いていく友情、そして美人教官へのほのかな恋や、教習所の人々との交流――。「特別な夏」の眩しさと、その中に潜むやるせなさが胸を打つ作品だ。
- 佐藤清高:野村周平
- 轟木信夫:賀来賢人
- 岸井ゆきの:岸井ゆきの
- 寺十吾
- 佐藤真弓
- 裵ジョンミョン
- 黒田大輔
- 本田智則:音尾琢真
- 上原威一郎:ダンカン
- 上原都紀:根岸季衣
- 上原サキ:麻生久美子
- 中島重臣:光石研
- 監督:豊島圭介
- 原作:真造圭伍「森山中教習所」(ビッグスピリッツコミックス刊)
- 脚本:和田清人 豊島圭介
- 企画:アミューズ映像製作部
- プロデューサー:筒井竜平/小西啓介/平体雄二
- 撮影:藤石修
- 照明:植田力哉
- 録音:田中博信
- 美術:西尾共未
- スタイリスト:横田勝広
- ヘアメイク:貴島タカヤ
- 編集:木村悦子
- サウンドエディター:勝俣まさとし
- キャスティング:山口正志
- 助監督:加藤文明
- 製作担当:田島啓次
- 音楽プロデューサー:和田亨
- 音楽:グッドラックヘイワ
- 主題歌:星野源「Friend Ship」(スピードスターレコーズ)
- 制作プロダクション:アミューズ映像製作部/スタジオブルー
- 配給:ファントム・フィルム
- 製作:「森山中教習所」製作委員会(アミューズ/ファントム・フィルム/ポニーキャニオン/小学館/スタジオブルー/NPC)