ミハイルの寅さん鑑賞日誌
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第13回 『男はつらいよ・寅次郎恋やつれ(13作)』
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1997.5.10
従来の任侠物とは趣を異にする人情劇的夢シーン、花嫁の台詞(声)が余分 でしたね。
テーマソングのお馴染み河川敷のシーンでの自転車にぶつかると思わせてお いてカップルにぶつかるところは客の予想の一枚上を行く心憎い演出で流石 でした。
あっさりとしているものの小技の効いた寅さんのとらやへの帰還シーン、お いちゃんの振り返り技もきっちり決まって快かった。
今までにないお土産から何かがあると思わせる話の展開も素敵です。
寅さんの独演......良いですね、落語家でもここまで客を引き付けられる人 っていないのでは。(さすが渥美清です)
寅さんの「重要な発言」で勝手に盛り上がるとらやの面々の描き方もノリが 良くて素敵でした。
キヌヨさんとの結婚話に対する博の「第三者を通しての確認」とそれに対す る「何もない」という寅さんの返答でシラける茶の間......毎度の事ながら 雰囲気の変わり方って見事です。
サクラ、タコ社長を従えてのヨツノ行きも良い味が出ていました、タコ社長 って良いオジさんであることを再認識しました。
キヌヨさんの「寅さん!」と背中の荷物を投げ捨てて駆けてくる姿はとても 魅力的でした、予想できた事でしたが「主人が」に肩を落とすタコ社長の姿 がとても印象に残りました。
それはそうと駅のホームに流れるブラスバンドの音、何か意味があるのでし ょうか?
津和野の食堂で、寅さんが鳴門巻きを嫌いであることを認識しました。
そこでの歌子さんとの出会い、もう2年も過ぎていたのですね。
亡き夫の家にいる歌子、さっさと東京へ帰れば良いのにと思った私ってドラ イでしょうか?
とらやでの寅さんが自虐的に、人非人、薄情者と言っておりましたが、それ は夫の死亡をとらやに知らせてこなかった歌子さんの方が薄情ではないかと 考えさせてくれる台詞でした。
寅さんのヒーロー指向、ナルト嫌いを再認識いたしました。
とらやに転がり込む歌子さんも、ある意味では計算高い女性ですね。
寅さんが絡む歌子パパ、とても分かりやすい人に描かれていたと思います。
この歌子パパがいなかったら物語にメリハリがなくなってしまっていたので はないかと思いました。いいぞ、歌子パパ!
とらやでの歌子パパと歌子の和解、それにかぶさるおいちゃんの「酒だ!」 もその場の雰囲気を良く表していると感心しました。
この作品での発見
『バァバ』......満男ちゃんのおばちゃんの呼び方
サクラのアパートに電話が引かれていた。
とらやのレジスターが木製ではなくスチール製になっていた
とらやのコーヒーはインスタントでカップにスプーンを一つ必ず付ける
この作品で感じたこと。
冒頭のキヌヨさんとの恋愛騒動で、前半で物語が終焉したような感じを受け たため後半の歌子さんのエピソードにおける恋愛騒動の印象が薄まってしま ったように感じました。
前半だけでも立派に短編映画になっていると思いました。
前作のようにマドンナから拒絶されるのではなく、無視されるという最悪の 恋愛終結パターンは今一つ爽快感がないように思いました。
映画の終わりのシーンを観ると寅さんはキユヨ、歌子どちらの方により引か れていたのかわからなくなってしまいました。
二人マドンナという趣向なら二人を絡ませた方が良かったのでは。
なかなか風邪が治らないミハイルでした。
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