ミハイルの寅さん鑑賞日誌
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第23回 『男はつらいよ・翔んでる寅次郎(23作)』
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1998.11.14
夢のシーンは昭和初期(?)の柴又で「気狂い一家の妹」と悪ガキ達にはやし立 てられるサクラ、いつものことながら昔風の舞台劇風の演技が風情があってもう 名物となってしまっています。
話の終わりのトホホさも微笑ましい限りです。
夢から醒める寅さん、あれあれ寅さんって便秘症だったのね。
毎度お馴染みの河原の騒動も、財布からアベックの将棋倒しとは意外な展開で楽 しめました。
中村君の結婚式で通りに通行人が一人もいないのも映画ならではで面白く観るこ とができましたね。
サクラの結婚から早10年、早いものですね〜
花嫁に見惚れる寅さんってのも意外と絵になるなぁ。
ヘラズ口を叩く寅さんとまじめに説教をたれるオイちゃん、いつものことながら しっくりきます。
着替えて仕事に戻る博と社長ってのも朝日印刷の日常をさりげなく連想させてく れます。
寅さんのお土産の匂いを嗅ぐサクラ、いや〜生活感のあるシーンですが、こうい う演技をこなしてしまう倍賞さんも可愛いなぁ。
夕食時における満男君の台詞....オフの時五十嵐助監督に聞きましたが確かに中 村はやと君は瞬きが多く、台詞まわしも及第点まで達していないように感じまし た。
満男の作文でカッとなったものの、オイちゃんの「トラヤの恥」という指摘にシ ュンとなる落差の面白味を味あわせておいてから仕上げにタコ社長の一言でダメ 押しというのも美味しかった。
それにしても、この頃の寅さんは本当に元気ですね〜。
毎度おなじみとなった北海道での売り物はネクタイですか。
何と女性の方から声を掛けられるとは(といっても北海道でリリーに声を掛けら れた時のような風情とは無縁)、「乗ってかない」に逆に説教をたれる寅さん、 もしかして昔、寅さんは美人局のような手口に遭っていたのかもしれません。
ここで登場のヒトミちゃんですが、変わったオネーチャンという印象でこの印象 は最後まで変わりませんでした。
そのヒトミちゃんを襲う旅館の若旦那、ものの見事なトホホ男の描き方で楽しめ ました。
田園調布を田園地帯と間違える寅さん、微笑ましいものの苦しい笑いでした。
旅館でヒトミちゃんに説教を垂れる寅さんですが話の内容が古過ぎるのも寅さん のキャラクターで良し良し。
それはそうと若い女の子が無防備で寅さんと二人で時を過ごす姿は恋愛の雰囲気 とは無縁の安全パイのオジサンという感じしかありませんでした。
路上でオバちゃんとバッタリ、その後の会話も微笑ましい限りでした。
ヒトミちゃんから連絡がなかったか尋ねる寅さん、物語の展開上は必要な台詞と 分かりますが、そんなに心配する相手でもなかったように感じていたので意外に 感じました。
犬塚弘のタクシー(「紅の花」のタクシー運転手としても登場)で披露宴会場の ニューオータニからウェディング・ドレス姿のまま脱出するヒトミ....意外性の ない脱出方法でしたが逆に臨場感が出て良かったのではないでしょうか。
寅さんに抱き着くヒトミ、スローモーション等で思いっきりそれらしく表現せず に簡素に表現することで二人の関係が恋愛関係でないことを強調したのでしょう か。
ヒトミ・ママの「あの変な人(寅さん)のこと好きなの?」の質問へのヒトミの 「馬鹿ね〜、話を聞いてくれたオジサン」って回答が良いなぁ....ヒトミの存在 を良く表している会話だと感心しました。
ヒトミちゃんも寅さんが変な人(良いオジサンだけどね)であることは認識して いるようで妙に笑えました
涙ぐむヒトミ・ママの背でおどける寅さんって無邪気でこのヒーローの陽気な面 の象徴ですね。
「早く帰せ」の話はどこへやら、ヒトミの世話をしてしまうトラヤの面々の世話 好きは毎度の事ながらなぜかホットしてしまいます。
オバちゃんの言葉使いがしっかり喜劇していました。
トラヤでの団欒での会話からオイチャン・オバチャン夫婦が恋愛結婚という事が 分かりましたが、タコ社長のお見合い、しかもお見合いの時は身代わりで結婚相 手とは別人というのには笑わされました。
ヒトミの「母が寅さんをヒトミの恋人と間違えた」にヤニ下がる寅さんの表情が 可愛らしかった。
ヒトミの寅さんへ質問した「なぜ結婚しないの?」に応えて言う「触れてもらい たくない過去がある」という台詞はキザな台詞ですが、寅さんが言うと説得力十 分で決まってました。
ヒトミに披露宴の途中でスッポカされた邦男青年ですが、いきなり下町勤労青年 への変身とその身を案じる健気な妹という寅・サクラ、虹を掴む男2のリョウ・ 妹と共通したパターンですね。
その後のヒトミと邦男の恋愛は微笑ましいものの「君たちはどんな婚約期間を過 ごしてきたんだ」という素朴なツッコミが浮かびました。
ヒトミの結婚宣言に「誰と?」と反応する寅さんへ博が言った「お兄さんでない ことは確か」は良い台詞で笑ってしまいました。
条件反射的に旅に出ようとしてサクラから諭されて仲人を勤める寅さん、この旅 立ちの一件は従来の「男はつらいよ」のパターンをパロディ化していて多いに楽 しめました。
ヒトミと邦雄のやり直し披露宴での寅さんですが、意外と上がり症だったのです ね。やはり寅さんはお葬式が似合うのかな。
それはそうと、この披露宴で御前様の歌が出るとは予想外の事で興味深く聞くこ とができました。
【素朴な感想】
ヒトミが寅さんの恋愛の対象ということではないように思えたこともあり、今ま での作品とはまた違った作風でそれなりに楽しめました。
全体的に微笑ましい雰囲気を感じました。
【発見】
御前様の源ちゃんをこらしめる折檻です、可笑しかったが同時に恐かった。
当時コーヒーが250円。
トラヤのレジが白になっていた。
トラヤの面々はもうメロンで大騒ぎをしなくなった。
トラヤのビールはサッポロだった。
先は長い、楽しみも長いと気長に亀ペースのミハイルでした。
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