1985年/北朝鮮映画/配給・レイジング・サンダー 


「大怪獣プルガサリ」タイトルクレジット。






巨大化したプルガサリ。演ずるはもちろん薩摩剣八郎。




プルガサリ(小)を演じたのは、ミニラで有名なマーちゃん。(故人)
造形は東宝特殊美術(当時)の安丸伸行。氏のタッチが随所に出ている。

監督…………………………シン・サンオク
脚本…………………………チム・セリュン
撮影…………………………チョ・ミョンヒョン・パク・スンホ
美術…………………………リ・ドイク
音楽…………………………ソ・ジョンゴン
特殊効果……………………キム・ドゥクホ
特撮美術……………………パク・チョンギル
メイクアップ………………リ・ヨング・オム・マンシク
編集…………………………キム・リョンスン
録音…………………………リム・ユソン
衣装美術……………………リム・ホンウン
照明…………………………ロ・ドンチョン・リ・インボム

協力特撮監督………………中野昭慶
プロデューサー……………宮西武史
撮影…………………………江口憲一
照明…………………………三上鴻平
操演…………………………白熊栄次
特殊効果……………………久米功
美術…………………………鈴木儀男

チャン・ソニ
ハム・ギソプ
ジョングク・イングォン
ユ・ギョンニ
ロ・ヘチョル
リ・リョウウン
パク・ヨンハク
パク・ボンイク
キム・ヨンシク
テ・サンフン
キム・ギチョン
リ・インチョル
薩摩剣八郎(プルガサリ)
マーちゃん(小プルガサリ)

圧政に苦しみついに蜂起した民衆の背後に、守り神としてのプルガサリがいた。手書きマットによる合成シーン。エキストラの数が凄い!

紫禁城破壊シーン。かなり巨大なミニチュアセットだ。
寺院破壊シーン。瓦一枚一枚まで精密に作られている。 紫禁城内部。プルガサリが小さいんじゃなく、紫禁城がでかいんだな。
敵の撃った大砲の弾を飲み込んだプルガサリは、熱火球にしてにして吐き出した。
アニメーション合成。
プルガサリ断末魔の瞬間。薩摩、力演!
プルガサリは怒りの形相で大砲をつかみ、むしゃむしゃと食べてしまう。 プルガサリは無垢な娘アミの流した血で誕生した。アミが隠れた鐘を飲み込んだプルガサリは、見る見る土塊と化す。

【解説】

 韓国映画の巨匠シン・サンオクが北朝鮮に拉致(亡命という説もいまだ根強い)され作った、おそらく北朝鮮唯一の怪獣映画。製作条件は撮影機材等の不備からかなり厳しかったことが画面から伺えるが、それでも1万人のエキストラを使ったといわれる群集シーンなどはなかなかの迫力。
 それにしてもこのような内容の映画をよく金正日が許可したものだ。一応高麗王朝の圧政に苦しんで蜂起する農民という設定はプロパガンダとしては成立しているが、シン監督の真意は、高麗王朝を金日成体制(当時)に見立てたことは確実。そう言う意味でも興味深い映画である。
 特撮は東宝映像美術が請け、中野監督以下、東宝特撮になじみの深いメンバーが北朝鮮に渡った。なおこの辺りの経緯は、「ゴジラが見た北朝鮮」(薩摩剣八郎著)に詳しい。必読!薩摩はフォルムがゴジラより人間に近いプルガサリをのびのびと演じた。

【あらすじ】

 高麗朝末期、朝廷の圧制により民衆の生活は困窮を極め、ついに蜂起するに至った。焦って朝廷は役人に命じて農具を没収、役人は名工として名高い老鍛冶屋のタクセに農具を武器に鋳直すよう命ずる。そのため農民は更に困窮し、見かねたタクセは古の言い伝えに残る怪獣、プルガサリが鉄をみんな食べてしまったと役人に偽り、農具を農民に返してやる。逮捕され拷問にかけられた彼は、最後の力を振り絞って娘のアミが差し入れた貴重な米粒で小さなプルガサリの人形を作った後息絶える。
 アミが誤って流した血を吸収した人形はプルガサリに変化し、鉄を食べて見る見る巨大化していった。やがてプルガサリは、蜂起した農民達の守り神的存在になり、ついに紫禁城を破壊した。こうして圧制は終わったものの、プルガサリの餌となるべき鉄は、もう農具しか残っていなかった。アミは寺院の鐘を鳴らしてプルガサリを呼び寄せ、自らはその中に隠れた。何も知らない空腹のプルガサリは鐘をむさぼり食うが、その直後、体にひびが入り土塊となって果てた。