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『不良少年の夢』製作発表会見
写真
左から伴杏里さん、松山ケンイチさん、真野響子さん、
義家弘介さん、花堂純次監督、三村順一プロデューサー

 北海道北星学園余市高校の現役教師・義家弘介(ひろゆき)さんをモデルとした映画『不良少年の夢』の製作が決定し、7月15日に都内で製作発表会見がおこなわれました。
 義家さんは中学時代から不良と呼ばれ、高校を退学処分となり、家からも絶縁されながら、高校中退者受け入れを開始した北星学園余市高校に入学。卒業後、様々な経験を経て、教師として母校に赴任して現在も教鞭をとっています。その体験を書いた著書が「ヤンキー母校に帰る」としてテレビドラマ化され話題となりました。今回製作される映画は、義家さんの著書「不良少年の夢」を原作として、義家さんの高校時代から描きます。
 メガホンをとるのは『羊のうた』『夢追いかけて』の花堂純次監督。義家さんをモデルとした主人公を、最近活躍の目覚しい若手俳優・松山ケンイチさんが演じます。
 会見には北海道から駆けつけた義家さん、花堂監督、松山さん、三村順一プロデューサー、恩師・安達先生役の真野響子さん、女生徒・西崎美紗緒役の伴杏里さんが出席。
 義家さんは「今、教育を受けるひとりひとりが不安の中で苦しんでいる。未来を作る子供たちが苦しんでいるということは、未来が苦しいということにほかならない。俺はそれを打破するために必要なのは高度な方法論ではなくて、精一杯のリアルであり、精一杯の熱であると信じて教育現場にいます。この映画の中でリアルと熱が放出されていれば、後は何をやってもらっても構わないと思っています。そして、監督やスタッフ、出演者のみなさんに負けないように、自分も教育現場でリアルと熱を放出していきたいと思っています」とあいさつ。花堂監督は「とても素敵なキャストに出会えましたので、力のあるスタッフと一緒に完成まで走り続けたいと思います」とあいさつしました。



メガホンをとる花堂純次監督

原作者で主人公のモデルでもある義家弘介さん

三村順一プロデューサーのコメント
『不良少年の夢』というのは、義家先生の夢であると同時に、様々なジレンマを背負った生徒たちの夢でもあると思います。この作品は、その夢の向こう側にあるもの、それが何であるのかというものが確実に見えてくるような、そんな作品になっていくのではないかと期待しています。

花堂純次監督のコメント
少年期の子供たちっていうのを、映画では3作続けてやっています。今回の作品もある意味では、時代に対するオマージュという思いもあります。ぼくは中途半端でしたけど、同じように道を外れかけて、心の部分では響きを同じくする部分がたくさんありました。自分の悪たれ仲間の素直さとかに出会ったこともフツフツと思い出しまして、彼らの本当に純粋な部分が描き切れればと思っています。もうひとつ、逆説的ですけど、いつの間にか自分が今の中高生たちの親世代になっていて、そういった部分での反省みたいなものもひじょうにあります。でも、固い映画ではなくて、義家さんの授業と同じなんですが、観ている人が引き込まれるような面白い入り方をしながら、心が通えるような、そんな作品にしたいと思っています。

原作者・モデルの義家弘介さんのコメント
原作になった「不良少年の夢」という本は、非常に苦しい思いの中で書いた本だったんです。自分は今まで数えきれないほどの過ちを犯しながら生きてきました。世の中って、少しまともになると“昔、俺悪くてさ”とか、悪かったことが武勇伝の様に語られるような局面もあるんですが、自分は決してそうは思えないんです。俺が傷つけてきたもの、壊してしまったもの、それは、どんな裁きを受けようとも償うことのできない罪だと思っています。だから俺は一生その罪を背負って生きていかなきゃいけないと思いながら、日々、歯を食いしばりながら生徒たちと向き合っています。その中で、自分にとってはひとつの区切りとして、全ての過ちや罪を開示して最後まで生き抜くと表明した本だったんです。それが映画になるという話を聞いたとき、色々心の中が揺れました。テレビドラマは教師になってからのドラマでしたけれども、今回、映画で撮られる内容というのは、ドップリと自分の罪の歴史が描かれているんです。だけど、監督はじめスタッフ、出演者のみなさんと話しながら、今こそぜひそれを作品として撮っていただきたいと本気で思いました。

義家さんの恩師・安達先生を演じる真野響子さん
義家さんをモデルとした主人公を演じる松山ケンイチさん
心に傷を持つ女生徒・西崎美紗緒を演じる伴杏里さん

安達俊子先生役・真野響子さんのコメント
昨日、松山さんと余市に飛んで、義家先生と、安達先生にお会いしました。それで確信したことは、とにかくキチンと真面目に取り組めばきっとやっていけるだろうと思いました。役をいただいたときから安達先生と自分の共通点も色々見出していましたし、現実に生きていらっしゃる方の役をやるのは初めてなんです。実際にお話ができて、それで役を作っていくというのはとても大きな励みになります。

義家弘介役・松山ケンイチさんのコメント
義家先生と話をしたり、本やドキュメンタリーを見ていると、先生は心から教育というものに体を張って生きているんだなと思いました。人間は人間の関わりの中でここまで変われるということと、夢は逃げていかないということがすごく感じられました。道に迷う人たちが、この映画を観て、自分の中で変化を起こして欲しいと思っています。そして、義家先生に近づいて、義家先生が伝えたいことを、ひとつ残らず伝えられるように頑張ります

西崎美紗緒役・伴杏里さんのコメント
西崎美紗緒という役は、小さい頃から親の愛情っていうものを受けていなくて、私は小さい頃から幸せな環境で育っていたので、そこが彼女と自分との一番の違いだと思って、そこの距離というか、心の違いを近づけていけたら良いなと思っています。そして、自分なんか世の中に存在している価値すらないと思っていた女の子が、出会った人の影響によって、前向きに生まれ変わるという、そういう姿勢の部分を自然にできたら良いなと思っております。


 『不良少年の夢』は、会見に出席されたみなさんのほか、西村雅彦さん、全日本プロレスリングの武藤敬司さんらが出演。北海道北星学園余市高校の全面協力のもと、7月23日にクランクインします。

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