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『ヘタな二人の恋の話』街山みほさん・いまおかしんじさん・佐藤周監督インタビュー

 他人とのコミュニケーションが苦手で恋愛もうまくいかない綾子と祐太。偶然に出会ったふたりは恋をして、やがて――。
 『ヘタな二人の恋の話』は、新たな映画レーベル「マヨナカキネマ」の第一弾。グラビアで話題の街山みほさんが映画初主演をつとめ、監督としても多くの作品を手がけるいまおかしんじさんの脚本、期待の新鋭・佐藤周監督のメガホンで、生きるのが“ヘタ”な若い男女の出会いから別れまでの7年間をエロティックな描写も交えて描いていきます。
 不器用に生きるふたりのささやかにラブストーリーであると同時に、誰もが生きづらさを抱える現代を映し出した作品にもなっている『ヘタな二人の恋の話』。この作品を通して主演の街山さん、脚本のいまおかさん、佐藤監督が感じたものとは。

街山みほ(まちやま・みほ)さん(写真中央)プロフィール

1998年生まれ、東京都出身。慶應大学在学中だった2019年に巨匠・篠山紀信さん撮影の写真集でデビューし注目を集める。その後も写真集やグラビアで活躍するほか、個人のYouTubeチャンネルを開設して活動中。『ヘタな二人の恋の話』で映画初出演にして主演をつとめる

いまおかしんじさん(写真左)プロフィール

1965年生まれ、大阪府出身。助監督を経て1995年に『彗星まち』で監督デビュー(「今岡信治」名義)。『たまもの』(2004年)などで注目を集め、2011年には日独合作映画『UNDERWATER LOVE おんなの河童』を手がける。近年の監督作に『れいこいるか』(2019年)『葵ちゃんはやらせてくれない』(2021年)など。また山下敦弘監督『苦役列車』(2012年)など脚本家としても活躍

佐藤周(さとう・あまね)監督(写真右)プロフィール

1988年生まれ、大分県出身。学生時代からホラー映画を制作し、2017年に心霊ドキュメンタリー『怪談新耳袋Gメン 復活編』で劇場作品初監督。以降『シオリノインム』(2019年)、第50回ロッテルダム国際映画祭招待上映作品『橘アヤコは見られたい』(2020年)などを監督。劇場映画のほか、SNSで新たなホラー映像表現を試みるアカウント「コワゾー」でメイン監督をつとめる

「すごく感情移入しやすい役柄でした」(街山みほさん)

―― 街山さんは『ヘタな二人の恋の話』が映画初主演ですね。出演が決まったときのお気持ちを聞かせてください。

街山:初めてお話をいただいたときは、とてもビックリしました。そのあとは嬉しいという気持ちより「え、私で大丈夫なのかな?」っていう気持ちのほうが大きくて、まずは佐藤監督とお話をしてみましょうということになってお会いしまして、お若い方で驚いたのを覚えています(笑)。そのときにお話をしていく中で、佐藤監督が「いまの若い方に刺さるような映画を作りたい」というようなことをおっしゃっていたんです。なので、等身大の自分がやって、それを映し出していただけるなら、がんばってみようかなと思い、撮影に臨みました。

―― 佐藤監督は、街山さんにお会いしたときどんな印象を持たれました?

佐藤:もともと街山さん主演という企画だったので、お会いする前に写真集とかグラビアを見せていただいたんです。それを見たときは普通に「お綺麗な方だな」と思って。

『ヘタな二人の恋の話』スチール

『ヘタな二人の恋の話』より。街山みほさん演じる主人公・綾子

街山:ありがとうございます(笑)。

佐藤:それで実際にお会いしたら、声が高いなって(笑)。

街山:アハハハ(笑)。

佐藤:すごく可愛い声で、喋り方も想像と違ったんですよ(笑)。グラビアの顔とか表情とかから受ける印象だと、もっと強い人というか、記号的な「愛人キャラ」みたいな人なのかと思っていたら、すごくフレンドリーで、いい意味で喋り方が子どもっぽくて、そのギャップが。

街山:嬉しいです。ギャップ萌えですか?(笑)

佐藤:まあ、萌えましたよね(笑)。そこはすごい面白いと思ったので、映画にも活かせるだろうと思ったんです。綾子の言動のおかしさはそれが活きていると思っていて「こんな綺麗な人がこんなことを言っちゃうんだ、こんなことをやっちゃうんだ」という部分は出しやすかったと思います。もし街山さんじゃなくて喋り方まで完璧に愛人キャラみたいな人だったら、あそこまで崩せた自信がないですね。街山さんがこの感じだから、綾子は演出していてやりやすかったです。街山さんは役に近づきやすかったですか? ぼくから見てると違和感なかったんですけど。

街山:すごく感情移入しやすい役柄でした。綾子自身、いつもなにかに対して一生懸命なんですよね。だけど言葉に表すのがヘタだから感情がすぐ行動に出ちゃって、周りの人たちがビックリしてしまうというか。でも、なにか憎めない部分があったりして、もうちょっと上手に生きられたら、きっといい女になっていたのかもしれないなって(笑)。

―― いまおかさんは、脚本を書く段階で街山さんを想定されていたのでしょうか?

いまおか:そうですね、もう主演に決まってたんで。この映画は監督が最初のプロットを書いていて、なんていうか面倒くさい女子の話で(笑)。なんでそういう話にしたのかというと、監督が昔付き合っていたのが面倒くさい女子で、大変なことも多かったけど、ときどきすごく可愛いときがあったみたいなことで書いた話だったんですよね。だから「大変だけど可愛い人」というか、そういうキャラクターとして作れたらいいなと思っていたんです。それで、きっと街山さんも面倒くさい気質の人だろうって勝手に思い込んで(笑)。

街山:ああ……当たってますね(笑)。

『ヘタな二人の恋の話』スチール

『ヘタな二人の恋の話』より。街山みほさん演じる主人公・綾子

いまおか:ハハ(笑)。だからイメージどおりだなって(笑)。それに加えて、自分の体験した面倒くさい女子を思い出して。だいぶ前ですけど、付き合っていた女性とカラオケ行ったら、俺は次の日現場で朝早かったんですけど「帰りたくない」って言い出して帰してくれないんですよ。それで終電なくなっちゃたから、もう朝までいて直接そこから現場に行くわってなったんだけど、そのうち「私の好きなところ100個言うまで帰さない」って言い出してさ(笑)。

街山:ええっ(笑)。

佐藤:うわ、キツいキツい。

いまおか:ずっと言っていくんだけど、100個も言おうとするとダブるじゃん。そしたら「それさっき言った。マイナスね」って、俺だんだん死にたくなってきてさ(笑)。そういう記憶を入れてますね。

街山:じゃあ、この映画にはいまおかさんの体験談が盛り込まれているんですね(笑)。

いまおか:マンマじゃないけどね、薄めて(笑)。

佐藤:いまの「100個言って」っていうのを綾子がやってたら、ぼく綾子を嫌いになってたかもしれないです。

街山:アハハハハ(笑)。

「がんばっている人を主人公にしたいというのがあったんです」(佐藤周監督)

―― 最初のプロットは佐藤監督が書かれていたということでしたが、脚本作りはどういう方向を目指して進められたのでしょう?

佐藤:ぼくからは「生きづらい人の話でお願いします」って。

いまおか:ざっくりやな(笑)。

『ヘタな二人の恋の話』スチール

『ヘタな二人の恋の話』より。街山みほさん演じる綾子と鈴木志遠さん演じる祐太

佐藤:すごいざっくりしたオーダーだったんです(笑)。いまおかさんがさっき言っていたように、ぼくが最初に書いた序盤のプロットは、面倒くさいというか精神的な意味で生きるのが不器用な女の子を主人公に書いていて、それをいまおかさんに詳細なプロットと脚本にしてもらうときに「ストーリーはどう変わってもいいので、とにかく生きづらい男女の話でお願いします」と言ったんです。それははっきり覚えています。それで上がってきたのがこのホンで、もうすごい生きづらい話になっていて「ああ、よかったな」って。

街山:生きづらい話ですよねえ。

―― 生きづらい人の話にしたいという発想はどこから生まれたのでしょう?

佐藤:もともと、がんばっている人を主人公にしたいというのがあったんです。いまを懸命に生きている人ですね。それで「いまの世の中ってなんだろう?」って考えたときに、感覚的にですけど、いまってすごく生きづらいよねというのがぼくの中であったんです。いまは貧困とか格差とかもあるんでしょうけど、そことは別に目に見えないところで、なんか息苦しいというのがまずあって。「すごく息苦しくて生きづらい世界の中で、若者ってどうなっているんだろう?」みたいなところを考えていた気がします。そういうところから、生きづらい人ががんばって生きている話にすればいいのではないかと思ったという流れですかね。

いまおか:あと、ふたりが付き合い出してから別れるまでを描くというのは、そのころちょうど『花束みたいな恋をした』(2020年/土井裕泰監督)がヒットしていて、あれは付き合ってから別れるまでの5年くらいの話なんで、まあ、あれをパクろうかと(笑)。

佐藤:アハハハハハハハハハ(笑)。

いまおか:あっちよりもっとグッと来るぜみたいな気持ちで。それで、ぼくも最初は気づかなかったんだけど、こういうふうに時間を書いていくと、振り返っているみたいな感じになるんですよね。「あの一夜は大変だったけど、振り返ってみると楽しかったよね」みたいな思い出ってあるじゃない。そういう感じですかね。それをうまく活かして、めちゃくちゃ情けないけど、なんか元気にもつながるというか「生きていくというのはこういう面倒くさいことばっかりで、この先もそうだとは思うけど、でもやっぱりふたりにとっては特別な時間だったのではなかろうか」って思えるようなストーリーにしたかったというのはありますね。

―― いまお話に出たように、劇中で7年という時間が経過する話ですが、街山さんは7年間を演じる上で苦労みたいなものはありましたか?

街山:苦労というか、撮影期間が短かったので、急に7年後になったりしてたんですよ。

佐藤:7歳年を取ったと思ったら、また5歳若返ってみたいなことをやってたよね。

『ヘタな二人の恋の話』スチール

『ヘタな二人の恋の話』より。街山みほさん演じる綾子と鈴木志遠さん演じる祐太

街山:そうなんです。でも、私は女性ですから、身につけるものだったりメイクや髪型が変わるだけで、ちょっと心構えは変わったのかなというのはあります。やっぱり、演じやすかったのは最初の夏とか祐太と出会って次の夏とかですね。最後のほうは、もう想像するしかなかったかなって(笑)。

佐藤:未知の世界だからね。

―― 監督は、時間の経過を感じさせるために工夫されたことというのはありますか?

佐藤:最初の2、3年は、あまり変わらないでいいやでやっていたんですけど、最後の数年後になるところは絶対に違いがわかるようにしたいと思って、そこは衣裳で変えようと思ったんです。「いるよね、こういう人」ってなるようにしようと思って。髪をこう後ろで留めてて、みんなどこかでこういう人を見たことあるみたいな。

街山:それでママチャリに乗っていて(笑)。

佐藤:そう、たぶん隣町の激安スーパーとかに行ってるんだろうなっていう(笑)。

―― 脚本の上で時間の経過を感じさせるためにしたことというのはありますか?

いまおか:もちろんこういう映画だから、ある種のセックスシーンみたいなのは描かなきゃいけなくて、まずふたりが出会った最初はそういうシーンはあるよねと。それで、次にどこで描くかっていうときに、最後かなって。なんか感情的にね、始まりのウキウキした初々しい感じと、最後に別れる直前のセックスは芝居として見たいなと思ったんですよね。そうやって「どこに置くか」というのはなんとなく考えましたね。

「このふたりって特別じゃないと思うんですよ」(いまおかしんじさん)

―― 街山さんは先ほど綾子に感情移入しやすかったとおっしゃっていましたが、逆に街山さんから見て「自分はこういうことはやらないな」みたいなところってありますか?

街山:うーん……最初のほうで、好きだった美容師さんの家に許可もなしに入り込んで寝てしまうっていう、ちょっと図々しい感じというか、あれはさすがにないかなって(笑)。

いまおか:怖いよね(笑)。

佐藤:完璧に犯罪だから(笑)。

いまおか:あれ、ドアの郵便受けのところがパッと開いて目だけが出るのはいいショットだよね(笑)。

街山:あれは佐藤監督が(笑)。

佐藤:やりたかったんですよ、すごく!(笑)

『ヘタな二人の恋の話』スチール

『ヘタな二人の恋の話』より。街山みほさん演じる綾子と鈴木志遠さん演じる祐太

街山:あとは、もっとあとのほうで祐太と喧嘩したあとに取る行動は、普通はしないなって。あのときの綾子はもうどうなってもいいって思っていたのかもしれないですけど。きっと、綾子は祐太に自分の気持ちをなんでもわかってほしかったけど、祐太がいつもちょっと言葉が足りないから、いろいろやってしまってたのかなって思います。

佐藤:たしかに、ディスコミュニケーションっていうか、綾子は一方的に「わかって、わかって」って言ってたもんね。それで祐太はいつも黙るっていう。

―― ちょうど名前が出たところでお尋ねしたいのですが、鈴木志遠さんが演じた祐太については、どんなキャラクターとして考えられたいたのでしょう?

いまおか:俺は、けっこう普通の男の子のつもりで書いたんだよね。就職したけどうまく行かないとかバイト始めたけど続かないみたいなことも普通にあるし、綾子も含めてこのふたりって特別じゃないと思うんですよ。バイト先の上司とか先輩がキツい奴だったとかも、たまたまその人に当たっちゃったからみたいなことで、ちょっとタイミングがずれていたらうまく行ってたかもしれないわけじゃない? だから、ごく普通の運の悪い子っていう気持ちがあって、特に病んでいるとか特別な子としては書いていなかったですね。

佐藤:普通なんだけど、ちょっとマイノリティ寄りみたいなことですよね、たぶん。

いまおか:そうそう。祐太に関しては途中からちょっと変わっていくんだけど。

佐藤:あれは、最初は祐太が綾子を助けてあげているようなところがあるんだけど、壁になるものができることで綾子の成長のきっかけになるんじゃないかって。

『ヘタな二人の恋の話』スチール

『ヘタな二人の恋の話』より。鈴木志遠さん演じる祐太

いまおか:男女の立場が変わっていくんだよね。……話が全然変わるけど、映画を観てて最初のほうで祐太が童貞じゃなくなりたくて焦ってる「焦り感」がすごく面白かったんだよね。俺も若いときそうでさ、早くやりたいんだけど焦れば焦るほどできないんだよね(笑)。18歳くらいから22歳でできるまでの4年間はもう暗黒時代ですよ(笑)。

佐藤:相手も嫌なんですかね、焦っている感じが(笑)。

いまおか:意外とやっちゃうと「こんなもんか」ってなって落ち着くんだけどね(笑)。だから、最初の祐太の前のめりなのがすごく面白かった(笑)。

佐藤:また祐太をやった鈴木くんが身長高いから、余計にオロオロ感が際立つんだよね(笑)。

街山:そうですね。線も細いし(笑)。

佐藤:撮りながら「オロオロしてるな」って思ってましたよ(笑)。

「生まれ変わったような気分になりましたね、演じてみて」(街山みほさん)

―― ポスターにも使われていますが、この作品では自転車が印象的な場面やストーリーの重要なポイントで登場しますね。

佐藤:そもそも、ぼくが祐太の仕事を、名前を言うとあれかな、ここ数年増えている自転車で料理を運ぶのがありますよね(笑)。あれでやりたいという話をしたんですよ。

いまおか:そうね、いまっぽい感じでね。

『ヘタな二人の恋の話』スチール

『ヘタな二人の恋の話』より。街山みほさん演じる綾子と鈴木志遠さん演じる祐太

佐藤:祐太って他人とのコミュニケーションが苦手なので、そういう彼が選ぶ仕事として「あれはありなんじゃないですか、絵的にもいいし」みたいに、けっこう軽いノリで言ったんですよ。そしたら、いまおかさんが思った以上に自転車を出してくださって。都合、全部で3、4台出ています。

いまおか:やっぱりね、自転車の二人乗りは青春映画のある種ね。

街山:お決まりですね(笑)。

いまおか:そう。「ないと成立しないでしょ!」くらいの(笑)。

―― 街山さんは自転車のシーンをやってみていかがでした?

街山:もう、ポスターにもなっているこの二人乗りのシーンが怖くって(笑)。でも、祐太と言えば自転車で、なにかあったときに祐太が自転車に乗って迎えに来てくれたり、そこでふたりが一緒に乗って帰るというのが、ふたりの中での仲直りの合図みたいになっていたんだろうなというふうには思います。

佐藤:なにかの重要なポイントで自転車に乗せたいというのはあったんです。

街山:でも、二人乗りは青春ドラマみたいなウキウキはなかったです。怖かったです(笑)。

佐藤:怖がっているのに無理にやらせたみたいに思われると嫌なんで言っておきますけど、あれ相当ゆっくり走ってますからね(笑)。ブレーキを掛けて「キキキキキ」ってなりながらやってましたから(笑)。

街山:いやー、めっちゃ怖かったなあ(笑)。

いまおか:普段はそんな自転車乗らないんですか?

街山:ひとりでは乗りますけど、後ろに乗って横に座ってというのはしないですね。

いまおか:そうなんだ。若者はみんなしてると思ってた(笑)。

街山:いや、都会はみんな電車で通学してますから(笑)。

―― では最後になりますが、今回の作品を経験して思うことと、公開を前にしたお気持ちを聞かせてください。

『ヘタな二人の恋の話』インタビュー写真

街山:今回、初めての挑戦として演技、主演をやらせてもらって、演じていてとても感情移入しやすかったというのは、ほんとに佐藤監督といまおかさんに感謝しかないですし、綾子がとても感情の振れ幅が激しい役だったので、私自身もそこで役に向き合うにあたって自分の殻を破って感情を押し出すというのが、なんて言うのかな……生まれ変わったような気分になりましたね、演じてみて。綾子を通して、私も成長できたなというのはありました。

いまおか:なんか、いまって若者だけじゃなく、みんなハートが弱ってるっていうか、社会が優しくないじゃない。その中で生きていくってどうすればいいのかなとも思うんです。それで、別になにかを訴えようとして作っているんじゃなくて「こんなセリフが出てきた」とか「こんなシーンが生まれた」とか、書きながら見つけていくみたいなことが多いんだけど、今回はこの題材でこういう話だから、そうやって出てきたセリフに逆に自分が勇気づけられたりしたんですよ。だから、このシナリオはほんとに書いてて楽しくて「このふたりにはがんばってほしいな」って応援したいような気持ちで書いてた部分があるんです。できあがった映画もそういうところをよく掬いとってくれてると思うし、こういう映画が作れてよかった、参加できてよかったなと思っています。この「マヨナカキネマ」というシリーズの次は『甲州街道から愛を込めて』というしょうもない4人組が出てくる映画で俺が監督してるんだけど、それも「こいつらにとって記憶に残る大切な時間になればいいな」って思いながら作ったんで、このシリーズが隙間を縫うようにささやかにね(笑)、続けばいいと思ってます。

佐藤:ぼくはずっとホラー映画を中心に撮っていたんですけど、初めて恋愛映画を撮らせていただいて、ぼくも初めての挑戦だったところがあるんです。いろいろ勉強になることもあり、脚本がいまおかさんだったことにもすごく感謝しています。今回よかったなと思うのは、いまおかさんがいまおっしゃったのと同じように、撮りながらこのふたりをすごく応援したくなってきちゃって、街山さんと鈴木くんを愛おしいと思いながらずっと撮っていたんです。ぼくがそういうふうに見つめたふたりが、スクリーンを通してお客さんにも伝わるといいなと思っているんです。綾子と祐太、ふたりの人生が、なにかお客さんにも引っかかって、通じるものがあればいいなって、そんな気持ちです。あとは、この「マヨナカキネマ」はこれからも続いていくので、お客さんにたくさん来てもらいたいですね。

街山:そうですね、いま「ヘタな人」ってけっこういらっしゃると思いますし、そういう「ヘタな人」に観てほしいです。

インタビュー写真

『ヘタな二人の恋の話』で演じた綾子とは違ったキュートな表情を見せる街山みほさん。劇中で街山さんが見せる表情も、ぜひ劇場のスクリーンでたしかめてください

※画像をクリックすると拡大表示されます。

(2022年6月9日/キングレコードにて収録)

作品ポスター

ヘタな二人の恋の話

  • 監督:佐藤周
  • 脚本:いまおかしんじ
  • 出演:街山みほ 鈴木志遠
    伊藤和哉 大久保雛 小田飛鳥(友情出演) 古藤真彦 川瀬陽太 ほか

2022年7月1日(金)より シネマート新宿にて公開 ほか順次公開

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