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作品スチール

キャプテントキオ

監督:渡辺一志
出演:ウエンツ瑛士 中尾明慶 泉谷しげる ほか

2007年2月17日(土)より渋谷シネマGAGA!、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー

2007年/日本映画/ビスタ/ドルビーSR/95分

イントロダクション

 『キャプテントキオ』は、西暦20XX年の、崩壊し生まれ変わろうとしている新・東京都を舞台に、大人たちに翻弄され、抗い、成長する高校生を描いた作品である。とはいえ、監督は『19』の渡辺一志。寡作ながら、『カインの末裔』『ビジターQ』など、俳優としてもその存在感を映画界で存分に発揮している異才ゆえ、生み出された作品も一筋縄ではくくれない。オール九州・門司ロケで実現させた、近未来の崩壊した東京が舞台という『マッドマックス』や「北斗の拳」に通ずる世界観は、まさに少年マンガ的なこだわりが炸裂。また、泉谷しげるや車だん吉、石立鉄男といった、誰もが知っているけれど意外性のあるキャスティングは「そうくるか」と唸らせる。頭脳警察をフィーチャーしたサウンドトラック、コミックから抜け出たようなグラマラスなスタイリングも、個性がぶつかりあう新・東京という世界をより強固に色づけている。
 主人公の映画好きの高校生・フルタ役に抜擢されたのは、タレント、ミュージシャンとして活躍するウエンツ瑛士。マルチな才能と勘の良さをここでも発揮し、激しさを秘めた内気な若者が映画作りにのめり込み、成長していく様を見事に演じている。もうひとりの主人公である、フルタの親友でロック好きのニッタ役には、ドラマ「ウォーターボーイズ2」で人気が爆発した若手実力派の中尾明慶。フルタに対して優位であろうとするが、なにも行動を起こせず、誰にも認めてもらえない自分に苛立つという難しい役柄を、ストレートなアプローチでさすがの好演を見せている。脇を固めるのはミュージシャンであり『爆裂都市 バースト・シティ』や数多くのドラマにも出演している泉谷しげる、『インディアン・サマー』『気球クラブ、その後』のいしだ壱成、『せかいのおわり〜world's end girl friend』『ナインソウルズ』の渋川清彦、コントでつちかわれた演技力が注目を集めているお笑い芸人のバナナマンと、これまたくせ者揃い。監督の渡辺一志自身も俳優として“映画屋”役を演じている。
 フルタとニッタの間にある、憧れ、尊敬、嫉妬、ライバル心が入り混じった、男子ならではの友情は、女性の目には新鮮に、男性には共感を持って受け入れられるはず。また、ふたりが自分の夢に向かってどう行動を起こすか、そしてどう成長していくかを描くこの作品は、観るものに忘れていたなにかを思い出させ、なにかに向かって一歩を踏み出す勇気とパワーを与えてくれる。男心をくすぐる小ネタ満載の世界観をスタイリッシュに構築した中に詰め込まれているのは、夢、友情、映画や音楽への愛、大人への反発といった普遍的な思い。老若男女に観てほしい痛快青春バディムービーだ。

ストーリー

 西暦20XX年、マグニチュード10の大地震により東京都は壊滅的な打撃を受けた。廃墟となった東京都は日本政府に切り捨てられ無法地帯となったが、同時にエネルギーに満ちた若者たちが集まり、新しいカルチャーが勃興したのだった。そしていつしかそこは自由と反骨の象徴、新・東京都となった――。
 そんな教科書でしか知らない東京に本土からやって来たのは、ふたりの高校生、映画好きのフルタ(ウエンツ瑛士)とロック好きのニッタ(中尾明慶)。新・東京都に着いた途端、大規模なロックフェスティバルが開かれるという情報を目にしたニッタは興奮し、開催場所を警官に尋ねるが、警官はふたりの身ぐるみをはいでしまう。その警官はニセ警官だったのだ! ふたりはニセ警官に売り飛ばされて、トラックに乗せられどこかへ連れて行かれる。そのトラックを、4人の男が見つめていた。革命家気取りの映画監督、通称“映画屋”(渡辺一志)、プロデューサー役のアロハ(いしだ壱成)、録音係のモヒカン(渋川清彦)、カメラマンのタムラ(飯田一期)。映画を撮影している彼らは、トラックが爆発炎上する様子をカメラに収めようと、トラックに向けていきなりバズーカ砲をぶっ放した! そのどさくさに紛れてトラックから逃げだしたフルタとニッタは映画屋たちに助けられ、彼らを手伝うことになる。
 フルタは映画の現場でメキメキとその才能を発揮しはじめ、アロハは彼に監督を目指して脚本を書くようアドバイスする。フルタが書き始めたのは、東京を守るヒーローが活躍する『キャプテントキオ』。ただの映画ファンから作り手へとフルタが一歩を踏み出す一方で、ニッタはロックフェスティバルの情報が集まらないことや、子分格だったはずのフルタに差を付けられたことに焦りを感じ、苛立っていた。そんなニッタに目をつけたのは、東京の支配者、通称“東京都知事”。映画屋たちを疎ましく思っている都知事は、ニッタを通じて映画屋たちの情報を得ようとするのだった。ロックフェスティバルのチケット代を餌にされ、ニッタはスパイ役を引き受けてしまう――。
 果たして、新・東京都でふたりを待ち受ける運命とは――?

キャスト

  • ウエンツ瑛士
  • 中尾明慶

  • 泉谷しげる

  • いしだ壱成
  • 渋川清彦
  • 飯田一期
  • 渡辺一志
  • 藤谷文子
  • 山岡由実
  • 日村勇紀(バナナマン)
  • 設楽統(バナナマン)
  • ダンディ坂野
  • やまもとまさみ
  • 村林諷

  • PANTA

  • 車だん吉

  • 石立鉄男

  • ナレーション:千葉繁

スタッフ

  • 監督・脚本:渡辺一志

  • 製作:周防郁雄/井波洋/村山創太郎/小谷靖
  • プロデューサー:小澤俊晴
  • 撮影:岡雅一
  • 美術:磯見俊裕/黒川利通
  • 照明:上田雅晴
  • 録音:永口靖
  • 編集:加藤雄樹
  • スタイリスト:Die-co★
  • 音楽プロデューサー:相原裕美
  • 音楽:PANTA
  • 主題歌:「ドーナツに死す」髭(HiGE)(Victor/Speedstar)
  • オリジナルサウンドトラック:Victor/Speedstar

  • 製作:プログレッシブ ピクチャーズ/バーニングプロダクション/ビクターエンタテインメント/ビッグショット/Entertainment Farm
  • 配給:プログレッシブ ピクチャーズ/ディーライン

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