監督：本田隆一
出演：中村靖日 弓削智久 萩野崇 李鐘浩 清水ゆみ ジェリー藤尾 ほか
２００７年10月20日(土)より池袋シネマ・ロサにてレイトショー、11月10日(土)よりUPLINKFACTORYにてレイトショー
２００７年／カラー／ステレオ／98分
やくざに追われる男と、親友に裏切られた男。行き場のないふたりの男は、ビルの屋上で出会った――。
「仮面ライダー龍騎」で一躍人気となり、その後も『ワルボロ』『未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜』などで強い印象を残す弓削智久。若手実力派俳優として活躍する彼が、３年間あたためたオリジナル脚本で脚本家としてデビューを果たす。
やくざにだまされて追い詰められた男・森田役で主演をつとめるのは中村靖日。主演作『運命じゃない人』がカンヌ国際映画祭で絶賛を浴び、映画、テレビドラマ、ＣＭなど幅広く活躍する個性派が、ひとりの男との出会いによって、強く生きていこうとする森田の変化を見事に演じきる。そして脚本も手掛けた弓削智久が、もうひとりの主人公・トミー役でダブル主演。その熱演は“友を信じること”を、今、あらためて考えさせてくれる。
さらに、男たちの生き様をときに優しく、ときに厳しく見守る男・仁でベテランのジェリー藤尾が貫禄の演技を見せる。そしてトミーの親友・滝沢役で愛憎混じり合う圧巻のかけひきを見せる萩野崇、ふたりの男の間で揺れ動く有紀子役に清水ゆみなど、充実の俳優陣が見応え十分な人間ドラマを紡ぎ出す。また、大口兼悟、永山たかし、米米CLUBの石井美奈子とジェームス小野田ら、キャスティングにも参加した弓削の呼びかけで実現した個性派キャストも見逃せない。
監督は『プッシーキャット大作戦』『脱皮ワイフ』などナンセンス＆シュール＆エンターテインメントな独自の世界を爆進中の本田隆一。本作は今までの本田ワールドとは一変した、シンプルでダイレクトなストーリーながら、確かな演出力で弓削が書いた世界を映像化し、新たな一面を見せた。
音楽はDef Techとの活動で知られるギタリスト・Nagachoが担当。Def TechのMicroが設立した注目のレーベル・PRIMARY COLOR RECORDZからデビューする新人アーティスト・NAOが歌う主題歌「Paper Moon」がエンディングを飾る。
未来のために、過去を逃げない。『「サクゴエ」』は、ふたりの男の出会いから始まる友情を、真正面から描きだす。
やくざに追われ、心を通わす友もいない。そんな生活に疲れ切った森田（中村靖日）は、手に遺書を握りしめて都会のビルの屋上に立つ。そこには、思い詰めた森田を思いっきり笑い飛ばす謎の男、トミー（弓削智久）がいた。「１日だけ俺につきあってよ。富士山に行こう」とトミーに言われるがまま、富士山に行くことに合意してしまう森田。しかし、トミーと別れて自宅に戻る途中、ふとしたことからトミーの過去を知ってしまう。
トミーにはかつて、親友の滝沢（萩野崇）と最愛の女性・有紀子（清水ゆみ）の３人で過ごした青春があった。しかし、滝沢の裏切りにより逃亡生活を余儀なくされているトミーは、唯一心を割って話せる存在の仁（ジェリー藤尾）に「ついに明日、富士山へ行く」と告げる。
だまされてやくざに追われる森田と、親友に裏切られ行き場を失ったトミー。ともに人には話せない過去を持つふたりは、大切な人のために、そして自分自身のために、逃げていた過去と向き合い始める。
