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追悼のざわめき デジタルリマスター版

監督:松井良彦
出演:佐野和宏 仲井まみ子 隈井士門 村田友紀子 ほか

2007年8月シアター・イメージフォーラムにて公開

2007年/日本/モノクロ/HD/150分

イントロダクション

作品スチール

 1985年に1本の映画が完成した。小人症の主人公たち、兄にレイプされ死にいたる少女、その妹の腐乱死体をむさぼり食う兄。舞台は、猛々しいヤクザが支配する大阪のアンタッチャブルな“真空地帯”…。そのあまりに過激な内容から、海外の映画祭に出品を予定するも税関でストップがかかり中止。公開に先立っての試写では、評論家の間から激しい非難が沸き起こる一方、熱狂的な賞賛の声も聞かれた。
 1988年5月。賛否両論の中で迎えた公開初日、中野武蔵野ホールは超満員となった。開映後20分を過ぎたころから、気分を悪くした観客が次々と席を立つ。しかし、最後まで観終えた観客の中には涙を流して感動する者もいた。「最低!」「最高!」。交錯する反響の中、その映画は中野武蔵野ホール開館以来の観客動員記録を打ち立て、80年代インディペンデント映画の極北として語り継がれる伝説のカルト・ムービーとなった。
 映画のタイトルは『追悼のざわめき』。主演に後に監督としてピンク四天王と称されることになる佐野和宏。プロデューサーはその後『A』『A2』などを製作することになる安岡卓治。そして監督は、現在、新作『どこに行くの?(仮題)』を準備中の孤高の映画作家・松井良彦。本作は、撮影所システム崩壊後の日本映画の廃墟を駆け抜けた不屈のシネアストらの夢の塊であり、商業映画とは全く異なる場所に咲いた異形の花。言葉の真の意味において“孤高”のフィルムなのだ。
 撮影開始から24年、公開から19年、聖地“中野武蔵野ホール”閉館から3年を経た今日、かつて『追悼のざわめき』が描いた寓話が現実のものとなっている。親殺し、子殺し、兄妹殺し…。時代が映画に追いついてきた。『追悼のざわめき』は過去のものではない。今日の現実に潜む、やみがたい狂気へのレクイエム、究極のハードコア・ファンタジーとして甦る。
 バージョンは、傷だらけの16ミリフィルムではなく、ニュープリントからのHDテレシネ。音響はオリジナル音源からのデジタルリマスター。さらに、ミュージシャン・上田現が書き下ろした楽曲が追加される。現実の音はさらに生々しく、グロテスクでイリュージョナルな場面はよりファンタジックに・・・。あの鮮烈な描写が、耐え難いほど鮮明なハイビジョン映像とデジタル音響で襲いかかる。
 これはリバイバルではない。さらに鋭く、美しく、デジタルリマスターとしての暴力的な“再生”である。

ストーリー

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 大阪市南部、若い女性たちの惨殺事件が続発する。被害者たちは下腹部を切り裂かれ、その生殖器が持ち去られていた。犯人は廃墟ビルの屋上で暮らす孤独な青年、誠(佐野和宏)。彼は「菜穂子」と名づけられたマネキンを愛し「愛の結晶」が誕生することを夢想していた。次々に若い女性を惨殺し、奪った生殖器を「菜穂子」に埋め込む。やがて彼女に不思議な生命が宿りはじめ、様々な人間が、誠と「菜穂子」が暮らす「魔境」=廃墟ビルへと引き込まれていく。現実の街並みは、いつしか時間感覚を失い、傷痍軍人や浮浪者など、敗戦直後を思わせるグロテスクなキャラクターが彷徨しはじめる。
 純粋にふたりだけの世界で生きていた幼く美しい一組の兄と妹(隈井士門/村田友紀子)。遊びといえばケンパしかしらない。かれらもまた「菜穂子」がいる廃墟へと導かれてゆく。幼い妹は「菜穂子」に「母」の面影を見る。兄は、その姿に激しく「性」を感じる。そのとき、廃墟ビルに引き込まれた人々に残酷な運命が訪れる……。

キャスト

  • 佐野和宏
  • 仲井まみ子
  • 隈井士門
  • 村田友紀子
  • 大須賀勇
  • 日野利彦
  • 白藤茜
  • 皆渡静雄
  • 高瀬泰司

  • 松本雄吉(声)

スタッフ

  • 製作:安岡卓治
  • 製作補:山本希平
  • 演出補:佐々木宏
  • 録音:浦田和治
  • 編集:高島健一
  • 音楽:菅沼重雄/上田現
  • 音響効果:本間明
  • 特殊メイク:松井祐一
  • スチール:浅田具茂
  • 協力:白藤茜/日本維新派/白虎社

  • 監督・脚本:松井良彦

  • 提供:松井良彦/エースデュースエンタテインメント
  • 配給:安岡フィルムズ
  • 配給協力:バイオタイド

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