カンフーを題材にした作品が次々と公開され、カンフー映画再ブームの兆しを見せている２００８年、とりわけ異彩を放つカンフー映画が登場する。『少林老女』の主人公は、珍獣でも、人気女優でもない。無表情なおばちゃんだ！
主演をつとめるのは、バラエティ番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」で“キスおばちゃん”としてお馴染みの浅見千代子。一目見たら忘れられないキャラクターでドラマ、ＣＭなどでも活躍するおばちゃんが、カンフーの達人・少林老女としてスクリーンに華麗に見参！
さらに、リアクション王の異名を持つ笑いの帝王・上島竜兵も出演、おばちゃんと豪華共演を果たす。そして『どこに行くの？』『Girl's BOX ラバーズハイ』など出演作の続く長澤奈央、お笑いコンビ・西麻布ヒルズの千太郎など、バラエティに富んだキャストが集結している。
監督は、『痴漢男』『口裂け女２』など、幅広いジャンルを手がける寺内康太郎が、アクション映画に初挑戦。『お姉チャンバラ THE MOVIE』の小原剛をアクション監督に迎え、これまでにないアクション映画を誕生させた。
どこかで聞いたことのあるタイトルのこの作品、主題歌は黒人である千太郎が演歌を歌い上げるという、これまたどこかで聞いたことがあるような企画を臆面もなくやってのけているのにも注目だ。
パクリ、Ｂ級大いに結構、常識や良識を越えた、笑撃的アクション映画の登場だ。
都内でひっそりと暮らす小林美代子（浅見美代子）。実は彼女には“少林老女”としての壮絶な人生があった！
戦争で孤児となった美代子は、少林拳を教える陳老師に引き取られ、人里離れた山奥にある“少林寺”で修行生活をはじめた。お洒落も恋もせず、ひたすら修行に励み、やがて少林寺を引き継いだ美代子。寺には何人もの道場破りが挑んできたが、美代子は次々と強敵を倒して寺を守り、弟子たちに少林拳を伝えてきた。
ある日、寺に“一本足”（長澤奈央）と名乗る武術の使い手がやって来る。美代子の少林拳は一本足には通用せず、一本足の強力な技についに美代子は敗北する。少林寺は奪われ、弟子たちは公麿（漆崎敬介）とマサル（矢崎まなぶ）を残して一本足のもとに下った。行き場をなくした美代子は、公麿とマサルとともにあてのない旅へ出る。
ところが、都会へとたどり着いた３人はひょんなことからショーパブで働くことになり、美代子はなぜか人気芸人に。そして美代子が初めて知った“恋”。「人並みの生活」にすっかり慣れ、幸せを掴もうとした美代子だったが、彼女には果たさねばならない闘いがあった。
プライドと誇りを取り戻すため、決意を固める美代子。一度は闘争心を失ってしまった美代子は、果たして一本足を打ち破ることはできるのか？
