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作品スチール

谷中暮色

監督:舩橋淳
出演:野村勇貴 佐藤麻優 加藤勝丕 小川三代子 ほか

2009年10月31日(土)よりシネマート新宿にてモーニングショー

2009年/パートカラー/HD/1:1.77/ステレオ/107分

イントロダクション

 かつて東京の下町・谷中に存在した五重塔。自分の知らない塔の焼失を記録した8mmフィルムを探し求める若者たち。塔の記憶に思いを馳せる谷中の人々。そして、江戸期に五重塔建設に執念を燃やした若き大工。
 『谷中暮色』(やなかぼしょく)は、現代の若者のラブストーリーと幸田露伴の「五重塔」を原作とした江戸中期の五重塔建立の物語という異なる時代のふたつのフィクションに、谷中で暮らす人々のドキュメントを融合させた異色の作品である。
 監督は、デビュー作『echoes』やオダギリジョー主演の『Big River』が海外の映画祭で高い評価を受けた舩橋淳。現在、谷中で暮らす舩橋監督は、講師をつとめる専門学校・ENBUゼミナールの映像俳優コースの卒業制作作品として、シナリオなしで生徒たちを谷中の街に送り出すという大胆な企画を思いついた。そのアイディアは、取材中に五重塔を写した8mmフィルムが発見されるという予想外の事態にも恵まれ、谷中五重塔焼失を軸とした長編映画へと発展していった。
 主演は、撮影時にはENBUゼミナールの生徒だった野村勇貴と、映画・ドラマと多くの作品に出演する若手女優の佐藤麻優のふたり。そして伝統工芸の職人や郷土史家、お寺の墓守など、谷中の人々が出演し、フィクションと現実を一体にしていく。
 撮影に黒沢清監督『ドッペルゲンガー』の水口智之、照明に『青い車』の関輝久など、実績豊かなプロスタッフが参加。主題歌は実力派シンガー・畠山美由紀が担当している。
 「世代の差」の意味を描き、2009年2月のベルリン国際映画祭でも高い評価を得た作品が、ついに日本で一般公開される。

ストーリー

 寺社や墓地が広がる東京の下町・谷中。かおり(佐藤麻優)は、この街で各家庭に眠るホームムービーを探し、保存・修復をおこなう谷中フィルム協会で働いている。上映会のために家々を回って8mmフィルムを探していたかおりは、その過程でかつて谷中に“谷中五重塔”があったことを知る。昭和32年に焼失したという谷中五重塔に興味を持ったかおりは、谷中に古くから住む人々に谷中五重塔の話を聞いてまわり、五重塔の姿を収めた映像を探しはじめる。
 時代は江戸中期へと遡る。のっそり十兵衛とあだ名される大工の十兵衛(野村勇貴)は、感応寺境内の五重塔の建立を引き受けた。十兵衛の力ではそんな大仕事は無理だという親方・源太や妻・お浪(佐藤麻優)の反対をよそに、十兵衛は一心不乱に独力での五重塔建立に取り組んでいく。
 ふたたび現代。五重塔の映像探しを続けるかおりだったが、その手がかりはいまだに掴めなかった。NPOの上映会でチラシを配り、情報を求めるかおり。その上映会参加者の中に、地元のチンピラ・久喜(野村勇貴)の姿があった。
 久喜はかおりに五重塔の映像探しに力を貸すと申し出る。当初は久喜を相手にしなかったかおりだが、久喜は半ば強引にかおりを手伝いはじめる。そして協力してフィルムを探しに奔走する中で、次第にふたりは惹かれあっていく……。
 ふたりは車椅子の郷土史家・加藤さん(加藤勝丕)を訪ねるが、加藤さんのもとにも五重塔のフィルムはないという。果たして五重塔の映像は実在するのか?

キャスト

  • 久喜・十兵衛:野村勇貴
  • かおり・お浪:佐藤麻優
  • 加藤さん:加藤勝丕
  • 墓守の小川さん:小川三代子
  • 久喜の相棒・十兵衛の子分平八:藤田建吾

スタッフ

  • 脚本・監督・編集:舩橋淳

  • 時代劇パート原作:幸田露伴「五重塔」
  • 脚本:根岸彩子/舩橋淳

  • プロデューサー:市橋浩治/舩橋淳

  • 撮影:水口智之
  • 照明:関輝久
  • 録音:大関竜矢
  • 美術:平山貴子
  • 制作進行:太田真博

  • 音楽:Janek Duszynski
  • 挿入歌:加藤勝丕「五重塔 再建祈願花」
  • 主題歌:畠山美由紀「This is Goodbye」

  • 製作:ENBUゼミナール/デジタルハリウッド株式会社/BIG RIVER FILMS

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