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作品スチール

浪漫者たち

監督:田中千世子
出演:伊勢谷能宣 佐野史郎 石川真希 梅若靖記 ほか

2009年5月30日(土)よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー

2009年/35mm/ビスタサイズ/ドルビー/75分

イントロダクション

作品スチール

 映画評論家であり、これまでに『藤田六郎兵衛 笛の世界』『能楽師』『みやび 三島由紀夫』といったドキュメンタリー映画を製作・監督してきた田中千世子が初の劇映画『浪漫者たち』を完成させた。
 日本的なものに憧れを抱く若い俳優の伊勢谷能宣は、能の師匠に弟子入りし、茶道を学ぶ。そして訪れた奈良県の大神神社で出会った研究家から、かつて日本に“日本浪曼派”と呼ばれた文学者たちがいたことを知る――。
 『浪漫者たち』で田中千世子がテーマに据えたのは“青春の教養”だ。このテーマを描くにあたり、ユニークな手法がとられた。主人公の俳優・伊勢谷能宣を演じるのは、劇団燐光群に所属し、同劇団の「ワールド・トレード・センター」「だるまさんがころんだ」「屋根裏」などに出演してきた演劇界のホープで本作が映画初主演となる伊勢谷能宣。そして劇中で伊勢谷が弟子入りする能の師匠は実際の能楽師・梅若靖記。同様に実際の茶道教授・中村洋子やその娘の新進ピアニスト・中村純子らがそのままの名前で映画に登場する。ストーリーはフィクションながら、伊勢谷が教養に触れていく過程が実在の人物によるセミ・ドキュメンタリーのように描かれているのだ。
 その中で「日本浪曼派」の研究者を演じる石川真希、伊勢谷が三輪で出会うギターを持った紳士役の佐野史郎が、不思議な存在感で作品にアクセントを加えている。
 プロデューサーをつとめたのは、ロサンゼルス在住のすずきじゅんいちと、京都・川崎を拠点にする林海象というふたりの映画監督。ベテラン撮影監督・川上皓市のカメラが大和の風景を鮮やかに映し出している。

ストーリー

作品スチール

 俳優の伊勢谷能宣(伊勢谷能宣)は、間もなく公演を迎える「前夜」の通し稽古に励んでいた。舞台となるのはパリのアパルトマン。伊勢谷が演じるのは、青年彫刻家だ。
 それから1年前。伊勢谷は能楽師の梅若靖記(梅若靖記)のもとを訪ねていた。日本的なものに憧れを感じはじめ、能を学ぼうとしたのだった。梅若先生は、伊勢谷が訪れたときに舞っていた「三輪」にまつわる伝承を話して聞かせる。
 伊勢谷が能を習いはじめてしばらく経ったころ、伊勢谷は奈良県の桜井駅に降り立った。ここには大神神社のご神体山である三輪山がある。「三輪」のもととなった伝説の舞台となった山だ。大神神社にやってきた伊勢谷は、駅前で見かけたマウンテンバイクの女性・石川(石川真希)を見つけ、言葉を交わす。「日本浪曼派」の保田與重郎を研究しているという石川は、日本浪漫派や保田の話を伊勢谷に聞かせ、別れ際に記念にと「日本浪曼派」の雑誌を伊勢谷に手渡す。
 石川と別れた伊勢谷は、檜原神社へと行き、境内で袴姿へと着替え、能を舞いはじめる。習いたての能を奉納するのが伊勢谷の旅の目的だったのだ。そこに、ギターを抱えた奇妙な紳士(佐野史郎)が現われた。ギターの紳士は、まるで伊勢谷の心を見透かすようにたわむれかける。
 奈良から戻った伊勢谷の日本的なものへの興味はさらに強くなっていた。そして、茶道を習いに通う先生(中村洋子)の娘のピアニスト(中村純子)たち同世代の若者たちと読書会を開くことになるが――。

キャスト

  • 伊勢谷能宣
  • 佐野史郎

  • 石川真希
  • 梅若靖記
  • 中村洋子
  • 中村純子
  • 吉田洋史
  • 茗井保輝
  • 島野千尋
  • 金允洙
  • 甲斐田達郎
  • 八木朝輝
  • 早崎主機
  • 野口武志

スタッフ

  • 製作・監督:田中千世子

  • プロデューサー:すずきじゅんいち/林海象
  • エグゼクティブプロデューサー:鈴木隆一
  • 脚本:牧野圭祐/金允洙/田中千世子

  • 撮影監督:川上皓市
  • 撮影:灰原隆裕
  • 照明:川井稔
  • 録音:岩丸恒/今村寿志/永口靖/新開賢
  • 美術:星埜恵子
  • 編集:冨田伸子
  • 助監督:福本明日香

  • 音楽:吉澤幸男

  • 制作:フィルム ヴォイス
  • 配給:『浪漫者たち』製作委員会
  • 配給協力:ダゲレオ出版

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