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作品スチール

ワカラナイ

監督:小林政広
出演:小林優斗 柄本時生 渡辺真紀子 小林政広 横山めぐみ ベンガル ほか

2009年11月14日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷にて、11月28日(土)より新宿バルト9にてロードショー

2009年/カラー/35mm/ユーロスタンダード/ドルビーSR/104分

イントロダクション

 カンヌ国際映画祭出品作『バッシング』で東京フィルメックスグランプリを受賞、主演もつとめた『愛の予感』はロカルノ国際映画祭でグランプリにあたる金豹賞を含め4賞を獲得するなど、これまで多くの作品が国内外で高い評価を獲得してきた映画監督・小林政広。世界が注目する中で小林監督が送り出す新作が『ワカラナイ』だ。
 『ワカラナイ』は、フランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』のように「個人的なところから生まれた話」だと小林監督は語る。主人公は母子家庭で育った少年。母が病気で入院し、自分の食事すら満足にとれない貧困の中で生きていく少年の視点から、現代の日本を浮かび上がらせていく。
 主人公の少年・亮には、本作が初主演となる17歳の小林優斗が抜擢された。小林監督は、過酷な状況の中で生きる亮を演じる小林優斗に、撮影期間中は食事シーンの撮影以外ではものを食べさせず、携帯も使わせないという厳しい環境を与えた。それにめげることなく撮影を乗り切った小林優斗は、観る者に強い印象を与える尖った存在感を放っている。
 そして共演には、若手ながら多くの作品に出演する柄本時生、『愛の予感』に続いての小林監督作品出演となる渡辺真起子のほか、小澤征悦、横山めぐみ、ベンガルら実力派が参加。また、小林監督自身も俳優として出演している。
 『ワカラナイ』に漂うのは、息苦しさすら感じさせるような張り詰めた空気だ。10代の少年が経験するにはあまりに辛い出来事に見舞われる亮の姿を、カメラはドキュメンタリー映画のような距離感をもって映し出していく。そしてその果てに訪れるラストシーンに、観客は心揺さぶられるに違いない。

ストーリー

作品スチール

 コンビニでアルバイトをする16歳の亮(小林優斗)。彼はレジの仕事の合間に、周りの目を盗みながら棚の商品をこっそりと持ち帰っていた。バイトが終わると、電気もガスも水道も止められた粗末なアパートへと帰り、たったひとりで盗んだおにぎりやサンドイッチと、外で汲んできた水だけの食事を済ます。バイト仲間の木澤(柄本時生)は亮の窮状を知っていたが、彼には亮が商品を盗んでいるのを見過ごすことしかできない。
 ある日、店長に呼び出された亮はクビを宣告される。商品を持ち帰っていたのが知られたのだ。コンビニのバイト代だけが生活の支えだった亮は必死に詫びるが、店長は冷酷に突き放す。亮はやりきれないいら立ちを木澤にぶつけるのだった。
 途方にくれる亮は、海岸へといき、小さなボートに色を塗る。それだけが亮にとって心休まる時間だった。
 亮は、たったひとりの家族である母親(渡辺真起子)を入院先の病院へと見舞う。長い闘病生活で荒れている母は、別れた父への恨みつらみを口にするだけだった。
 頼る者もなく、食事すら満足にできない日々に涙を流す亮は、空腹に耐え切れず万引きに手を出してしまう。  やがて、亮に母が昏睡状態に陥ったという知らせが届く。病院に駆けつけた亮を待っていたのは、母の死。そして、入院費用や、葬儀費用の支払いという現実だった。残ったアルバイト代では葬儀を挙げることもできない。亮が選んだのは、母を自らの手で葬ることだった。
 ボートに母を乗せて海へと送り出した亮は、東京に住む父のもとへと向かう――。

キャスト

  • 小林優斗
  • 柄本時生
  • 田中隆三
  • 渡辺真起子
  • 江口千夏
  • 宮田早苗
  • 角替和枝
  • 清田正浩
  • 小澤征悦
  • 小林政広
  • 横山めぐみ
  • ベンガル
  • 鈴木亮介

スタッフ

  • 脚本・監督:小林政広

  • 製作:小林直子
  • プロデューサー:小林政広
  • ラインプロデューサー:川瀬準也

  • 撮影監督:伊藤潔
  • 照明:藤井勇
  • 録音:福岡博美
  • 編集:金子尚樹
  • サウンドデザイン:横山達夫
  • 助監督:下田達史

  • テーマ曲:いとうたかお「Boy」(詩・曲:いとうたかお)

  • 製作:モンキータウンプロダクション
  • 配給:ティ・ジョイ
  • 宣伝:アップリンク

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