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作品スチール

ヘヴンズ ストーリー

監督:瀬々敬久
出演:寉岡萌希 長谷川朝晴 忍成修吾 村上淳 山崎ハコ ほか

2010年10月2日(土)よりユーロスペース、10月中旬より銀座シネパトスほか、全国順次ロードショー

2010年/カラー/アメリカンビスタ/DTSステレオ/278分|PG12

イントロダクション

作品スチール

 上映時間、4時間38分、全9章。主な登場人物だけで20人以上。それが、鬼才・瀬々敬久監督が2010年に送り出す新作『ヘヴンズ ストーリー』だ。
 少女は、家族を殺されひとり生き残った。男は、妻子を殺した少年への復讐を宣言した……。不条理に日常に襲い掛かる“殺人”。いくつもの殺人事件によって、人々の人生が交錯していく。
 物語の中心となる少女・サトを演じるのは『地球でたったふたり』で好演を見せた期待の若手女優・寉岡萌希。撮影時16歳から17歳とは思えぬほど力のある演技で、サトの複雑な内面を表現している。そして、妻子を殺されたトモキには『気球クラブ、その後』などの実力派・長谷川朝晴、トモキの妻子を殺した少年・ミツオには若手俳優の中でも独自の存在感を見せる『人のセックスを笑うな』などの忍成修吾が、観る者を圧倒する演技を見せる。そのほか、村上淳、菜葉菜、江口のりこら、日本映画界の中で個性を輝かす俳優陣が出演するほか、一世を風靡した歌手・山崎ハコが映画初出演を果たしている。
 撮影は、2008年9月から2010年1月まで1年以上にわたっておこなわれた。こだわりぬかれたロケ地の風景が四季折々に見せる表情は、まさにスクリーンで見るべき映像だ。
 物語を構成する全9章は、それぞれ絡みあいひとつの大きな物語を構成していく。だが、それと同時に9章の物語は、それぞれが独立した物語でもあるのだ。そこには通常の映画では見過ごされるような、小さな物語がある。
 実在の事件に着想を得た『ヘヴンズ ストーリー』は、現代に描かれる“再生”の物語である。

ストーリー

作品スチール

「夏空とオシッコ」

 8歳の少女・サトは、ある事情のため祖父のソウイチ(柄本明)に引き取られることになった。祖父の家に向かう途中、車を抜け出したサトは電機屋の店頭のテレビが伝えるニュースを眺めていた。それは、サトの両親と姉を殺した犯人が自殺したというニュース。そして続けて流れたのは、妻子を殺されたトモキ(長谷川朝晴)が、犯人の少年に復讐を誓う姿だった……。

「桜と雪だるま」

 ネットで復讐代行業について調べるトモキ。桜が満開の公園では、カイジマ(村上淳)たちが花見をおこなっていた。カイジマは息子のハルキを残し、仕事のために雪国への短い旅に出た。深い雪に囲まれた廃墟に向かうカイジマ。カイジマの目的は、波田(佐藤浩市)の妻からの依頼で、波田を殺すことだった……。

「雨粒とRock」

 鍵屋で働いているトモキは、タエ(菜葉菜)という若い女性の依頼で部屋の鍵を開けに来た。仕事を済ませたトモキのもとに会社から連絡が入る。タエがトモキに暴行されたと言っているというのだ。タエはトモキをライブハウスへと呼び出す。そこに出演するのは、タエがギターを弾くバンドだった。ライブ後、タエは強引にトモキを打ち上げにまで連れていく……。

「船とチャリとセミのぬけ殻」

 船着場に到着した渡し舟から降りる乗客の中に、16歳になったサト(寉岡萌希)の姿があった。サトは、船着場近くにいたハルキから自転車を借りると、この街に住んでいるはずのトモキを探す。タエと結婚し子供に恵まれ、幸せそうに暮らしているトモキ。サトはトモキに会うと、かつてトモキの妻子を殺した犯人が出所したことを告げる……。

「おち葉と人形」

 人形作家の恭子(山崎ハコ)は、母子殺人事件の犯人である少年が弁護士(嶋田久作)を通じて発表したコメントが気になり、弁護士を訪ね、少年へと手紙を託す。やがて少年との手紙での交流が始まり、恭子はその少年・ミツオ(忍成修吾)を養子に迎えることとなった。そして仮出所した少年は、若年性アルツハイマーが進行した恭子の介護をおこなう……。

「クリスマス☆プレゼント」

 クリスマスイブの日。警察官のカイジマは、かつて自分が正当防衛で殺してしまった男の妻・チホ(根岸季衣)に金を届ける。そんなカイジマをチホの義理の娘・カナ(江口のりこ)はからかう。一方、建築現場で働くミツオの姿を見かけたトモキは自分の感情を抑えられなくなる。サトと会ったトモキは、サトに決意を伝える……。

「空にいちばん近い町1 復讐」

 いまはすっかり寂れてしまった恭子の故郷へと恭子を連れてやってきたミツオ。もう話をすることもできなくなった恭子に、ミツオはここでふたりだけで暮らそうと語りかける。そんなふたりの姿を、トモキとサトが見つめていた。ミツオが目を放した隙に、トモキとサトは恭子を連れ去り、トモキはミツオを追う……。

「空にいちばん近い町2 復讐の復讐は何?」

 カイジマの家を、妊娠中のカナが訪ねてきた。カイジマがずっとチホに払ってきた金の支払いが滞っていたのだ。出迎えたカイジマの息子・ハルキは、カナにカイジマが死んだことを告げる。ヤバイ副業に手を染めていたカイジマは何者かに殺されたのだった。同じ町では、妻と娘の出ていった部屋でトモキがミツオの復讐に怯えていた……。

「ヘヴンズ ストーリー」

 父と母、姉の遺品を整理していたサトは、母から自分に宛てた手紙を見つけた。そこには、見知らぬ住所が書かれていた……。

キャスト

  • サト:寉岡萌希
  • トモキ:長谷川朝晴
  • ミツオ:忍成修吾
  • カイジマ:村上淳
  • 恭子:山崎ハコ
  • タエ:菜葉菜
  • ハルキ:栗原堅一
  • カナ:江口のりこ
  • 直子:大島葉子
  • 波田:佐藤浩市
  • ソウイチ:柄本明
  • サトの父:吹越満
  • サトの母:片岡礼子
  • 弁護士:嶋田久作
  • 鈴木:菅田俊
  • シオヤ:光石研
  • 黒田:津田寛治
  • チホ:根岸季衣
  • 美奈:渡辺真起子
  • 女医:長澤奈央
  • 幼いサト:本田叶奈

  • 人形舞台yumehina
  • 百鬼どんどろ

スタッフ

  • 監督:瀬々敬久

  • 脚本:佐藤有記

  • 製作:小林洋一/吉村和文/林瑞峰/岡田博/須田諭一
  • 企画:浅野博貴
  • プロデューサー:朝倉大介/坂口一直
  • ラインプロデューサー:坂本礼

  • 撮影:鍋島淳裕/斉藤幸一/花村也寸志
  • 照明:福田裕佐
  • 美術:野々垣聡/田中浩二/金林剛
  • 録音:黄永昌/高田伸也
  • 編集:今井俊裕
  • 助監督:海野敦/菊池俊雄
  • 制作担当:藤川佳三

  • 音楽:安川午朗
  • エンディング曲:Tenko「生まれる前の物語」(作詞:瀬々敬久/作曲:安川午朗)

  • 製作:エースデュース/T-artist/MOVIE ON/ヒューマックスコミュニケーションズ/国映/ワイズ出版/コム・ゼット/スタンス・カンパニー
  • 配給:ムヴィオラ

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