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朱花の月

監督:河瀬直美
出演:こみずとうた 大島葉子 明川哲也 ほか

2011年9月3日(土)よりユーロスペース、TOHOシネマズ橿原、ワーナーマイカル高の原ほか全国順次公開

2011年/ドルビー5.1ch/1:1.85/91分

イントロダクション

作品スチール

 初の劇場用映画『萌の朱雀』でカンヌ映画祭カメラドール(新人監督賞)を受賞し、一躍世界に名を知られる存在となった河瀬直美。2007年には『殯の森』で同映画祭グランプリを受賞し、世界の注目を集め続ける河瀬監督の最新作は、自身の出身地であり現在も暮らす場所である奈良を舞台とした『朱花の月』(はねづのつき)だ。
 「朱花」とは、万葉集で使われている言葉である。直木賞作家・坂東眞砂子が原案をつとめた『朱花の月』は、染色家の女性と、その恋人、木工作家の男性という3人の男女が織りなす、万葉の時代から変わらない男女の心の揺らめきを描いていく。
 物語の中心となる木工作家の拓未役には、これまで河瀬監督の短編作品などに出演し本作が長編映画デビューとなる、こみずとうたが起用された。そして染色家の加夜子役には、モデル・服飾デザイナーとして活躍しつつ、女優として河瀬監督作品『影 shadow』や瀬々敬久監督『ヘヴンズ ストーリー』などに出演する大島葉子。加夜子の恋人・哲也には、ドリアン助川の名前での活動でも知られる秋川哲也。そのほか、樹木希林、西川のりお、山口美也子、麿赤兒と、唯一無二の個性を放つ俳優陣が脇を固めている。
 音楽を担当したのは、唯一無二のサウンドを生み出すアーティスト・ハシケン。奈良の文化・伝統などを記録したネット配信映像「美しき日本」に続いての河瀬監督とのコラボレーションで、映像の魅力を一層引き立ててている。
 撮影も河瀬監督自身が担当し、奈良に刻まれた古からの歴史を存分に引き出した。「朱色の花」が象徴する、移ろいやすいもの。万葉の時代から現代まで歴史が交錯する、狂おしい映画の誕生だ。

ストーリー

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 古からの歴史が刻まれた土地・奈良。いまも遺跡の発掘作業がおこなわれている場所からほど近い小さな集落で、木工作家の拓未(こみずとうた)は暮らしている。古民家に住み、畑仕事をし、近所の人々の集まりに顔を出す。かつて集落が賑やかだったころの思い出を語る老人たちに「好きな人はいるか?」と尋ねられて、あいまいな笑顔を返す拓未。
 染物作家の加夜子(大島葉子)も、やはりこの土地で暮らしている。結婚はしていないが、恋人の哲也(明川哲也)との同棲を続けている。
 拓未と加夜子は、時折、哲也の知らないところで会っていた。その日も、偶然に出会った拓未と加夜子は拓未の工房へと行き、ふたりの時間を過ごしていた。そして加夜子は「赤ちゃんができた」と拓未に告げる。
 拓未は、久しぶりに実家に父(西川のりお)と母(樹木希林)を訪ねた。母は拓未に古いアルバムを見せながら、若くして亡くなった自分の父親=拓未の祖父(小水たいが)の話を聞かせる。「拓未な、おじいちゃんに似てきたな」と語りあう両親。拓未の目に、戦時中、互いに想いつつも結ばれることのなかった祖父とひとりの女性の姿が浮かぶ。
 加夜子も、母(山口美也子)のもとを訪れていた。加夜子を見て「おばあちゃんそっくりになってきたなあ」と感慨にふける母。祖母の妙子(大島葉子)は、好きな人がいながらも、親の決めたことには逆らえず、別な男のもとへと嫁いだという……。
 しばらく家を空けていた哲也が帰ってきた。哲也はさっそく加夜子を連れて買い物へと出かけ、地元の作物を使った手料理を加夜子にふるまう。そんな哲也に、加夜子はある言葉を告げた……。

キャスト

  • 拓未:こみずとうた
  • 加夜子:大島葉子
  • 哲也:明川哲也

  • 考古学者:麿赤兒
  • 久雄(拓未の祖父):小水たいが
  • 拓未の母:樹木希林
  • 拓未の父:西川のりお
  • 加夜子の母:山口美也子
  • よっちゃん(考古学者の少年時代):田中茜乃介

スタッフ

  • 監督:河瀬直美

  • 原案:坂東眞砂子「逢はなくもあやし」(集英社文庫刊)
  • 脚本:河瀬直美

  • 撮影・編集:河瀬直美
  • 録音:伊藤裕規
  • 美術:井上憲次

  • 音楽:ハシケン

  • 製作:橿原・高市広域行政事務組合+組画
  • 配給:組画
  • 配給協力・宣伝:東風

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