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作品スチール

蒼白者 A Pale Woman

監督:常本琢招
出演:キム・コッビ 忍成修吾 ほか

2013年6月8日(土)より渋谷ユーロスペースにて公開

2012年/カラー/HD/90分

イントロダクション

 彼女が愛した男は、夢をあきらめたピアニスト。彼女にとっての光である男を闇から救い出すため、彼女は走り出す。たとえそれが、硝煙の匂いが漂う危険な道であっても……。
 日本でもヒットを記録した韓国映画『息もできない』で国際的に高い評価を得た女優キム・コッビが、日本映画初出演にして初主演をつとめる。『蒼白者 A Pale Woman』は、大阪を舞台にした、激しく純粋な愛の物語だ。
 監督は1963年生まれの常本琢招(つねもと・たくあき)。1985年にぴあフィルムフェスティバルに入選し、その後はオリジナルビデオやテレビの世界で活躍しつつ、インディペンデントでの映画制作を続けてきた。今回、シネアスト・オーガニゼーション大阪(CO2)の助成を受け、自ら企画した『蒼白者』で“50歳の新人”として一般劇場用作品デビューを果たす。
 主人公のキムを演じるキム・コッビは、常本監督のラブコールにこたえて低予算作品にもかかわらず出演を承諾。キムが想い続ける男・シュウは日本映画界を代表する若手俳優のひとりである忍成修吾が演じ、日韓の若手実力派の共演が実現した。そして、近年は舞台を中心に活動していた中川安奈が常本監督たっての希望によりキムの母親役で久々にスクリーンに復帰し、個性派監督の作品への出演も多い長宗我部陽子や宮田亜紀、さらに“ピンク界の黒澤明”と呼ばれる映画監督の渡辺護と、共演にも独特の存在感を発揮する俳優陣が揃った。
 撮影は全編を大阪でロケ。大阪の持つ陰の表情が、この物語が語られるのにこの上なくふさわしい舞台となっている。日本映画の新たな地平を開く作品が、ここに誕生した。

ストーリー

 韓国。ずっと面倒を見てくれていた祖母を亡くしたキム(キム・コッビ)は日本へと旅立つ。彼女の“神”に会いに行くために……。
 日本・大阪。キムは、少女時代を過ごした平山家を訪れ、実母のフミ(中川安奈)と再会する。平山家の後妻であるフミは、夫が倒れたあとその仕事を引き継ぎ、業界の大物・塚越会長(渡辺護)も一目置くほどの手腕を発揮していた。
 そしてキムは、もうひとつの再会を遂げる。その相手は、かつて平山家でともに時間を過ごしたシュウ(忍成修吾)。少年時代からコンクールで入賞するなど優れたピアノの才能を見せていたシュウは、将来を嘱望されて平山家に引き取られていた。少女だったキムに美しいピアノの調べを聴かせてくれたシュウだったが、現在は酒場で酔客相手にピアノを弾くだけ。いまも平山家の世話になり、フミの欲望の相手をする荒んだ生活を送っていた。そんなシュウに、キムは「救い出してあげる、あなたのことを」と笑いかける。
 野心を隠さず、周囲と軋轢を生じることも厭わないフミ。現状から抜け出そうとして裏の社会へ染まっていくシュウ。ふたりを見つめるキム。キムが平山家を追われ、シュウがピアニストの道を断念する理由となった8年前のある出来事。その出来事に捕われたままの人々の歯車は、軋んだような不協和音を響かせる。
 やがて交錯していくそれぞれの想いは、危険な道へのゲートを開いていく。走り出したキムとシュウがたどり着く先は、どこなのか……。

キャスト

  • キム・コッビ
  • 忍成修吾

  • 木村啓介
  • 長宗我部陽子
  • 宮田亜紀

  • 渡辺護(特別出演)
  • 中川安奈

スタッフ

  • 原案・監督:常本琢招

  • 脚本:木田紀生

  • エグゼクティブプロデューサー:佐々木孝/岩井正幸
  • ラインプロデューサー:菊池正和

  • 撮影:福本淳
  • 照明:木村匡博
  • 録音:光地拓郎
  • 美術:宇山隆之
  • 編集:タク・ツネモト
  • メイク:奥村裕子
  • 助監督:黒川幸則

  • 音楽:竹内一弘

  • 製作:株式会社ゼンケン/常本家
  • 配給宣伝:カプリコン・フィルム

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