ぶどう畑の広がる大阪・南河内。高校生の大介とその友人たちは、ひょんなことから女子校の生徒と合同チームを作ってグルメコンテストに出場することに！ 大介は女子校の美希と次第に惹かれ合うのだが――。大阪府の郊外・南河内地区を舞台に、高校生たちのぶどうのように甘酸っぱい恋と友情を描いたさわやかな青春映画、それが『あしたになれば』だ。
主人公の大介を演じるのは小関裕太。子役時代に「天才てれびくんMAX」で注目を集め、ミュージカル「テニスの王子様」やドラマ「ごめんね青春！」などで着実にキャリアを重ねる１９９５年生まれの新鋭が、郊外育ちの高校生の素朴さをナチュラルに表現してみせた。
そして、ヒロインの美希には、進研ゼミやＮＴＴドコモのＣＭが話題となり「ごめんね青春！」や映画『ストロボ・エッジ』など話題作への出演が続く黒島結菜。そのフレッシュな魅力には、大介たちだけでなく観客も惹かれることだろう。
さらに、大介の親友・元を『渇き。』などの葉山奨之が演じるのをはじめ、期待の若手俳優陣が共演。また、幅広く活躍する赤井英和が大介の父親を演じ、大阪出身ならではの実感あふれる“大阪のお父さん”らしさを見せてくれる。
メガホンをとったのは青春映画の傑作『あしたはきっと…』の三原光尋。料理に造詣が深く、料理人を主人公にした『しあわせのかおり』も手がけてる三原だけに、登場する「ふるさとグルメ」や料理シーンにも妥協のない作品が完成した。
『あしたになれば』は、南河内地区の羽曳野市・藤井寺市・太子町の２市１町がシネマプロジェクトとして支援やロケ地提供をおこなって制作された。同市・町の魅力が、存分にスクリーンに広がる。
南河内男子高校２年生の松井大介（小関裕太）は野球部のピッチャーでレギュラー。しかし目指していた甲子園の道は予選敗退で途絶えてしまった。部活にも出ずにぶどう農家を営む家の手伝いを過ごしていた夏休み、大介は学校から呼び出される。
学校で待っていたのは校長先生。校長は、大介たち４人の生徒に、市の観光課が企画した「ふるさとグルメコンテスト」に出るようにと告げる。南河内の特色を活かした新たなご当地グルメを作れというのだ。ふるさとグルメなどまったく興味がなく断ろうとした大介たちだったが、実はその企画は近くの女子校・飛鳥女学院との合同チームで参加予定。校長室に現れた飛鳥女学院の佐々木美希（黒島結菜）のかわいさに、大介たちは俄然やる気に！
こうして、大介と大介の親友の元（葉山奨之）、お好み焼き屋の息子・健二（小川光樹）、ＩＴ好きの昭吾（山形匠）は、美希と玉子（富山えり子）と一緒に、６人でふるさとグルメ作りに取り組むことになった。
はじめは不純な動機でグルメ作りを始めた大介たち男子４人だったが、６人でグルメの試作を重ねたり、ライバルチームを偵察する中で、次第に真剣にグルメ作りに取り組んでいく。
そして、大介と美希の距離も少しずつ近づいていた。東京から引っ越してきたばかりの美希の抱える事情を知る大介。美希もまた、予選敗退してから野球に向き合えなくなった大介の胸の内に触れていく。だが、美希に想いを寄せているのは大介だけではなかった。元の美希への気持ちを知った大介は悩む……。
そんなある日、美希は突然、大介たちの前に姿を見せなくなってしまう……。
