春、中学生たちの卒業が近づく季節。高知の中学で陸上部に所属する伊純(声:瀬戸麻沙美)は、県大会で思うような記録が出せず、卒業式を間近に控えたいまでも自己ベスト更新を目指して毎日タイムを測っている。でも、伊純がいまでも走っているのは大会でライバルに負けたのが悔しいだけだとの陰口も聞こえてくる。
家に帰れば、両親は東京への引っ越しに向けて荷造りに忙しい。卒業式が過ぎれば伊純も東京で暮らすのだが、両親が自分の気持ちを考えていないように思えて、どこか心に引っかかりを感じている。
卒業式の当日、卒業式に出たくなく学校と反対方向の電車に乗った伊純がたどり着いたのは、海。砂浜で伊純は、不思議な石のようなものを拾う。そして気が付くと、伊純は見たこともない風景の中にいた。
伊純の前に現れたぬいぐるみのような姿のポコン(声:田上真里奈)によると、伊純が拾ったのは“時のカケラ”で、ここは“時の谷”。ポコンたち“ポッピン族”は世界の時間を司っているという。ところが、ポッピン族を狙うキグルミという謎の敵が現れて“時の谷”は危機に瀕しているのだ。このままでは、すべての世界の秩序が崩れてしまう――。
伊純と、やはり“時のカケラ”を拾った蒼(声:井澤詩織)、小夏(声:種﨑敦美)、あさひ(声:小澤亜李)、沙紀(声:黒沢ともよ)が心をひとつにして“奇跡のダンス”を踊ることができれば“時の谷”は救われ、伊純たちも元の世界に戻れる。だけど、沙紀は元の世界に戻るつもりはないといい、沙紀の言葉に伊純の気持ちも揺れる――。
それぞれの悩みを抱えた中学3年生の5人の少女。“時の谷”で出会った彼女たちは、どんな道を選ぶのか?
ポッピンQ
監督:宮原直樹
声の出演:瀬戸麻沙美 井澤詩織 種﨑敦美 小澤亜李、黒沢ともよ 田上真里奈 ほか
2016年12月23日(祝・金)より 全国ロードショー
2016年/カラー/95分
1950年代から現在に至るまで、各時代を象徴する数々の名作を送り出してきた東映アニメーション(創立当時は東映動画)は、創立60周年を迎えた。その記念作品として公開される長編アニメ映画が『ポッピンQ』である。
中学卒業を目前に控えた少女・伊純(いすみ)、そして蒼、小夏、あさひ、沙紀。住んでいる場所も家庭環境も違うがそれぞれに悩みを抱える5人は、世界を救うための不思議な体験の中で、自分の心と向き合っていく……。
『ポッピンQ』は、この世界とは異なる“時の谷”を舞台にした少女たちの冒険や、ダンスや音楽という高いエンターテイメント性を盛り込んだ物語の中で、思春期の子どもたちが感じる悩みや迷い、そしてそこから前に進もうとする姿を描いていく。
監督は、現在の東映アニメーションの代表作「プリキュア」シリーズのCGディレクターをつとめ、華麗なダンスシーンを生み出してきた宮原直樹。『ポッピンQ』でも躍動するダンスシーンや爽快なアクション、さらに伊純が暮らす高知県のリアルな風景など、魅力的な映像をたっぷり見せてくれる。また、人気ライトノベル「キノの旅」の挿絵などで知られるイラストレーター・黒星紅白がキャラクター原案をつとめている。
そのキャラクターたちに、瀬戸麻沙美、井澤詩織、種崎敦美、小澤亜季、黒沢ともよらの声優陣が命を吹き込んだ。高知県出身である声優の小野大輔とタレントの島崎和歌子が伊純の両親役に起用され、リアルな土佐弁を聞かせてくれるのも注目点だ。
多感な中学生たちの心を繊細に描きつつ、娯楽作品としても一級の『ポッピンQ』。きっとこの映画は、あなたにとって大切な1本になるはずだ。
- 小湊伊純:瀬戸麻沙美
- 日岡蒼:井澤詩織
- 友立小夏:種﨑敦美
- 大道あさひ:小澤亜李
- 都久井沙紀:黒沢ともよ
- ポコン:田上真里奈
- ルチア:石原夏織
- ダレン:本渡楓
- タドナ:M・A・O
- ルピイ:新井里美
- 長老(ラムタムラス):石塚運昇
- レミィ:山崎エリイ
- 深町美晴:田所あずさ
- 三橋ナナ:戸田めぐみ
- レノ:内山昂輝
- 小湊元治:羽佐間道夫
- 小湊俊平:小野大輔
- 小湊恵理子:島崎和歌子
- 監督:宮原直樹
- キャラクター原案:黒星紅白
- 原作:東堂いづみ
- 脚本:荒井修子
- 企画・プロデュース:松井俊之
- プロデューサー:金丸裕
- キャラクターデザイン・総作画監督:浦上貴之
- CGディレクター:中沢大樹
- 色彩設計:永井留美子
- 美術設定:坂本信人
- 美術監督:大西穣
- 撮影監督:中村俊
- 編集:瀧田隆一
- 音楽:水谷広実(Team-MAX)/片山修志(Team-MAX)
- オープニングソング:P.IDL「ティーンエイジ・ブルース」
- 主題歌:Questy「FANTASY」
- 配給:東映
- アニメーション制作:東映アニメーション
- 製作「ポッピンQ」Partners