
春、中学生たちの卒業が近づく季節。高知の中学で陸上部に所属する伊純(声:瀬戸麻沙美)は、県大会で思うような記録が出せず、卒業式を間近に控えたいまでも自己ベスト更新を目指して毎日タイムを測っている。でも、伊純がいまでも走っているのは大会でライバルに負けたのが悔しいだけだとの陰口も聞こえてくる。
家に帰れば、両親は東京への引っ越しに向けて荷造りに忙しい。卒業式が過ぎれば伊純も東京で暮らすのだが、両親が自分の気持ちを考えていないように思えて、どこか心に引っかかりを感じている。
卒業式の当日、卒業式に出たくなく学校と反対方向の電車に乗った伊純がたどり着いたのは、海。砂浜で伊純は、不思議な石のようなものを拾う。そして気が付くと、伊純は見たこともない風景の中にいた。
伊純の前に現れたぬいぐるみのような姿のポコン(声:田上真里奈)によると、伊純が拾ったのは“時のカケラ”で、ここは“時の谷”。ポコンたち“ポッピン族”は世界の時間を司っているという。ところが、ポッピン族を狙うキグルミという謎の敵が現れて“時の谷”は危機に瀕しているのだ。このままでは、すべての世界の秩序が崩れてしまう――。
伊純と、やはり“時のカケラ”を拾った蒼(声:井澤詩織)、小夏(声:種﨑敦美)、あさひ(声:小澤亜李)、沙紀(声:黒沢ともよ)が心をひとつにして“奇跡のダンス”を踊ることができれば“時の谷”は救われ、伊純たちも元の世界に戻れる。だけど、沙紀は元の世界に戻るつもりはないといい、沙紀の言葉に伊純の気持ちも揺れる――。
それぞれの悩みを抱えた中学3年生の5人の少女。“時の谷”で出会った彼女たちは、どんな道を選ぶのか?