
映画プロデューサーの駒田(吉沢悠)は、以前に手がけた映画が会社を傾けるどころかひっくり返すレベルの大ゴケとなり、下っ端の仕事から出直し中の身。
そんな駒田は、誰も担当したがらない新作映画の企画があると知り、プロデューサーを引き受けた。その作品は脚本が破綻している上、まともに撮ったらとても予算内では収まらない内容。だが脚本を書いたのは人気俳優を抱える芸能事務所の社長で、社長の機嫌を損ねないよう脚本を一字一句変えずに撮らなくてはならない。
この難題に取り組むことになった駒田は、行きつけのバーの店員・土田(金田哲)の紹介で、新たにフィルムコミッションを立ち上げたばかりの土田の出身地・えのき市を訪れた。フィルムコミッション担当の市職員・内川(前野朋哉)やえのき市民が映画制作の事情に疎いのにつけ込んで、駒田は自分に都合のいい条件で映画への「協力」を要請する。
こうして、内川の熱意と地元を盛り上げたいという市民の善意になにからなにまで頼った撮影が、いよいよ始まる。土田は地元の友人たちともに現場スタッフとして参加することになり大張り切り。東京から来た監督の石井(戸次重幸)は、駒田のやり方に疑問を感じつつも、久々の映画を撮るチャンスになにも言えない。
内川は、エキストラ集めや撮影への協力要請で撮影が始まってからも走り回る。だが、エキストラへのあまりに粗雑な扱いや撮影隊の身勝手さに、市民の間には少しずつ不満が広がりはじめていた。ひたすら頭を下げ続けてきた内川も、駒田の態度に違和感を感じるようになり……。この映画、一体どうなる!?