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『魍魎の匣』製作発表記者会見

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会見出席者のみなさん。
左から、京極夏彦さん、阿部寛さん、黒木瞳さん、堤真一さん、田中麗奈さん、椎名桔平さん、原田眞人監督

 人気作家・京極夏彦さんのベストセラー小説「百鬼夜行シリーズ」の映画化第2弾となる『魍魎の匣』(もうりょうのはこ)の製作発表記者会見が1月7日に日活撮影所でおこなわれました。
 『魍魎の匣』は、戦後間もない東京を舞台に、さまざまな謎が絡み合う“超絶ミステリー”。主人公の京極堂こと中禅寺秋彦役に堤真一さん、探偵・榎木津役に阿部寛さん、京極堂の妹・敦子役に田中麗奈さんなど、映画第1弾『姑獲鳥の夏』(2005年/実相寺昭雄監督)のキャストが再集結しているのに加え、作家・関口役には椎名桔平さん、物語のヒロインとなる元女優・陽子役には黒木瞳さんなど、新たなキャストも参加し、昨年の12月6日にクランクイン。舞台となる昭和20年代の日本の風景を描くため、中国・上海撮影所でのロケも敢行し、「映像化不可能」とまで言われた京極ワールドをスクリーンに描き出します。
 会見には堤さん、阿部さん、田中さん、椎名さん、黒木さんと、原作者の京極さん、メガホンをとる原田眞人監督が出席。キャスト陣は劇中の衣裳で登場し、それぞれに作品への意気込みを語りました。

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京極堂=中禅寺秋彦役:堤真一さん

2作目になりますけど、監督も変わって、キャストも多少変わって、もちろん慣れた部分もあるのですが、まったくの新作のような、いい緊張感を持って撮影しています。ずいぶん面白いものになるんじゃないかなと思っています。
 前作と同じ役ではあるんですけど、監督の遊び心に乗せられて「ここまでキャラクターそのものが変わることはないんじゃないか」というくらい違うものになっているという気がします。「どこまで行くんだ」というくらいむちゃくちゃに楽しい現場なので、監督に「もうやめて」って言われるくらいまで行こうと思っています(笑)。より楽しい京極堂になると思います。まだ撮影の半分も来ていないかも知れないんですが、必ずいい作品にしてみせます。

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榎木津礼次郎役:阿部寛さん

今回は監督も変わって、関口役に椎名(桔平)さんが入ってくださったんですけど、実は椎名さんと堤さんとぼくは同い年なんですね。だからなんか新鮮な気持ちで、現場で同い年の人間がいろいろな話をしながら、この3人の組み合わせを作っているということが、すごい楽しいです。
 前回は自分的反省としては、弾け切れていなかったなと思います(笑)。今回は弾けようと思ってやっていますが、監督が「抑えて」とか「もっと上げて」とか、そういう指示を的確にしてくださいますので、ほんとに監督を信頼して、すごく楽しい日々を過ごしています。本当に面白い作品になっていると思います。

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関口巽役:椎名桔平さん

撮影はすごく快調でして、原田監督との作品は『金融腐食列島 呪縛』と『突入せよ! あさま山荘事件』に少し出してもらって、今回で3本目なんですが、これまでとまったく違う原田ワールドを楽しんでやっています。大好きな監督、そして大好きな役者さんたちと仕事ができて、とても楽しくやっていますんで、素晴しいものになると思います。
 ワンシーンワンシーンがほんとに勢いを持って成立している気がするので、これほど画の繋がりが楽しみになる作品はこれまでなかったくらい楽しみにしています。期待してください。

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中禅寺敦子役:田中麗奈さん

今回は前回とちょっと違う雰囲気を出したいと(監督に)言われましたので、前回の雰囲気を持ちつつも、新鮮な感じで、自分としてもまったく新しいタイプの役としてやりたいなと思っています。前回演じてみて「今度やるときはああしよう、こうしよう」と自分の中で課題ができた部分をやりつつ、監督のおっしゃるイメージが明確なのでそれに近づきたいなと自分でもイメージしてやっています。
前回よりも少しコミカルな部分が増えていたりとか、芝居のやり取りもフッと笑える部分がちょこちょこあったりして、自分もそれをすごく楽しんでやっています。きっといろんな面で楽しめる作品だと思っています。できあがりが楽しみです。

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柚木陽子役:黒木瞳さん

今回は原田監督はじめ、みなさまと一緒にお仕事する機会に恵まれ、ほんとに幸せな年明けになりました。みなさま明けましておめでとうございます(笑)。脚本を読みまして、そのあと原作も読みまして、「どうやってこれを映像にするんだろう?」と、ほんとに素直に「映像になったものを見てみたいな」と思いました。映像になりにくいと言われているものほど我々は頑張っちゃうものです。私もミステリアスな女優の役で、ただいま頑張っちゃっております。ほんとに楽しい映画になるかと思います。ぜひできあがりを楽しみに待っていてください。

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原田眞人監督

今回は、京極ワールドのキャラクターの面白さと、言葉の楽しさ・美しさというものと、時代背景である昭和27年の東京およびその近郊をどこに求めるのか、その空間のパズルの組み合わせをやりました。それで上海までロケに行っちゃうんですけど、そういう組み合わせがいまピシッピシッと決まって、楽しい作業が続いています。上海ロケはたぶん難関になると思いますが、このメンバーならなんとか乗り切れると思います。無事に上海から帰ってくれば素晴しい映画になると思っています。じゃ、頑張ってきますので応援してください。

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原作者・京極夏彦さん

この、同い年の3人(堤さん、阿部さん、椎名さん)は大変身長が大きくて、育ちがいい時代だったんだなあと思う次第です(笑)。この映画は2作目になりますが、原田監督に決まって、最初に脚本をいただいて、それが大変面白かったんですね。それで「面白いです」と言ったところ、それからさらに何稿も何稿も手を加えられて、脚本を読んだだけでとても楽しみな作品になりました。上海ロケもあるようなんですが、国内でもいろんなところにロケにいらっしゃっているようで、大変アクティブに動かれていて、前作とは一味もふた味も違った“原田ワールド”になるのではないかと、期待が高まる一方であります。
 かなりエンターテイメント性の高い作品になるだろうと私は予想しておりますので、非常に楽しみです。ぜひ完成の暁にはお運びくださるようお願いいたします。

 会見では「みなさんにとって“魍魎”とは?」との質問も寄せられ、原田監督は「ぼくの中での魍魎はいろんな映画の記憶」、堤さんは「映画のセリフの中に“(魍魎とは)どこにも属さないもの”というのがあって、事務所に入ってはいますが、ぼくら役者とか映画を作っている人は魍魎みたいなものだなと思います」と回答。その答えに京極さんは「みなさんの魍魎に対する理解度はほぼ満点だと思います」と太鼓判を押しました。

 会見でのコメントにあったように、1月18日からは上海でロケがおこなわれる予定となっており、原田監督は「上海では中国の俳優さんやスタッフとも一緒にやります。これが日本と中国との文化芸術的な共同作業としてうまくいきますように、それからニュー・アジアンシネマのひとつの流れを作れるエンターテイメントになることを期待しています」と会見を締めくくりました。

 会見に出席したキャストのほか宮迫博之さん、宮藤官九郎さん、柄本明さんらが出演する『魍魎の匣』は、上海でのロケが終了する1月31日をもってクランクアップ予定。2007年5月に完成し、2007年内の公開が予定されています。

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