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『Watch with Me 〜卒業写真〜』完成披露記者会見

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左より、緒方悟役で会見の司会もつとめたEIJIさん、少年時代の上田和馬役・中野大地さん、上田由紀子役の羽田美智子さん、上田和馬役の津田寛治さん、萩原ひとみ・ほのか役の高木古都さん、瀬木直貴監督

 福岡県久留米市を舞台に「人間の生と死」というテーマを描いた映画『Watch with Me 〜卒業写真〜』がこのほど完成し、3月16日に瀬木直貴監督、主演の津田寛治さん、共演の羽田美智子さんらが出席して完成披露記者会見が都内のホテルでおこなわれました。
 『Watch with Me 〜卒業写真〜』は、ガンを患い余命半年と宣告された元・報道カメラマンが故郷に戻り、妻や友人たちに見守られつつ自らの思い出をたどるヒューマンストーリー。主人公の元カメラマン・上野和馬役を津田さん、和馬の妻・由紀子を羽田さんが演じます。そして少年時代の和馬役にオーディションで1000人あまりの中から選ばれた中野大地さん、和馬が想いを寄せるヒロイン役にミスフェニックス2005で審査員特別賞に選ばれた高木古都さんという、フレッシュなふたりが顔を揃えました。

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瀬木直貴監督

ぼくは今までオールロケをモットーに撮ってきまして、この映画もまさに福岡の筑後地域で撮影した映画なんですけども、地域を掘り下げていけばどこかで普遍性に突き当たるということで、地域で撮った映画がですね、このように全国公開ということで嬉しく思っています。
 大きなエキセントリックな物語ではありませんが、日常生活を丹念にリアルに描いた作品です。
(舞台となる久留米市について)ぼくの映画作りっていうのは、自分の脚でその街をくまなく歩いて自分の好きな風景を集めてくるっていう、ひじょうに地道で手間のかかる作業をしているんですね(笑)。その中で、この物語は1979年、昭和54年が回想シーンで出てくるんですけど、当時の風景がそのまま残っている地域なんですね。昭和の風景、懐かしい風景が残っているということにも惚れこみました。

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上野和馬役:津田寛治さん

この映画はほんとに一言ではいえないくらい自分の中でたくさんの想いをかけた映画ですので、今ここでどうのこうのうまくは言えないんですが、ただ本当にひとりでも多くの方に観ていただきたいという想いで今はいっぱいです。
 ぼくは台本に感銘を受けまして、この映画は“人の生き死に”を扱った映画なんですね。“人の生き死に”を扱った映画って世の中にたくさんあって、いろいろなかたちがあると思うんですけど、この映画で扱っている死のあり方というのが、ぼくが今まで見たことのない感じだったんです。ガン患者である和馬が死んでいく中で周りの人に対してどう関わっていくのかというのが、すごくセッションになっているんですね。それが一番顕著に出ているのが奥さん役の羽田(美智子)さんとのやり取りなんですけど、看取るはずの奥さんが、亡くなっていく和馬にヒステリックに怒ったりするんですよ。そんなことを言うガン患者の奥さんというのをぼくは初めて見て、ホスピスというのは亡くなっていく人と看取る人のセッションだというのをすごく感じたんですね。奥さんをはじめ、同級生役の人たちみんなが、和馬が旅立つための準備をしてくれているというのがホスピスというもののあり方だという感じがしたんです。それは今までなかったかたちだと思って、相当に気合を入れてやんないとそこが伝われないと思ったんですね。まずお客さんに伝わるために自分はなにができるんだろう、それをどうすれば伝えられるだろうというのを第一に考えていました。

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和馬の妻・由紀子役:羽田美智子さん

私は去年の夏にこの脚本をいただきまして、とにかく涙が止まらなくなりました。脚本に一目惚れするってこういうことなんだなあと思いまして、この役は絶対自分がやりたい、ほかの女優さんがやっていたらたぶん嫉妬するだろうなという想いでやらせていただきました。撮影期間は約2週間だったんですけど、その中で由紀子という役に没頭して演じることができたのをすごく幸せに思いました。ほんとに30代を飾る、私にとって大きな意味を持つ作品になりました。
 おばちゃん役の根岸季衣さんがプライベートでご主人をガンで亡くされているんですね。泊まっていたホテルの大浴場でたまたま根岸さんとふたりだけになりまして、なにを話したというわけではないんですけど、先輩から伝えられた訥々とした言葉というのが由紀子を演じる上ですごく重要で、みんなお仕事で集まったというよりは、みんなそれぞれの人生を抱えて集まってひとつのドラマを生きたというような印象が強いですね。

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少年時代の和馬役:中野大地さん

ぼく自身、こういう大きな役をもらったのが初めてで「自分にできるのかなあ」と多少不安もあったんですけど、台本をいただいて目を通してみると、自然と「ああ、和馬って自分と似ているなあ」って思えてきて、撮影に臨むときも特に役の意識をすることなく、素のままで撮影に臨めたことが良かったと思いました。
(オーディションに合格したときの感想について)なかなか返事がなくてダメだったのかなと思っているときに、学校から帰る途中にマネージャーさんから受かったという電話をいただいて、嬉しくて嬉しくて、親と兄弟にすぐ報告してみんなすごく喜んでくれて、言葉にできないくらい嬉しくて、早く撮影に臨みたいな、早く行きたいなとすごく楽しかったです。そのころはちょうどこれから髪を伸ばしてイケイケになろうかなと思っていたんですけど「坊主にしてください」と言われて、それは哀しかったですね(笑)。

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萩原ひとみ・ほのか役(二役):高木古都さん

ミスフェニックスっていうオーディションを受けて、合格してこのお仕事をさせていただいているんですが、初めてこういう大きな役をいただいて、最初はすごく緊張してなにをすればいいのかもわからずに、監督とお話をして一生懸命練習したり、いろんなことを考えたりして、ひとみという役をすごく大切に演じてきました。すごく緊張しましたが、自分なりに一生懸命できたと思うので、よろしくお願いします。
(二役を演じたことについて)ほのかちゃんのときはひとみのことを話すんですが、自分がやった役のことを他人として話しているので、そのときの撮影のエピソードを思い出したりして、泣きそうになったりしていました。

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夫婦役を演じる津田寛治さん(右)と羽田美智子さん(左)

 本作は2006年夏に中野さん、高木さんの出演する回想シーンが撮影され、冬に津田さん、羽田さんが出演する現代のシーンを撮影するという、数ヶ月の期間をあける異例の撮影スタイルがとられています。津田さんは自身が出演しない夏の撮影も見学し、同じロケ場所で中野さんと同じ演技を体験してみるという力の入れよう。「現場に行って同じ芝居をやってみるのはものすごく良かったですね」と振り返りました。

 配給のティ・ジョイでは、本作を2006年公開の『佐賀のがばいばあちゃん』に続く、地方初の映画を支援するプロジェクトの第2弾と位置付けており、映画の舞台である九州地区から公開をスタートさせ、全国100スクリーン以上でのロードショーを計画しています。

 『Watch with Me 〜卒業写真〜』は4月21日(土)より九州先行公開ののち、6月9日(土)より全国公開。
 また、映画公開に先駆け、映画のエンディングテーマとして使われているHi-Fi SETの名曲「卒業写真」のカバーで高木古都さんが4月18日にCDデビューを果たすことも決定しており、映画とともにこちらも注目です。

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