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『東京少年』完成披露記者会見

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会見に出席した平野俊一監督、堀北真希さん、石田卓也さん、丹羽多聞アンドリウプロデューサー(左より)

 人気の若手女優・堀北真希さんが女性と男性、ふたつの人格を持つ少女を演じる映画『東京少年』(2008年2月2日公開)の完成披露記者会見が10月4日に都内でおこなわれました。
 『東京少年』は、両親の死をきっかけに自分の中に“ナイト”という少年の人格を持ってしまった少女・みなとが主人公。そんなみなとと青年・シュウの恋、そしてみなとを大切に想い護ろうとするナイトという、“3人”が繰り広げる不思議な関係を描いていきます。
 会見には、みなととナイトの二役を演じた堀北さんと、シュウ役の石田卓也さん、丹羽多聞アンドリウプロデューサー、平野俊一監督が出席しました。
 男性と女性の二役という難役に挑んだ堀北さんは「ナイトとシュウの取っ組み合いの喧嘩のシーンをやったんですけど、そんな喧嘩はやったことがないので、そこに感情を入れてやるのが大変でした」と撮影を振り返り、「胸倉とか掴まなくちゃいけないんですけど、(石田さんが)頑丈なので私がどんなに力を入れても動かなくて、ゼイゼイハアハアになりながらすごい頑張りました」と男役ならではの苦労話を披露。
 一方、相手役の石田さんは、堀北さんの男の子っぷりについて「歩き方もすごい男の子な感じでメチャメチャカッコ良かったです」と太鼓判。そして堀北さんが苦労した喧嘩のシーンについては「リハーサルでは堀北さんの代わりに監督が入ってきて、頭を後ろの壁にガンガンやられて、本番のときには頭の中が真っ白でした(笑)」と、“胸倉を掴まれる側”なりの苦労を話しました。

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みなと/ナイト役:堀北真希さん

今回は二重人格の少女の役ということで“みなと”と“ナイト”という二役を演じました。私自身はいつかラブストーリーができたらいいなと思っていたのですけど、こういうかたちで自分が相手のラブストーリーを演じるとは思っていなかったので、ちょっと戸惑いながらも、一生懸命に撮影しました。ナイトを演じるのはすごく難しかったんですけど、精一杯できて、力作になったと思います。
 脚本を最初に読んだときは、ストーリーの中に種明かし的な要素がたくさん出てきて、ナイトの目線になったり、みなとの目線になったりとか、すごく面白かったんですけど、実際に自分がそれを演じるとなったらまったくイメージがわかなくて、はじめは「難し過ぎて私にはできないな」ってちょっと思いました。でも、監督とお会いして、衣裳を決めたりしながらいろいろと話をして、頑張らなきゃなと思って撮影に入ったんですけど、撮影しているときはほんとに無我夢中でした。1日で朝にはみなとを演じて、お昼にはナイトになって、また夜にはみなとに戻ってみたいな日もあったし、すごく自分の中で葛藤はあったんですけど、完成した映画を観て、心に残るものが大きかったですし、こういうラブストーリーは今までにないし、みなさんにも絶対に想像がつかないようなラブストーリーなので、自分の中で新しい感情が味わえて、とても素敵な作品になったなと思っています。

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シュウ役:石田卓也さん

この映画はちょっと変わった恋愛映画なんですけど、ぼくはシュウを演じたんで「もし自分がシュウの立場だったら自分はどうしただろう」とか、そんな感じで観てほしいです。
 脚本を読んだときは、ひとことで言うと「すごく切ないな」って感じがしました。自分が演じる役については、医大志望の受験生の役だったし、それから趣味がカメラで、ぼくはカメラも構えたことがないからそれらしく構えられなくて、なかなか難しかったです。現場のスチールさんにいろいろ教えてもらったり、監督にボロッボロに言われたりして、なんとか演じられたかなという感じです(笑)。実際にできあがった作品を観てすごく切なかったし、ぼくはシュウを演じていたんですけど、ナイトのことがすごくかわいそうに思えたし、切ないなって思いました。

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平野俊一監督

監督をつとめさせていただいた平野です。1月に撮影を終えまして、すでに完成して久しいんですけど、最近にはない、ピュアで美しい、そして可愛らしい作品になったのではないかなと思っています。ここにいる真希ちゃんと卓也くん、ふたりが精一杯頑張ってくれたので、いい作品になったと心から満足しております。
(初の長編劇場映画であることについて)普段撮っているドラマとそんなに意識を変えたわけではないんですけど、デートのシーンとかでは、台本にあるお芝居の流れが終わったあとも5分くらいカメラを回して、どんな空気が出てくるんだろうか観察してみたり、喧嘩のシーンなんかも型を作るんですけど、それ以上のものがどれだけ出てくるかを(カメラを)回しっぱなしで見てみたりとか、ふたりには申し訳ないけど、楽しみながら悪戯に観察しながら撮っていたような気がしますね。やっぱり難しかったところもあって、人格を入れ替わる瞬間をどう表現するかが、ぼくも真希ちゃんも苦労したところだと思うんですよね。わかりやすくやっちゃうとすごく白々しいものになってしまうし、何気なく変わっていくようにしてもわかりにくいだろうし、言葉の言い方だけじゃなくて座り方や仕草、食べ方とか、ものすごく考えましたし、かなり(堀北さんと)話しましたね。そんな中でいろいろ現場で悩んだりして、現場の空気が静まりかえっているときに、申し訳ないんですけど石田くんを怒って空気を変えたりしていました(笑)。でも、石田くんが持っているものすごくピュアで中性的な部分が、みなととナイトという両極端にいる人物の真ん中にポジションを取ってくれたので、あえて「3人」と言わせてもらいますけど、3人のバランスはすごくいい感じにできたと思うので、苦労というより、すべてに納得がいって、撮影を終えることができました。それは嬉しかったですし、幸せなことだと思っています。

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丹羽多聞アンドリウプロデューサー

最近ですね、堀北真希さんはお台場の局のドラマでも男性役をやられておりますが(笑)、1月に撮影したこの作品で一足先に男性役、しかも男性と女性の一人二役をやっております。私は堀北さんの初主演作からお付き合いさせていただいておりまして、堀北さんがどのように成長するかを見るのがひとつの楽しみなんですが、この作品でも「女優・堀北真希」がさらに一皮向けて、すごいお芝居を披露しておりますので、ぜひそのあたりをご覧ください。そして今回はフレッシュな石田卓也さん、TBSの若手のエース・平野俊一監督を迎え、スタッフ、キャストとともに全力を挙げて製作した作品になっておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 この映画は複雑に思われるかもしれませんが、三角関係の話なんですね。そして「絶対に報われない恋」「絶対に会えないふたり」というのがこの作品のテーマです。つまり、二重人格の男性がもう一方の人格である女性に恋をして会いたいと思っても、決してふたりは会えないんですよね。そういうひじょうにピュアな恋愛の話です。そんなお話を、ふたりで三角関係をやったという、世界で類を見ない変わった恋愛映画になったと思います。

 劇中では、ナイトが鏡に映るみなと(=自分)にキスをするという“鏡越しのキスシーン”も。丹羽プロデューサーが「ぜひ観てもらいたい」というそのシーンについて、堀北さんは「自分が恋をしている相手が鏡の中にいて、でもその映っているのは自分であるという、すごく複雑な感情で、切なくて、悲しかったですね。キスの仕方とかも話しあってやりました。みなさん楽しみにしてください」と話しました。

 堀北さんの新たな魅力が発揮された映画『東京少年』は2008年2月2日(土)より、新宿トーアほかにて全国順次ロードショーされます(配給:エム・エフボックス)。

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