昭和最大の未解決事件といわれる三億円事件を題材とした『ロストクライム−閃光−』が７月３日に初日を迎え、角川シネマ新宿で主演の渡辺大さんをはじめとするキャストと伊藤俊也監督らが舞台あいさつをおこないました。
上映終了後に舞台に登場した渡辺さんは、映画の中とはがらりと雰囲気を変えた坊主頭。「今日のために気合を入れて頭を丸めてきました(笑)」とあいさつしたところ、共演の奥田瑛二さんから「ほんとに今日のために坊主にしたのか？ ほかになんか役があるからだろ。都合のいいこと言っちゃダメだよ」とツッコミが。さらに渡辺さんは、映画公開キャンペーンについて触れる中でこれから放送になるバラエティ番組の内容を明かしてしまい、今度は武田真治さんから「バラエティにはバラエティなりのルールがあって、そういうこと先に言っちゃダメなんじゃない？」と一言。渡辺さんにとっては、先輩から手厳しい洗礼を浴びる舞台あいさつとなりました。
そんな渡辺さんについて、伊藤監督は「口はばったいながら、奥田さんともども“大を育てよう”と。いつまでも渡辺謙のせがれというだけではダメだ、親父さんをも脅かすようなスターに育ってほしいということで、奥田さんと目配せをしながらがんばってもらったということですね。この映画では奥田さん（の演じた役）にケツをひっぱたかれながら成長していって、最後はしっかりイニシアティブをとって後継者たりえる役ですから、それが見事に渡辺大という俳優の成長物語と見合っていたのではないかと思います。そういう意味でも大くんにとってふさわしい作品であったと思っております」とコメントしました。
『ロストクライム−閃光−』初日舞台あいさつ
映画の内容にちなんで“三億円札”を模したパネルを持った舞台あいさつ登壇者。後列左から、DEEPのRYOさんとKEISEIさん、武田真治さん、川村ゆきえさん、かたせ梨乃さん、宅間伸さん。前列左より、DEEPのTAKAさんとYUICHIROさん、渡辺大さん、奥田瑛二さん、伊藤俊也監督
「超ベテランの方に囲まれて緊張しましたけど、緊張してばっかりもいられないので撮影に入るときには腹を決めて、全力でやろうと思いました」と主人公の刑事・片桐慎次郎役の渡辺大さん
滝口正利役の奥田瑛二さんは撮影の最終日に危険なシーンに挑戦。「どうせクランクアップの日だからこれで死んでも映画は完成されるなという気持ちでやりましたよ」と撮影を振り返りました
「こんな大きな映画も、豪華キャストに囲まれるのも初めて。演技についても挑戦が多くて初めてばかりの作品だったので、初日を迎えられて嬉しく思っています」と津村多恵子役の川村ゆきえさん
宮本翔大を演じた武田真治さんは、あるシーンでの命懸けとなった撮影の苦労を５分以上にわたってやや暴走気味に熱弁。「素晴らしい映画に参加できてよかったと思います」とまとめました
撮影でピアノ演奏に挑戦したのがきっかけでピアノを始めたという真山恭子役のかたせ梨乃さん。「この映画でピアノに出会えたことは女優としての部分プラスアルファでいい出会いとなりました」
吉岡健一を演じた宅間伸さんは、実際に三億円事件が起きた当時12歳。「（事件の報道で）そのとき初めて、銀行の利子で食べていけるんだってことを知りましたね」と思い出を語りました
「出ていただいた俳優さんたちが、それぞれの役において素晴らしい個性を発揮していくれたのではないかと自負しております、それがもっとも自分にとって満足いったことですね」と伊藤俊也監督
「監督さんとお話をさせていただいきながら、ストーリーに基づいて曲を作らせていただいたんですけど、映画にピッタリな曲だと自信を持った作品になっています。映画とリンクしてぼくらにとっても最高の曲になったと思います」と主題歌を歌うボーカルグループ・DEEPの４人。アカペラで主題歌のワンフレーズを歌うというプレゼントもありました
これまで数多くの名作を送り出してきたベテラン・伊藤監督は、サッカー日本代表の岡田監督の言葉を引いて「ほんとうにいいチームだったので、もう一試合やりたかった、やらせたかった。また私自身がやりたいと、そういう想いでございます」と本作に集まったキャスト陣に満足げな様子。渡辺さんは「今日が終わりではなく、今日からがスタートなんです。このメンバーでまた別の仕事もしてみたいです」と舞台あいさつを締めくくりました。
『ロストクライム−閃光−』は、７月３日(土)より角川シネマ新宿ほか、全国ロードショー公開されています。