大森一樹監督が劇団スーパー・エキセントリック・シアター（ＳＥＴ）の劇団員をキャストに迎え、現代人の心の病を描いた『世界のどこにでもある、場所』が２月26日に初日を迎え、シネマート新宿では初回の上映後にＳＥＴのメンバーと佐原健二さんら総勢13人のキャストが登場。客席も使って映画の場面を再現したような寸劇を披露しました。
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13人のキャストが寸劇を披露：『世界のどこにでもある、場所』初日舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなった大竹浩一さん、古藤ロレナさん、熊倉功さん、佐原健二さん、大森一樹監督、丸山優子さん、三谷悦代さん（前列左より）、田上ひろしさん、出口哲也さん、坂田鉄平さん、山崎大輔さん、高橋修さん、アベディンさん、嶋田真さん（後列左より）。キャストは劇中の衣裳で登場
舞台あいさつは映画の内容を再現したような寸劇からスタートしました
舞台あいさつの司会をつとめたのは河崎修三役の大竹浩一さん
寸劇に続いての舞台あいさつに登壇した大森監督は「爆発的大ヒットを飛ばすような映画ではないとは思っておりましたが、さすがに初日（お客さんが）入らなかったら困るなと思っていたので、入っておりましてホッとしました(笑)」とあいさつ。「10年前にぼくの地元の遊園地が閉園になるときに、なににもない遊園地で映画が撮れないかなと、ただそれだけで、原作もなく、俳優もなく、お金もなく、なんにもないところから始まりました。それから10年かけて劇場で映画がかかって、しかもお客さんが入っているというのは、映画というのはなかなか捨てたもんじゃないなと思いました」と初日を迎えた心境を語りました。
「出演者がこんなにたくさん来てくださった舞台あいさつはいままでありませんでした」感謝の意を示した大森一樹監督
「ほとんどの人が悩んだり病んでいる中、大変難しい役をやらせていただきました」と金子正夫を演じた佐原健二さん
「動物園のサルを見たらサルに影響されたキャラクターになっちゃいました(笑)」と看護師・ローナ役の古藤ロレナさん
「とにかく役に対して一生懸命、がむしゃらに演じきること。それだけを考えてやりました」と、中心人物・田口卓也役の熊倉功さん
「名前も役名もユウコなんですけど、監督にはノリコ、クミコ、最終的にはシンシアと呼ばれてました」と美作由布子役の丸山優子さん
「この作品をこうやってみなさんに観てもらえたことを、すごく嬉しく思っています」と高森潤役の坂田鉄平さん
「よくわからないまま（撮影に）入って終わっちゃったんですけど、たぶん先生役だったと思います」磯田役の山崎大輔さん
「気合を入れて臨んだんですけど、結局“象がよければいいや”みたいな現場でした(笑)」と東千枝子役の三谷悦代さん
「ぼくたちのシーンはセリフが逆になってても一発ＯＫなんですよ。これでいいのかなって思ってた」と神谷源一役の高橋修さん
「ぼくは撮影のあとだいぶ太ってしまいまして、この衣裳が着れるくらいの収まりでよかったです」とルディ役の嶋田真さん
「ＳＥＴに入りたいです」とアピールしたダニエル役のアベディンさん。「この映画でがんばれたことは光栄だと思っています」
劇中で呪文を唱えるシーンは「監督から急に“なんか呪文言って”と言われて(笑)」と松居久志役の出口哲也さん
「動物園の動物たちの演技に助けられました。たくさんの方に来ていただいて感動しております」と高畑五郎役の田上ひろしさん。
偶然にも公開日の２月26日は田上ひろしさん（写真中央）の誕生日。客席からも共演者からも大きな拍手が贈られました
23人もの登場人物が繰り広げる群集劇となっている『世界のどこにでもある、場所』は、佐原健二さんと水野久美さんを除いては多くのキャストが映画初出演。大森監督は「取材のたびに“ノースター、スターがいない映画を作りたい”と言っていまして、申し訳ございませんでした(笑)」とキャストに頭を下げつつ「テレビなどで有名でない俳優さんばかりに出ていただいて、その効果は随分あったのではないかと思います」と、異色のキャスト起用に自信を見せました。
現代社会のさまざまな問題を娯楽映画に詰め込んだ『世界のどこにでもある、場所』は、２月26日(土)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開中。ほか、全国順次ロードショーされます。