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サスペンスで「成長につながった」:『クレイジズム』初日舞台あいさつ

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映画の内容はハードですが、舞台あいさつでは明るくピースサイン。後列左より窪田将治監督、安亜希子さん、馬場良馬さん、植野掘まことさん。前列左が土方くるみさん、右が標永久(しめぎ・えのく)さん

 馬場良馬さん、植野堀まことさん、標永久(しめぎ・えのく)さんら注目の若手俳優が共演するサスペンス『クレイジズム』が4月16日にシネマート六本木で初日を迎え、馬場さん、植野掘さん、標さんら出演者と窪田将治監督が舞台あいさつをおこないました。
 『失恋殺人』で海外からも高い評価を得た窪田監督の最新作となる『クレイジズム』は、大金を手にして密室に逃げ込んだ5人の若者が、次第にそれぞれの欲望や互いの不信を露わにして狂気に向かうというハードなストーリー。
 昨年12月に主演作『タクミくんシリーズ Pure〜ピュア〜』が公開されている馬場さんですが、撮影時期が早かった『クレイジズム』が初主演作品。馬場さんは「陽気な性格なんですけど、撮影中はナイーブになっていました」と明かし「自分自身と向きあって撮れた作品で、自分の成長にもつながった作品だと思っているので、窪田監督はじめスタッフさんに感謝したいと思います」と心境を語りました。
 映画では登場人物たちが気持ちを激しくぶつかりあわせる場面も多く、共演の安亜希子さんは「“私ってこんな一面もあるのかしら”と思いながら、気持ちよくキレることができました」と笑顔。馬場さんは「最後のほうとか、ぼくは完全に安さんのはけ口ですね(笑)」と苦笑いを見せました。
 また、舞台あいさつの途中では、司会役のプロデューサーが、標さんが「もう絶対に窪田監督と一緒に仕事はしたくない」と言っていたと暴露する一幕も。標さんは「窪田監督の熱いムチが痛かったんで、終わったときは“やっと自由になれた”と思って(笑)」と肯定しつつも「完成した作品を観て、いつもと違う新しい自分を発見できたので、そういうのもいいかなって思いました。また一緒に仕事したいです」と続け、プロデューサーからの「本心ですか?」という問いかけにも「本心です」と、やや微妙な笑いを交えて答えていました。

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北沢辰也役の馬場良馬さん。「(辰也の)長いものに巻かれろ精神はぼく自身と似ているかなと思うんですけど、この作品をとおして“そういうことじゃいけないな”と、成長しましたね(笑)」

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「台本をいただいたときは難しい役だなと思った」という野間美奈役の安亜希子さんですが、役作りは「撮影が(ストーリーの)順番に撮っていったので、けっこうスムーズ」だったとのこと

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「人と人のつながりの大切さをこの映画をとおして感じました。映画を観て、人との関係を改めて感じてなおしてもらうきっかけになればいいなと思います」と上野一成役の植野堀まことさん

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谷中洋平役の標永久さんは、最後のあいさつで「ぼくは(撮影中も)半分寝ていたのであまり記憶にないのですが、とても面白かったです(笑)」と告白し、共演者や監督からツッコミを浴びました

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「狂気とか人を憎むとか、ダークな部分がたくさん出てると思うんですけど、人を思いやる気持ちとか、当たり前だと思うことを改めて感じていただければ」と宮脇千絵役の土方くるみさん

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窪田将治監督は「我々にとってはお客様に届けて初めて完結なので“映画を観て少しでも元気に”というような作品ではないのですけど、今日、上映することができて嬉しく思っています」とあいさつ

 人の心の闇が露わになるというハードな内容について、窪田監督は「人間ってやっぱり都合のいいほう、楽なほうに行くんですよね。ちょっとしたひとつの歯車が狂って、対人関係でいろいろあったりする。自分の経験も含めて、そういう部分が最近よく見えるなということがあって“それを突きつめたらどこまで行くんだろう?”というのがスタートです。逆説的に“周りの人たちを大切にできるようにならないといけないな”ということも含めて、ガッツリ救いのないような映画にしてしまおうという経緯で作りました」と意図を語り、馬場さんは「人間の脆さがすごく伝わる作品。人と人とのつながりや支えあう大事さを目にすることの多い時期なので、それが逆説的に提示できていればいいなと思います」と観客にメッセージを送りました。

 密室での5人の俳優たちの緊迫感あふれる演技が圧巻の『クレイジズム』は、4月16日(土)よりシネマート六本木にて上映されています。

※記事公開当初、安亜希子さんと土方くるみさんの写真を入れ違いに掲載しておりました。お詫びして訂正いたします(4月18日訂正)。

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