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「心の中に花を」:『それでも花は咲いていく』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった仁科貴さん、南野陽子さん、滝藤賢一さん、前田健監督(左より)

 ものまねタレントや俳優として人気の前田健さんが映画初監督をつとめた『それでも花は咲いていく』が5月7日に初日を迎え、キネカ大森で前田監督と出演者の仁科貴さん、滝藤賢一さん、南野陽子さんが舞台あいさつをおこないました。
 『それでも花は咲いていく』は、前田監督がセクシャル・マイノリティをテーマに執筆した同名短編小説集が原作。それぞれ異なる迷いや苦しみを抱えた3人の男を主人公にした「エーデルワイス」「ヒヤシンス」「パンジー」3編のエピソードからなる、オムニバス形式の作品となっています。
 「エーデルワイス」主演の仁科さんと「ヒヤシンス」主演の滝藤さんは、複雑な内面を持った役に「役者としては興味をそそられたところ」(仁科さん)「役者冥利につきるというか、かなり気合を入れてやらせていただきました」(滝藤さん)と、逆に演じがいがあった様子。現場での前田監督について「迷っているときにすごく優しく扉を開いてくれたり、肩を押してくれたり、すごく心地いい緊張感で作品をやらせていただきました」(仁科さん)、「現場で(監督が)ずっと横にいて話をしてくださったんで、あんまり苦労はしなかったです」(滝藤さん)とそれぞれ語りました。
 また、「エーデルワイス」で2児の母親を演じた南野さんは「現場に行ったら、監督を中心に“いいものを撮ろう”という想いでみんなががんばっているのが伝わってきて、かなり嬉しくなった」と振り返り「お母さん役というより、健ちゃん(前田監督)のお母さんみたいな気持ちで現場にいたんです」と笑顔で話しました。
 前田監督は「自分の作品って、自分の子供のような存在なんです。自分は子供は残せませんけど、代わりに作品を世の中に残していくんだと思うんです。ひとりっ子じゃかわいそうなんで、ふたり目、3人目と生んで、いろいろな人に愛されてくれたらなと思います」と、今後の作品作りにも意欲を見せました。

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前田監督について「普段のちょこっとした会話の中でヒントをくれたりとか、優しすぎるくらい優しい監督ですね」と「エーデルワイス」主演の仁科貴さん

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「(前田監督は)歌が歌えて踊りも踊れて芝居もできて、映画も撮れるってすごいなって。ほんとにエンターテイナー」と「ヒヤシンス」主演の滝藤賢一さん

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「もし自分が出ていなくても“観たほうがいいよ”ってみんなに紹介したい作品ですね」と「エーデルワイス」でふたりの女の子の母親を演じた南野陽子さん

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「ぼくの夢は“映画を撮ること”ではありません。“人に観てもらうこと”がぼくの夢でした。今日、初めて夢が叶う日で喜びをかみしめています」と前田健監督

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南野陽子さんは、十数年前に舞台で前田監督を見てからずっと応援してきたそうで、南野さん自身も認める“お姉さんのような存在”とのこと。前田監督は「ほんとに姉御肌のお姉さんで尊敬していますし、感謝しています」とコメント

 前田監督は今回の震災に触れ「ボランティアで被災地に行った友人から“被災地も春になっているので、瓦礫のすき間から菜の花やタンポポが咲きはじめています”というメールが届きました。この映画も、瓦礫の中でも咲いていく花のような存在になっていきたいと思いますし、そんな花をみなさんの心の中にも咲かせられるような映画であればいいなと思っております」というメッセージで舞台あいさつをしめくくりました。

 セクシャル・マイノリティという題材を扱いつつ、誰の心にも普遍的にある感情を描いた、切なさの中にあたたかさを持ったヒューマン・ストーリー『それでも花は咲いていく』は5月7日(土)よりテアトル新宿、キネカ大森ほか、全国順次ロードショーされます。

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