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ベテラン歌手、不機嫌なあいさつの理由は?:『旅の贈りもの 明日へ』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった須磨和声さん、山田優さん、前川清さん、酒井和歌子さん、清水くるみさん、前田哲監督(左より)

 ベテラン歌手の前川清さんが映画初主演をつとめた『旅の贈りもの 明日へ』が10月27日に全国公開初日を迎え、新宿武蔵野館で前川さんと共演の酒井和歌子さん、山田優さん、前田哲監督らが舞台あいさつをおこないました。
 『旅の贈りもの 明日へ』は、2006年公開の『旅の贈りもの 0:00発』に続く鉄道の旅シリーズ第2弾。前川さん演じる主人公・仁科孝祐が、42年前に去っていった初恋の相手の“さよならの理由”を知るための旅に出るというストーリー。
 大きな拍手に迎えられながら舞台あいさつに登場した前川さんは、なぜか不機嫌な仏頂面で、司会者からあいさつを求められると「別に」と一言。会場が笑いに包まれるといつもの優しい表情に戻って「本日はありがとうございます。これを1回やりたくてやりたくて、いつもペコペコしてるものですからそういう生き方もいいなあと思って、気持ちがようございました」とあいさつしました。
 そして前川さんは、映画の内容にちなんで中学3年生のときの「夜も寝れなかった」淡い初恋のエピソードを披露。「学校で副委員長をなさっている頭のいい方で、自分が勉学に励んでいないほうですから憧れだった。その人がぼくにとって初恋かなと思います」と語り、初恋の相手には「会わないほうがいいと思います(笑)。そのままの姿でいてくれますから、想っているだけのほうがいいかなと」と思い出の大切さを語りました。

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「映画というのは不思議なもので、ぼくも高倉健さんや小林旭さんの映画を観るとポケットに手を突っ込んで歩きたくなりました。だから今回は、夫婦でいらしている方は手を繋ぎながらお帰りになっていただけたら嬉しいです」と、仁科孝祐役の前川清さん

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孝祐の初恋の相手・秋山美月を演じた酒井和歌子さんは「この映画はほんとに久しぶりでありまして、ある程度歳を食ってきまして(笑)、自分の年齢とあったいろいろな考えさせられる映画でした(笑)。いいなと思ったらぜひ広めてください」とコメント

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結婚を控えた女性・香川結花を演じた山田優さんは、ご自身の結婚と同時期に撮影に臨んでおり「すごく気持ちがリンクする部分があって、自分のことも思い出しながら作品に向きあうことができたので、思い出深い作品になっています」と振り返りました

 本作で演技に初挑戦したバイオリニストの須磨和声(すま・わせい)さんは「右も左もわからないまま現場に入って、言われるまま、監督に怒られて、でも楽しかったですね。親父がお爺ちゃんの代から映画の看板描きだったので、2歳のころから映画館で毎週のように映画を見させてもらって、映画は好きなんですよ。俳優になりたいとは思わなかったんですけど、サウンドトラックに興味を持って、子供のころから音楽の道を選んで生きてきました」と、映画との縁を明かしました。

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秋山美月の高校生時代を演じた清水くるみさんは「この映画を観て、みなさんの心があったかくなってくれればなと思っています」とあいさつ

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「素敵なキャストさんと素敵なスタッフさんに支えられて、無事に撮影を乗り切れました」と、バイオリニスト・久我晃を演じた映画初出演の須磨和声さん

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「映画は作っただけでは完成ではなくて、みなさんに観ていただいて完成すると思っています。初日を迎えられてありがとうございます」と前田哲監督

 『旅の贈りもの 明日へ』は舞台である福井県では先行公開され好評を得ており、前田監督は「この映画は福井の方の熱い協力があったから完成できたと思っています。遅くまでの撮影もずっと付きあってくれたり、炊き出しでおいしいご飯をつくっていただいたり、ほんとに感謝で、それをまた福井で観ていただいているということはありがたいです」と感謝を述べ、「この映画は大切な人を失った喪失感を人はどうやって乗り越えることができるのかと考えながら作って映画です。友人を失った自分の体験も照らしあわせながら作ったつもりです。みなさんも、そういうことをなにか感じていただければと思っています」とメッセージを送りました。

 現在はすでに運行を終えている489系を用いての特急・雷鳥の走行シーンなど、貴重な鉄道車両も登場し鉄道ファンにも見逃せない作品となっている『旅の贈りもの 明日へ』は、10月27日(土)より全国公開中です。

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