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ふたりのヒロインが役作りを語る:『たとえば檸檬』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった片嶋一貴監督、有森也実さん、韓英恵さん、内田春菊さん、室井滋さん(左より)

 韓英恵さんと有森也実さんのダブル主演で、歪んだ親子の関係を描く『たとえば檸檬』が12月15日にシネマート六本木で初日を迎え、韓さんと有森さん、共演の室井滋さんと内田春菊さん、片嶋一貴監督が舞台あいさつをおこないました。
 『たとえば檸檬』は、母親の過干渉に苦しむ専門学校生と、引きこもりの娘を抱えた境界性人格障害の商社秘書というふたりのヒロインを中心に、さまざまな人々が交錯していくストーリー。
 専門学校生のカオリを演じた韓さんは「ハイテンションのまま最後までずっと持続させていかなくてはいけないので、それを維持することが大変でした」と、商社秘書の香織役で境界性人格障害という役柄に挑んだ有森さんは「人格障害について調べていく中で、この役は特別な感じでやってはいけないなと感じたので、なるべくニュートラルな状態の中での不安定さみたいなものを出そうと思いました」と、それぞれの役作りについて振り返りました。

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「震災のときにちょうど撮影をしていまして、(昨年公開の主演作)『アジアの純真』に続き、あたふたしながらもやっと公開できました。ほんとに嬉しく思います」とカオリ役の韓英恵さん

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「興奮と不安が入り混じっていてあまり寝られずに、いまも夢の中のような感じでいます。みなさんの心の中に残る映画だと思いますのでどうぞ楽しんで観てください」と香織役の有森也実さん

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「一言で言うと役者たちの競演、役者たちの意欲と才気で成り立っている映画です。なので、みなさんの演技をしっかりと観ていただけるとありがたいです」とコメントした片嶋一貴監督

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自堕落な生活を送り娘に暴力を振るうカオリの母親を演じた室井滋さんは「怖いお母さん役をやらせていただいておりますが、私はいたって健康で元気ですので(笑)」とあいさつ

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「必ず“自分の場合は?”ということが頭に浮かぶ映画だと思います。どうぞ楽しんでください」と精神科医役の内田春菊さん。この日の着物の帯は映画のタイトルにちなんで檸檬色

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共演者の綾野剛さんについて「前髪の隙間から覗く目がヤギというかバンビみたいでいいんですよね」と語る室井滋さんの言葉に思わず笑い出す韓英恵さん(右)と有森也実さん

 片嶋監督は「(昨年公開の)『アジアの純真』で政治的なスタンスのものを撮って海外の映画祭にも行ったんですけど、海外の紛争とかも人間関係の最小単位の“親子”から始まっているんじゃないかという話をしたことがあって“親子関係”というものをきちんと映画にしたいというところから始まりました」と『たとえば檸檬』製作の動機を明かし、本作の『たとえば檸檬』というタイトルについて「いろいろな意味合いの象徴なんですけど、なにかしら“檸檬”というものを自分なりに考えていただければ嬉しいです」と観客に向けてメッセージを送りました。

 過干渉や依存、人格障害という現代社会の問題を取り上げつつ、緻密に練られた構成で観客を引き込むエンターテイメント作品となっている『たとえば檸檬』は12月15日(土)よりシネマート六本木にてロードショー公開されています。

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