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「“家族のつながり”を観てほしい」『しんしんしん』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった眞田康平監督、石田法嗣さん、我妻三輪子さん、神楽坂恵さん、坪井麻里子さん、中村有さん、奥津裕也さん、佐野和宏さん(左より)

 東京藝術大学大学院映像研究科出身の新鋭・眞田康平監督の初長編作『しんしんしん』が1月12日に渋谷ユーロスペースで初日を迎え、石田法嗣さん、我妻三輪子さん、神楽坂恵さん、佐野和宏さんら出演者と眞田監督が舞台あいさつをおこないました。
 『しんしんしん』は撮影より3年、完成より2年を経ての劇場公開となり、初回上映前に登壇した眞田監督は「けっこう間があいてしまったんですが、公開できたことを嬉しく思います」と初日を迎えた心境を語りました。
 『しんしんしん』は、血のつながりはないが「家族」として暮らすテキ屋の一家が1台の車に乗り込み旅をしていくロードムービー。主人公の高校生・朋之を演じた石田さんは「血がつながってなくても“家族”だということがすごい表現されていると思っているので“家族のつながり”を観てほしいですね」と語り「現場がすごく楽しくて、車の中で(家族で)枕投げをするシーンがあるんですけど、そこが個人的に好きなのでぜひ観てください」と見どころを挙げました。
 少女・ユキ役の我妻さんも枕投げのシーンは印象深いようで「枕投げすごかったですね、壮絶で(笑)。石田くんが一番ひどかった(笑)」と笑顔を見せ「(出演者)ひとりひとりが役の中でイキイキしていて、みんなそれぞれ素敵だなって思えたので、みなさんもそう思ってくれたらいいなと思います」とコメントしました。
 「家族」の父親的存在・芳男を演じた佐野さんは撮影後に病気のため声帯を摘出しており、この日はボードに書いた言葉を奥津裕也さんが代読するかたちであいさつ。「この役に入り込みすぎてガンになりました」と冗談を交えつつの「生きててよかった」というメッセージに客席からは大きな拍手が贈られました。

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「いろいろな方に協力していただいたり、助言をいただいたり、相談に乗っていただいたり、ほんとに感謝します」と眞田康平監督

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朋之役で主演をつとめた石田法嗣さんは「この作品をみなさんが観て、なにかを感じ取ってくれたらぼくは嬉しいです」とあいさつ

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「寒い時期に上映ができてよかったなと思える作品です。帰りに“寒いな”と思って帰ってください(笑)」とユキ役の我妻三輪子さん

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「今回、いつも私がいただくような役とはまた違って、新しい私を引き出してもらえたなって思っています」と明美役の神楽坂恵さん

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「みなさんの家族というものに対する考え方、感じ方に変化が起これば嬉しい作品になっていると思います」と日向役の坪井麻里子さん

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「“絆”を大切にした映画のテーマに沿うような、素敵な現場の雰囲気を少しでも感じていただけたら嬉しいです」と覚役の中村有さん

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「スタッフもキャストも仲良くて、それが反映されてすごく好きな映画です。それが伝わったらいいと思います」と裕也役の奥津裕也さん

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「(映画の中では)声が出ています」と見どころを挙げた芳男役の佐野和宏さん。もうひとつの見どころは「アメ玉を観てください」

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佐野さんは声が出ないため、佐野さんのあいさつはボードに書かれた言葉を奥津さん(左)が代読するというかたちでおこなわれました

 奥津裕也さんは、ポスターにも使われている家族が記念写真を撮るシーンが「脚本に一切セリフがないんですよ。“監督、どういうことですか?”って聞いたら、一言“奥津さんお願いします”って言われて、たぶんぼくはこのシーンものすごく必死にやっているので、そこを観てもらえたら嬉しいです」と、ほぼアドリブに近いかたちで撮影されたという裏話を紹介。
 眞田監督は「けっこう重くて長い旅だと思うんですけど、観終わったときにクタクタになりながらも、なにか心に残るものがあればと思い、この映画を作りました。ほんとに演出は(奥津さんの)言ったとおり“よろしくお願いします”みたいな感じで、ここにいらっしゃる役者さんたちが素晴らしい映画です。みなさんのお芝居を見ていただければ満足です」と舞台あいさつを締めくくりました。

 日本音楽史に名を残す伝説的ロックバンド・はっぴいえんどの同名曲にインスパイアされた“失われていくもの”をたどるような旅の物語『しんしんしん』は、1月12日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトショー上映されています。

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