クラシック音楽を題材とした『リトル・マエストラ』を公開中の有楽町スバル座で、主演の有村架純さんと共演の釈由美子さん、松本利夫さんらキャストと雑賀俊郎監督による舞台あいさつが２月２日におこなわれました。
　石川県志賀町を舞台とした『リトル・マエストラ』は、急逝した老指揮者に替わって港町の小さなアマチュアオーケストラにやってきた“天才少女指揮者”の美咲と、オーケストラ団員たちが繰り広げていくハートフルストーリー。
　美咲役の有村さんは、映画を鑑賞したばかりの観客のみなさんに「映画はどうでしたか？」とあいさつ。寄せられた拍手に笑顔を見せ「何気ないセリフでも、相手の方がいてお芝居をするとものすごく重みのある言葉として自分の中に入ってきて、涙が出たり、怒りに変わったり、相手の方がいるから自分の感情って動かされるんだなということをこの現場で改めて感じることができて、お芝居ってやろうとするものじゃなくて気持ちなんだなって感じました」と、豪華な共演者に囲まれての初主演を振り返りました。
　人気グループ・EXILEのメンバー・MATSUとして音楽の世界で活躍する松本さんは「お芝居のときはやっぱりスイッチは切り替えますけど、表現するという部分では自分自身が好きなところなので、パフォーマンスもお芝居も楽しくやらせていただいております」と、異なったジャンルでの表現について語りました。

　オーケストラが題材となっているため、撮影にあたって楽器の練習を積んだキャストも多く、ティンパニ奏者のタツ爺を演じた前田吟さんは自宅の応接間で並べた椅子をティンパニ替わりに叩いて練習したというエピソードを紹介。「我が家に犬がおりまして、いつもジャレついてきて邪魔をされましたが、犬の邪魔にも勝ちましてなんとか撮影には間に合ったという感じです(笑)」と語りました。
　また、撮影はほぼすべてが石川県でのロケでおこなわれており、石川県出身の篠井英介さんは「（地元での撮影は）幸せでしたね。ただ、私は加賀地方、（舞台となった）志賀町は能登地方なんで、同じ方言でも微妙に違いましてね、地元民ですからちゃんと方言を織り交ぜなければと思うんですけど、ときどき“どこの言葉よ？”みたいになっていました(笑)」と地元出身ならではの苦労もあったことを明かしました。

　雑賀監督は「石川県のみなさんの想い、私たち作り手の想い、出演された方々の想いが全国に届けばほんとに嬉しいと思っています。震災のあと、思いやりや絆がすごく大切だと認識されました。この映画としては、さらに“威風堂々、もっと前向きに生きようよ”というメッセージを込めて作りました。そのメッセージがみなさんに伝わるようにひとりでも多くの方に観ていただきたいと思っています」と想いを語り、有村さんは「この映画の中には小さな一歩がきっとたくさん詰まっていて、そういう小さな一歩を踏み出す勇気というのを感じていただけたらすごく嬉しいなと思っています。きっとその小さな一歩は自分の大きな一歩に変わると思うので、この映画を見て前向きになってください」と舞台あいさつを締めくくりました。

　名曲「威風堂々」をテーマに、あたたかな人の絆や思いやりが描かれる『リトル・マエストラ』は２月１日(金)より有楽町スバル座にて絶賛公開中ほか全国順次公開（配給：アルゴ・ピクチャーズ）。２月11日(祝)にはスバル座にて有村架純さんと上遠野太洸さんが出演してバレンタインイベントが開催されます。