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上田耕一さん72歳で初の主演映画公開に「眠れませんでした」 『友だちと歩こう』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった斉藤陽一郎さん、松尾諭さん、上田耕一さん、山田キヌヲさん、緒方明監督(左より)

 映画出演本数200本以上の名脇役・上田耕一さんの初主演作となる『友だちと歩こう』が3月22日にテアトル新宿で初日を迎え、上田さんと共演の斉藤陽一郎さん、松尾諭さん、山田キヌヲさん、緒方明監督が舞台あいさつをおこないました。
 『友だちと歩こう』は、上田さんの演じる団地住まいの老人・富雄と同じ団地に住む国雄、30代のトガシとモウリという、ふた組の「友だち」の小さな「旅」を描いた、4章からなるオムニバス形式の人間ドラマ。
 72歳にして初めて主演俳優として舞台あいさつに立った上田さんは「ぼくは生涯脇役ということを自負して仕事をしてきまして、はじめはオムニバス映画と聞いて(その中の)1話に出るということで参加したんですが、終わってみたら主役になっていました(笑)。そういうことで、昨日はよく眠れませんでした。どれだけのお客さんが来ていただけるのかとか心配しまして、でも、お集まりいただきましてほんとに嬉しく思います。ありがとうございました」と、あいさつ。脚の悪い老人という役を演じるにあたって、自宅近くで杖を突き脚を引きずって歩く練習をしたことを明かし「どう演じたらいいのか最初は困ったんですけど、そういうことをやっていく中で掴めたということです。そのへんがうまくリアリティをもって演じないと話が成立しないみたいなところがありますから、がんばりました」と振り返りました。
 『友だちと歩こう』は、緒方監督が自らプロデューサーとして資金調達もおこない完成させた自主製作映画で、緒方監督は「長編映画はこれで5本目になります。ということは5回目の舞台あいさつを迎えたんですけども、昨日は寝れませんでした。こんなことは初めて」と、緊張も覗かせ「プロデューサー・製作ということで、頼まれてもいない映画を、みんなを巻き込んで、みんなに乗っかりながら作りました。今日、初日を迎えられて、胸いっぱいです」と、初日を迎えての心境を語りました。

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「緒方監督が、映画を撮りたいと思いながらなかなか思うように撮れない、それじゃ自分で撮ろうと奮起して、自分で製作した自主製作映画が今回の映画でございます。監督の趣旨を理解して賛同して参加したスタッフ、キャスト、みなさんが応援してくださって今日の初日を迎えることができました」と、主人公・富雄役の上田耕一さん

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「超大作のような、ド派手ななにかがあるとか、そういう作品ではないですけど、なにかわからないけど心に残ってしまう、とても素敵な作品に仕上がったんじゃないかと思います」と、トガシ役の斉藤陽一郎さん。「楽しくて、いつまでも撮っていたいと思う作品で、トガシという役になれたことがひじょうに嬉しい作品でした」

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「すごく予算の低い映画で、ただ、ぼくもチョコチョコとドラマだったり映画だったり仕事をしているのですが、こんなに贅沢な現場というのはなかなかなくて“丁寧にものを作っているなあ”という、最近では一番それを感じた現場でした。こういう作品ができあがって、すごく幸せな気分になりました」とモウリ役の松尾諭さん

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「緒方監督とは2作目で“また怒られるのかな?”とドキドキしながら現場に行ったんですけど、とても和やかな雰囲気で緒方監督がニコニコ笑っていて、ほんとにビックリしたんですけど、完成した映画はホワっとさせてくれる映画で“緒方監督はこんな面もあるんだ”と思いながら観てました」と、サツキ役の山田キヌヲさん

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映画が始動したのは2010年。緒方監督は「朝、電車に乗り間違いそうになって“緊張しているな、俺”と思って“落ち着こう、落ち着こう”と思ってiPodを聴いたらビートルズの『ロング・アンド・ワインディング・ロード』が流れて、そういえばこの映画も長かったなと思っております」と、公開を迎えての想いを語りました

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公開初日の客席には、脚本を執筆した青木研次さんや、富雄と国雄とともに街を歩く脚を怪我した女性・イトを演じた野沢寛子さんも来場しており、緒方監督は壇上から青木さん、野沢さんを紹介、感謝の言葉を贈りました

 タイトルのとおり「歩く」ことが作品内で重要な意味を持つ『友だちと歩こう』。トガシ役の斉藤陽一郎さんは「今日、帰り道に、映画のことを思い出しながら、歩いて帰る。その“歩いている”ということを意識して帰っていただけたら、この映画が成功したことだったりもするんじゃないのかなと思っております」と、メッセージを送りました。

 脚本家の青木研次さんが『独立少年合唱団』『いつか読書する日』に続き3作目となる緒方監督とのコンビを組み、世界的に有名なアコーディオン奏者・cobaさんが音楽を担当した『友だちと歩こう』は、舞台あいさつ登壇者のほかベテランの高橋長英さんらが出演。3月22日(土)よりテアトル新宿にて、公開中。ほか、全国順次公開されます。

作品スチール

友だちと歩こう

  • 監督:緒方明
  • 脚本:青木研次
  • 音楽:coba
  • 出演:上田耕一 高橋長英 斉藤陽一郎 松尾諭 山田キヌヲ 水澤紳吾 野沢寛子 林摩耶 ほか

2014年3月22日(土)よりテアトル新宿ほか全国順次公開中

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