話題作への出演が続く若手男優・野村周平さんの初主演映画『クジラのいた夏』が５月３日に初日を迎え、シネマート新宿で野村さんと共演の松島庄汰さん、吉田康弘監督が舞台あいさつをおこないました。
　『クジラのいた夏』は、具体的な目標もないまま故郷の町から東京へ向かう青年・チューヤを主人公にしたちょっとほろ苦い青春ストーリー。東京出発の前日に集まったチューヤとその友人のＪ（ジェイ）、ギズモ、町田、４人の若者が繰り広げる１日が描かれていきます。
　チューヤを演じた野村さんは「今日、公開できて本当に嬉しいです」と立ち見も出た満員の客席にあいさつ。「いつも（作品ごとに）心意気は違うんですけど、やっぱり初主演ということで、この作品への思い入れはすごかったですし、監督ともよくリハーサルとかもしたので、この映画に対する想いは強いですね」と初主演作公開を迎えての心境を語りました。
　吉田監督はそんな野村さんについて「気合が入っているというのはよくわかりましたね。ギラギラしている感じです。やりたいという気持ちがあふれていました。だからすごい頼もしいですよ」と撮影時の印象を語り「撮影以外の時間も、野村くんは休んでいていいのに”バックオーライ”とやって（車の誘導を）手伝いだしたり、映画作りが楽しくてしょうがないという状況でみんなやっていたので、そういう意味ではみんな疲れ知らずでやっていましたね。ぼくはもうクタクタでした(笑)」とコメント。
　Ｊを演じた松島さんは「撮影現場はひじょうに明るかったというか、映画の設定のように（友人役の）４人でワチャワチャしていました」と撮影中の様子を語り、野村さんと共演の浜尾京介さん、松岡卓弥さんが各自の部屋があるにもかかわらず一部屋に一緒に泊まっていたというエピソードを紹介。旅館の部屋に日本人形が置いてあり怖かったため人形のない部屋に集まっていたのがその理由だそうで、松島さんが「ぼくはそれを聞いて衝撃で(笑)。そこへは入っていけなかったんですけど」と話すと、野村さんは「松島さんを避けていたわけではなくて、ほんとに（人形が）怖い人が集まったらしくて(笑)。それが合宿っぽくて楽しかったなあと思います」と、同世代の共演者との撮影を振り返りました。

　舞台あいさつでは、今年２月で芸能活動を休止した浜尾京介さん（ギズモ役）と舞台公演中の松岡卓弥さん（町田役）からのコメント映像も上映されました。
　浜尾さんは「みんな仕事をすごく楽しんでいるという印象があって、お芝居して“カット”ってかかった瞬間にぼくらもスタッフさんもみんな笑っているんですね。そういうのがすごくよくて、この作品に携わることができてよかったなって思うので、ありがとうございます」と撮影の様子を語り「この映画は、女の子が観たら“男ってバカじゃない？”って思うかもしれないけど、ぼくはこの映画を観て“友情ってこうだな”と思うし、女の子も男の子も“過去にこんなことがあったな”って思わせてくれるような作品になっていると思います。笑って帰ってください」とメッセージを。
　松岡さんは「実際にこういう感じの４人組はいると思うんですよ。なので“こういう人たちがいるんだよ”ということを知ってほしいし、こういう友情だったり、夢に向かってもがいている姿だったり、そういう熱い部分を観てほしいです」と見どころを紹介しましたが、映画本編の上映前にもかかわらず「○○シーンがあるんですけど、思いっきり○○で」と繰り返し重要なポイントに触れる部分もあり、野村さんは映像を見ながら「それ言っちゃダメだって」。野村さんはコメント映像が終わってからも「ネタバレ全開でしたね(笑)」と苦笑いを見せました。

　吉田監督が「みんなが“こうやりたい、こうやりたい”という気持ちがどんどん出てきてアイディアを出してくれたりしたので、ひじょうに自然な表情で自分たちの言葉で出している、そういう感じになっていると思います」と語るように、野村さんはじめ４人のキャストが演じるリアルで等身大な若者像が魅力の『クジラのいた夏』は、５月３日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて公開中ほか全国順次公開。シネマート新宿では、５月10日(土)に出演者の小野賢章さんほかが出演のトークイベント、５月11日(日)には出演者の松岡卓弥さん出演のトークイベントが開催されます。