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大森南朋さん主演作公開に「あの人はぼくじゃない」 『捨てがたき人々』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった、五島市イメージキャラクターのつばきねこ、榊英雄監督、大森南朋さん、三輪ひとみさん、美保純さん(左より)

 俳優としても活躍する榊英雄監督が大森南朋さんを主演に迎えて漫画家・ジョージ秋山さんの作品を映画化した『捨てがたき人々』が6月7日に初日を迎え、テアトル新宿で大森さんと共演の三輪ひとみさん、美保純さん、榊監督が舞台あいさつをおこないました。
 ジョージ秋山さんの同名長編を原作にした『捨てがたき人々』は、欲望のままに生きる男・狸穴勇介が主人公。人間の業を感じさせるハードな作品となっており、勇介を演じた大森さんは「朝からこんな重い映画を観ていただいてどうもありがとうございます」とあいさつ。欲望に忠実に女性と関係するという役柄について「誤解してほしくないんですけど、あくまでもお芝居です。(撮影が)40歳になったばっかりのころだったんですけど、まさかこんな絡みのある役がまた来るとは思わなかったですね。困惑はしたんですけど俳優としてはなかなか面白い仕事だなと思って全身全霊でやらせてもらいました」と、演じた役と自分自身と重なる部分がないことを強調し「ぼくが見てもぼくじゃないみたいな気持ちなんですよね。随分前から“あの人はぼくじゃない”と思っていて、割と距離がありますね。“変な俳優出てんなあ”って」と、役との距離感を語りました。
 ヒロイン・岡辺京子役でヌードでの激しいラブシーンも演じた三輪さんは「(知り合いは)作品全体のこととか勇介さんのことに関してはいろいろ言われるんですけど、私のことに関してはなにも言わないですね(笑)。知り合いって、そういうシーン見るとドキッとしちゃうんですかね?(笑)」と笑顔を見せつつコメント。
 また、京子の叔母・あかねを演じた美保純さんは、デビュー間もない時期の1982年にやはりジョージ秋山さんの作品を映画化した『ピンクのカーテン』(上垣保朗監督)に主演しており「デビューして『ピンクのカーテン』から、ここで閉まったなって。女優をやってきてよかったなってほんとに思った映画ですので、大人にこういう映画を觀てほしいと思いました」と、想いを語りました。

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「撮影したのは2年くらい前で、なかなかしぶとく大変な映画だったんですけども、すごい映画になったなとぼく自身も思っております」という主人公・狸穴勇介役の大森南朋さん

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「(京子は)理解しがたい役ではあったんですけど、そのシーンごとに役をひとつずつ区切っていくというやり方でやらせていただきました」という岡部京子役の三輪ひとみさん

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原作ではパンチパーマのあかねを演じ「原作を読んでないまま(撮影に)入ったんですけど、読んでたら私パンチパーマにしてたかもしれない」と話して会場を沸かせた美保純さん

 『捨てがたき人々』の撮影がおこなわれたのは榊監督の出身地である五島列島。お子さんが生まれてから帰郷する機会が増え「改めて素敵な島だなと思って、いつかここで撮りたいというのがあったんでしょうね」と故郷への想いを語った榊監督は「原作は五島ではないんですけど、海辺の町、小さな集落というのがあったので、この世界観だったら五島でやりたいというのが一番強かったですかね」と舞台を五島列島にした理由を説明。
 キャスト・スタッフともに現地に泊まりこんでの撮影を「もう監禁ですよね(笑)」という榊監督の冗談に、大森さんは「いいところなんだけど撮影は過酷」と話しつつも「集中はできるので、それはすごくよかったと思います」と利点を挙げました。
 そして、五島市のイメージキャラクターである“つばきねこ”が応援に登場。“五島市ふるさと大使”である榊監督とともに五島市をPRしました。

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共同プロデューサー・脚本で秋山命(ジョージ秋山さんご子息)さんの「“こういう親父の面白い作品があるんだけど”という熱意から」企画がスタートしたという榊英雄監督

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応援に登場した五島市イメージキャラクターのつばきねこがCMに出演していると聞いた大森さんは「売れてるじゃん」。さらに大森さんは「ギャラいくらですか?」とつばきねこに質問し、榊監督は「それはちょっといろんな意味で言えないことがあると思いますけど(笑)」と苦笑い

 大森さんは「なかなか問題作だと思います。いろいろ思ったことはあると思いますが、いろいろな方に覧ていただきたいので、友達とかに伝えてください。“觀ないほうがいいよ”というのもあると思います(笑)」と、この作品ならではのあいさつを。
 榊監督は「あえて自分の原点とかルーツを巡ってこういう映画を撮れたということは、ぼくにとって最高でしたし、大森さん、三輪さん、美保さん、スタッフ、五島のみなさま、大変な苦しい映画で、お三方はご苦労したと思うんですけど、ぼくの中では大好きな代表作ができたと思います。愛すべき作品ができたと思います。ご覧いただきありがとうございました」と舞台あいさつを締めくくりました。

 激しい表現で人間の本質に迫る『捨てがたき人々』は、6月7日(土)よりテアトル新宿ほか全国順次ロードショーされます。(R18+作品)。

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