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須藤理彩さん「子どもを産んで育てるという覚悟を大事に」 『小川町セレナーデ』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった藤本泉さん、須藤理彩さん、安田顕さん、原桂之介監督(左より)

 小さな町のさびれたスナックを舞台に、ちょっと変わった“家族”の姿を描いた『小川町セレナーデ』が10月4日に初日を迎え、主演の須藤理彩さんと藤本泉さん、安田顕さん、原桂之介監督が角川シネマ新宿で舞台あいさつをおこないました。
 これまで数々の作品で助監督をつとめてきた原監督の長編デビュー作となる『小川町セレナーデ』は、女手ひとつで娘を育てた“スナック小夜子”のママ・真奈美と、その娘の小夜子、真奈美の親友で実は小夜子の父親であるオカマダンサーのエンジェルが、つぶれかけた店を立て直すために力を合わせるストーリー。
 真奈美を演じた須藤さんは涙で目をうるませながら「ようやくみなさまにこの作品を届ける日が来て、すごく嬉しいです。原監督のこれから始まる監督としての(キャリアの)デビュー日でもあるので、そこにたくさんの方と立ち会えることにすごく感動しています」とあいさつし、シングルマザーという役柄に「私自身、いま38歳でふたりの娘がいる母親なんですけど、子どもを産んで育てるという覚悟を経験しているので、そこは真奈美を演じる上で大事にしていかなきゃいけないと思って、ブレないように演じました」とコメント。
 小夜子を演じた藤本泉さんは「(子役が演じた)小さいときはあんなにかわいかったのにこんなになってしまって(笑)」と謙遜を見せながら「小夜子はちょっとおバカで、ちょっと感情的というか突っ走ってしまう女の子で、ちょっとふてくされていて、でもどこか愛される女の子になればいいなと思って演じましたね」と振り返りました。

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撮影中の安田さんについて「普段はほんとに寡黙な武士みたいな方で、(現場に)入るときもシャイなんですけど、エンジェルになった瞬間に“えっ、この人誰だっけ?”って思うくらいエンジェルがそこにいて」と評した真奈美役の須藤理彩さん

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共演者の小林きな子さんとプライベートでも一緒に動物園や水族館に行くようになり「かわいらしいデートをしています(笑)」という小夜子役の藤本泉さん。「ほんとにみなさんともいい関係で現場でもいられましたし、心のこもった現場でした」

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エンジェル役の安田顕さんはスケジュールの都合で1度エンジェルの格好のままナレーションの仕事に行ったことがあり「そしたら目を合わせるでもなく逸らすでもない。世間はこういうふうに見てるんだって、それは(役に)スッと入りましたね」

 エンジェルを演じた安田さんは劇中では豊満な胸で登場しており「物理的に肩が凝りましたね。撮影が冬なんで付けるのがヒヤッとしているんですよ。真冬に朝早く夜が明ける前にまずそれを付けるんですけど“冷てえ!”って、それで“よし、今日もやるか!って」と、意外な裏話を披露。さらに「女性の身だしなみをしたことがなかったので、ネイルとかああいうのって大変なんですね」と話すと、須藤さんから「でもけっこう中盤からウットリと鏡を見る回数増えていましたよね」と指摘が。安田さん自身も「最後の方は気に入っちゃって毎日、自撮りしていましたもん」と告白して客席の笑いを誘いつつ「(エンジェルは)ぼくというより、メイクさんと衣裳さんの作品でしたよね。その方たちが作りあげてくださった。だからもう感謝ですね、映画全体に携わってくださった方々に感謝です」とスタッフに謝意を示しました。

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長年あたためていた企画を実現させ「去年からスタッフのみなさん、俳優部のみなさんと合流して準備して、一生懸命作ったのはお客様にご覧いただくためだったので、ほんとに今日がこの映画の誕生日だなと思って感無量です」と原桂之介監督

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「自分で記録していました」と自撮りを再現する安田顕さんの仕草に思わず笑い出す、須藤理彩さん、藤本泉さん、原桂之介監督

 また、須藤さんたち出演者は現場での監督の様子について「楽しんでいましたよね」と、さまざまにエピソードを紹介。「ほんと楽しかった。和気藹々という楽しさだけじゃなくて、それぞれの役を現場で作り上げていただいているのを見させていただきましたし」と話す原監督を、安田さんは「とにかく監督は夢中になってて、ほんとに大きなお子さんみたいに(映画が)最高のオモチャという感じ」と評しました。
 そして舞台あいさつの最後には、須藤さんは「この映画は、誰と一緒に観たのかで違った見え方がする映画だと思います。ちょっといびつな関係の変わった親子なんですけど、真奈美とエンジェルの交わることのない人生を歩むふたりが娘によってつながっていく、そういうのが少しでもみなさんの中に残ってくれれば、一緒に観た相手の方々と共有していただければ、もっともっと成長できる映画に変わっていくんじゃないかなと思います」とメッセージを送り、原監督は「スタッフ、俳優部のみなさんとがんばってきたんですけど、ここから映画を育てていただけるのはお客さんで、足を運んでいただいてやっと第一歩を踏み出せるということだと思いますので、よろしくお願いします」と締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、小林きな子さん、金山一彦さん、大浦龍宇一さん、いか八朗さんら個性豊かなキャストが出演し“スナック小夜子”に集まる人々の姿をあたたかなタッチで描いていく『小川町セレナーデ』は、10月4日(土)より角川シネマ新宿、川崎チネチッタほかにて全国順次ロードショーされます。

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