女優・岡野真也さんが映画初主演をつとめ、姉妹音楽ユニットのチャラン・ポ・ランタンが音楽を手がけ出演もする『飛べないコトリとメリーゴーランド』が７月４日に新宿シネマカリテで初日を迎え、岡野さんとチャラン・ポ・ランタン、市川悠輔監督らが舞台あいさつをおこないました。
　ＰＦＦアワード２０１３でグランプリを獲得した新鋭・市川監督の初長編となる『飛べないコトリとメリーゴーランド』は、本と大福が好きな女子大生のコトリが主人公。インターン先の出版社で出会った青年・江波に恋をしたコトリが恋と仕事の悩みの中で現実と幻想的な現実逃避の世界を行き来する姿が描かれていきます。
　コトリを演じた岡野さんは、満員の客席に「座席がこんなに埋まっていて本当に嬉しいです。無事に初日を迎えられたことがとても嬉しいです」とあいさつ。初の映画主演を「監督と本当に何度も何度も（撮影前に）役について話し合いました。撮影の前日にも予定はなかったんですけど読み合わせをしたりとか、主演だからこそできることは少しでも多くやろうと思いました」と振り返りました。
　市川監督は、撮影前の話し合いで岡野さんに「とりあえず“そのままでいていただければ”ということは言っていたと思います」と話し、岡野さんは「それって難しいことなんですよ」と、役作りの難しさをうかがわせました。

　チャラン・ポ・ランタンのおふたりは、現実逃避世界のシーンではチャラン・ポ・ランタンのままの姿で、現実世界のシーンではＯＬ役と一人二役で演技に初挑戦しており、岡野さんはチャラン・ポ・ランタンのふたりとの共演を「役者として向かいあったときに毎回、感情の純度がトップで来てくださるので、私はコトリとしてすごくお芝居しやすかったです」とコメント。チャラン・ポ・ランタンのももさんは「カメラの前では自然にやらなきゃならないのに、自然に声を張るというか、わざとらしい演技っぽい仕草をしてるみたいで(笑)」と演技の苦労を語り、小春さんは「ももさんは日常的にウソくさいんで」と指摘して客席の笑いを誘いました。
　また、小春さんは現実逃避世界のシーンは「セリフがシナリオに一欠片も書いてなかった」と告白。市川監督は「自分が考えるよりもおふたりのほうが全然おもしろいので(笑)。お任せです」とそのシーンの意図を明かし、小春さんは「アドリブでスタッフの方も我々がなにを言うか知らない状態でのやりとりだったので、１回、すごいうまくいったのが、スタッフのどなたかが（面白くて）吹き出しちゃって、伝説のワンカットが出せずに終わったんですね。ＮＧ集で出したい」と裏話を披露しました。
　さらに小春さんは映画のために書き下ろした主題歌について「（映画を）作ってる最中に一緒に曲も作れるという感じだったからゼロから作れたんですけど、ほかの映画であるようなとってつけたみたいなエンドロールは避けたかったので、映画の気持ちそのままにエンドロールとして流れるのを意識しましたね」と、少々毒舌も混じえて語りました。。

　岡野さんは、舞台あいさつの締めくくりに「本当に梅雨のこんなジメジメした中ありがとうございます」と改めて感謝を示し「ここで泣いたらいいのかな？(笑)　それくらいすごく気持ちは高まっていて、それくらいありがたい気持ちでいっぱいです」と笑顔で語りました。

　舞台あいさつ登壇者のほか、劇団ナイロン１００℃の猪俣三四郎さんや、お笑いコンビ・アンジャッシュの児嶋一哉さんら多彩なキャストが顔を揃えた『恋するコトリとメリーゴーランド』は、７月４日(土)より新宿シネマカリテにてモーニング＆レイトショーされています。