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くまモンも出演の映画「みなさんの映画として楽しんで」 『アリエル王子と監視人』初日舞台あいさつ

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左より稲葉雄介監督、伊澤恵美子さん、くまモン、榎木智一さん、鈴木智彦プロデューサー

 オール熊本ロケで撮影された日本・タイ国際共同製作映画『アリエル王子と監視人』が7月11日にユーロスペースで初日を迎え、主演の伊澤恵美子さんと稲葉雄介監督、そして映画にも出演している熊本のマスコットキャラクター・くまモンも参加して舞台あいさつがおこなわれました。
 海外の映画祭で高い評価を受けている新鋭・稲葉監督がメガホンをとった『アリエル王子と監視人』は、お忍びの休暇で熊本にやってきたルベール王国の王子・アリエルと、自由に生きている女性・リサとの出会いを、熊本の風景を織り交ぜながら描いた作品。
 俳優・ミュージシャンのチャーノン・リクンスラガーンさんがアリエル役で主演をつとめ、撮影監督のパイラット・クムワンさん率いるクルーが参加するなど、タイ側のキャスト・スタッフも参加して制作されており、稲葉監督は「主演のノンくん(チャーノンさん)とか、撮影監督のポン(パイラットさん)とか、彼らが今日ここに一緒にいられたらどんなだろうと思っているんですよ。でも彼らは彼らで自分の国で忙しく仕事をしていて、一緒に映画を撮った仲間が活躍しているのを見て安心もしています」と、初日を迎えての心境を語りました。
 スペシャルゲストとして登壇したくまモンは、映画に出演しての感想を身振りで表現し、リサを演じた伊澤さんが「全然(緊張はせず)大丈夫だった、楽しかったモーン」と代理で説明。伊澤さんは現場でのくまモンについて「すごくリラックスして現場にも入ってくださったので、エキストラの子供さんともいっぱい遊んでくれていて、すごい楽しかったですね」と振り返り「お疲れ様でした」と労いました。

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すでに映画出演経験もあるくまモンについて「大物の俳優さんですから、私は新人なので本当に緊張しながら撮影させていただきました」と語った稲葉雄介監督

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前日まで熊本に滞在し「熊本は本当に暑くて、そういう中で1年くらい前にみんなでがんばったのを思い出して楽しくなっております」とリサ役の伊澤恵美子さん

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「ひとつの出会いで人生が変わっていったり考え方が変わっていったり、そういうこともひとつのテーマではないかと思っています」とコウヘイ役の榎木智一さん

 『アリエル王子と監視人』は、共同製作国であるタイのほかフランスのカンヌ映画祭やフィリピン・ワールドプレミア映画祭ですでに上映されており、鈴木智彦プロデューサーは「九州という土地はすごくアジアの風を感じることができて、タイやフィリピンで上映されることで、地域と世界が直接つながっているということを証明できる映画になればいいなと思っています」と「熊本から世界」の意義をコメント。
 そして、伊澤さんは「ノンとかポンちゃんとかタイのみなさんとも仲良くさせてもらったり、熊本のみなさんにご協力をいただいたり、映画の外もすごい楽しい現場だったので、そういうのが画面に現れていたらいいなと思います」と、稲葉監督は「この映画は異国からやってきた王子がずっと笑いを浮かべている映画で、その笑いにはぼくが現代を生きていて思っている気分ですとかが込められているんですけど、そんなに説明的ではなく、いい意味でたくさん隙のある映画だと想っているので、みなさんの気持ちをこの映画に乗せていただいて、みなさんの映画として楽しんでいただけたらそれが一番嬉しいです」と、それぞれ作品への想いを述べました。

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「すごく若いチームで映画を作りました。みなさんに育てていただかねばならない映画だと思っていますので、ご感想など聞かせてください」と鈴木智彦プロデューサー

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軽快な動きで元気よくアピールするくまモンと、舞台あいさつでは通訳のようにくまモンの気持ちを代弁した伊澤恵美子さん。伊澤さんの黒のトップスと赤のスカートはくまモンとカラーを合わせたコーディネイトとのこと

 また、7月11日は群馬県太田市オールロケでやはり地域に密着して製作された桐山漣さん主演の『群青色の、とおり道』も同じユーロスペースで公開されており『群青色の、とおり道』の佐々部清監督と群馬県のマスコットキャラクター・ぐんまちゃんも出席しての共同会見も開催されました。
 佐々部監督は「人の想いやそこにいる人の生活をきちんと撮ろうと思って、観光名所をわざと撮らないほうが全国にちゃんと伝わる映画になるかなと思いました。太田の人の力がすごく熱くて、協力してくれた町の人たちの熱がいっぱい感じられたことがこの町の一番の魅力かなと思いました」と、稲葉監督は「(熊本は)フォトジェニックな風景がたくさんあったんですね。それは大切だと思って取り入れさせていただいて、もうひとつ、熊本には文化的感度の高い方がたくさんにいるように感じたのが大切で、そういう方たちと作品を撮ることによって軽やかな映画になるんじゃないか、そういう風を呼び込みたいなと思って撮影させていただきました」と、それぞれの町に密着しての映画作りを振り返りました。

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会見に出席した佐々部清監督とぐんまちゃん、くまモンと稲葉雄介監督(左より)

 ベテラン・篠井英介さんや熊本出身の石田えりさんの共演する『アリエル王子と監視人』は7月11日(土)よりユーロスペースで公開のほか全国順次ロードショー、10年ぶりに故郷に戻ったミュージシャンの青年が家族や地元の友人たちとの中で自分を見つめなおす姿を描いた『群青色の、とおり道』はロングランヒットとなった群馬での先行上映に続き同じく7月11日よりユーロスペースほか全国順次ロードショーされます。

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