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兵士役の大和田健介さん「語り継がなくては」 『サクラ花 ~桜花最期の特攻~』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった松村克弥監督、大和田健介さん、キタキマユさん、三山ひろしさん、城之内正明さん(左より)
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 第二次世界大戦末期に日本軍が開発した有人特攻兵器“桜花”(おうか)を題材とした『サクラ花 ~桜花最期の特攻~』が11月4日にユーロライブで東京上映初日を迎え、松村克弥監督と主演の大和田健介さん、映画初出演となる演歌歌手の三山ひろしさんらが舞台あいさつをおこないました。
 『サクラ花 ~桜花最期の特攻~』は、大戦末期に桜花を搭載して激戦地の沖縄に向け飛び立った爆撃機に乗り組む8人の兵士の姿を通して“戦争の真実”を描いた作品。
 主人公の新米兵士・尾崎を演じた大和田さんは「本日はこの会場にお越しくださいまして誠にありがとうございます」と客席にお辞儀して感謝を示し「こういう事実をこれからも語り継がなくてはいけないという想いが強くあります。この隊員たちが見た恐怖などがこの映画を通して少しでも伝わればいいなと思っております。今日は、いま生きているという喜びを感謝に思いながらこの場所に立ち、みなさまにお会いできていることがとても幸せです」と、映画出演を通じて得た想いを語りました。
 劇中のお祭りのシーンでけん玉芸人を演じた三山さんは「ぼくの祖母のお兄さんがニューブリテン島というところで戦死しておりまして、そんな厳しい時代に生まれ育つことがなくてよかったという祖母の話を聞いて、ほんとに戦争というのは誰しもが喜ぶことができなくて、気がついたら戦争の足音が聞こえているという状況は怖いなと思いました。ですから、平和についてもう一度考えるにはこの映画を観ていただくといいんじゃないかなと思いました」と自身の体験も混じえてコメント。
 松村監督は三山さんのコメントを受けて「三山さんのおっしゃったとおり、この映画は決して70年前の古い他人事ではなくて、現代の日本への警鐘であり、こうした平和を二度と侵してほしくないというぼくのメッセージなんです」と映画に込めた想いを語りました。

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「この映画は準備を今年に入ってから初めて、今日こんなに多くの方々が観に来てくださってほんとにありがたいです」と松村克弥監督。「ぜひこの映画を口コミやSNSなどで広めてください」

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「この作品は入る前に(兵士役の)みんなで一泊二日で軍隊合宿に行ったりとか訓練をしたりとか、とても魂を込めて撮影に挑みました」と、主人公・尾崎五郎役の大和田健介さん

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客席から主演の大和田健介さんに花束が贈られました。写真は花束を受け取る大和田さん

 尾崎とともに爆撃機に搭乗する兵士・富田の妻・多江を演じたキタキマユさんは映画の舞台でありロケ地となった茨城県鹿嶋市出身で「私は自分が生まれ育った故郷に桜花という特攻の飛行機(の基地)があったということを知らずに育ってきて、今回、出演させていただくことになって初めて桜花の存在を知りました。桜花という飛行機に乗り命を散らせていった人がいたということを知っていただくのをきっかけにして、より一層みなさんが平和を願っていただける深い祈りにつながっていく作品になっていったら嬉しいなと思っております」とコメント。
 東京上映前に2日間にわたり水戸でおこなわれた上映会にも参加した兵士・大河内役の城之内正明さんは「(水戸で)戦争を体験した人の話も聞きましたし、桜花を作った人にもお会いましたし、貴重な体験をさせていただきました。この映画を観て、みなさんが家族で話し合うきっかけになったらいいんじゃないかとぼくは思っております」と、水戸での上映会を振り返りました。

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鹿島神宮での撮影を経験し「子供のころからよくおじいちゃんにお祭りに連れていってもらっていた神社で、そこで撮影するのがなにか不思議な感じでした」と多江役のキタキマユさん

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三山ひろしさんはお祭りでけん玉をしつつ歌も披露する芸人役。「役作りも一生懸命やったんですけど、できあがった映画を観ましたら、これはそのまま三山ひろしだなと思いました(笑)」

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「乗務員8人は男子校の部活じゃないかというくらい仲がよくなりまして、苦難もともにしました。それが映画に出ているんじゃないかと思っています」と、兵士・大河内役の城之内正明さん

 舞台あいさつ終盤に大和田さんは「ぼくの祖母もおじいちゃんも戦争を体験してきたふたりで、ほんとに小さいときから戦争の話を聞いてきて、ぼくらの世代が“こういう事実があったんだ”と伝えていかなくてはならないという想いが強く、この映画に魂を込めて参加したつもりです。この映画で伝わればいいなと思っております」と語り、松村監督は「ほんとに、このメンバーの中でも親族を戦争で亡くされた方がいるというのが、70年経ったいまでも深い傷を残しているんだなと改めて思いました。映画を観ていただいたあとに、この映画のメッセージをひとりでも多くの方に伝えていただきたいと思います」と力強く訴えて舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、緒形直人さんや橋本一郎さん、落語家の林家三平さんやタレントの三瓶さん、茨城県出身の磯山さやかさんら幅広い豪華なキャストが出演し、映画の大部分が爆撃機の機内だけで進行していく意欲的な試みの作品となっている『サクラ花 ~桜花最期の特攻~』は、11月4日(水)より6日(金)の3日間ユーロライブにて上映。12月4日(金)より6日(日)の3日間再びユーロライブで上映されるほか、全国各地で上映会がおこなわれます。

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