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映画で市民が「楽しく幸せに」を目指して 「三鷹コミュニティシネマ映画祭・三鷹で撮る!三鷹で観る!」

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座談会中のみたか都市観光協会事務局の垣花満(かきはな・ゆたか)さん、品田裕介監督、冨田しのぶ監督、三鷹コミュニティシネマ映画祭実行委員の神原健太朗さん(左より)

 今回で第6回を迎える「三鷹コミュニティシネマ映画祭」が11月21日より23日まで三鷹産業プラザで開催され、最終日の23日には三鷹フィルムコミッションとのコラボレーション企画として「三鷹で撮る!三鷹で観る!」と題して三鷹でロケをおこなったインディーズ作品2作品の上映と座談会がおこなわれました。
 映画などの撮影を支援・誘致するフィルムコミッション(FC)は現在各地に設立されており、三鷹市でも2013年10月に三鷹FCが発足しています。「三鷹で撮る!三鷹で観る!」は、三鷹FCの協力のもと三鷹で撮影された冨田しのぶ監督『オンリー・ワンディ』と品田裕介監督『案山子』2作品の上映と、両監督と三鷹FCを運営するみたか都市観光協会事務局の垣花満さん、三鷹コミュニティシネマ映画祭実行委員で三鷹FC活性化チームリーダーでもある神原健太朗さん(司会)が参加しての座談会により、地域と映画との関係を考える内容となりました。
 冨田監督は昨年の三鷹コミュニティシネマ映画祭ではボランティアスタッフとして参加しており映画祭との縁が深く、『オンリー・ワンデイ』で三鷹FCの協力を得ることになったの昨年の映画祭がきっかけ。今年の映画祭で上映された三鷹のお店のCM映像も手がけており「こうやってロケに携わることによって新たに知ったお店とか新たに知った場所なんかがけっこうあってすごく新鮮で、ここでコミュニティがまた生まれたことがすごい嬉しいなと思います」と三鷹で撮影しての感想を述べ、「去年、映画祭に参加しなかったらたぶん『オンリー・ワンデイ』を三鷹で撮れなかったと思いました」と振り返りました。
 三鷹FC発足から携わっている垣花さんは、設立からの2年間で順調に利用が増えてきていることを資料を使用して示し、映画やドラマ、テレビのバラエティ番組やミュージックビデオの撮影、アニメ作画の資料用ロケなど実際の使用例を紹介。映像制作者からのロケ場所の要望として「学校とか運動場、警察署に見える建物や病院といったところがすごく多い。あとは一軒家というのも実は多い」と実例を挙げ「生きている(現在、実際に使われている)状態」の場所が望まれていると説明しました。

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垣花満さんは三鷹フィルムコミッションの利用状況などを資料を示しながら説明

 映像監督・俳優として多くの映像作品に携わっている品田監督は「大きな都市はフィルムコミッションがしっかりしているんですよ。現場にもいっぱい人が来てくれるんですけど、人数が多い分、誰になにを言ったらいいのかと担当者と現場の人間の関係で難しいところもあって、三鷹さんはひとりの人と最初から最後までやれるのでその意味ではやりやすい」と、FCの規模が小さいことのメリットもあることを指摘。
 そして三鷹コミュニティシネマ映画祭のスーパーバイザーをつとめる鶴田法男監督も司会の神原さんの求めで急遽登壇し「ロケ地を見にいこうというファンの方たちがいらっしゃったりして、(FCの活動により)活性化している地方はある」「撮影ってなまものなんで予定の時間に終わらないこともあるので、そういうトラブルの可能性とか不安とかをフィルムコミッションさんがうまく間に入っていただくとスムーズに行くというのは感じている」と、複数の角度からFCの意義を挙げ「いずれはぼくもここ(三鷹市)で撮りたい」と希望を語りました。

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三鷹コミュニティシネマ映画祭スーパーバイザーの鶴田法男監督(左端)も急遽座談会に登壇

さらに座談会は来場していた近隣自治体でロケの誘致や映画イベントに携わる方々も交えて、地域に根付いた映画作りについて活発に意見が交換されました。
 垣花さんは三鷹FCの活動について「撮影していただく方、施設を貸していただく方にますます信頼していただけるようにやっていきたいなというのがひとつ。それと、大袈裟に言うと三鷹市に住んでいる方が楽しく幸せになるためにやっているので、一緒に手伝ってくれたり、つながりとかコミュニティができたり、(関わった作品を)観るのを楽しみにしてくれたり、市民のみなさんに楽しんでもらえるような、三鷹がどんどん元気になっていくようなやり方を考えていけたらいいかなと思います」と方針を表明。
 神原さんは、昨年はボランティアで映画祭に参加した冨田監督の作品が今年上映されたことを「面白い流れができている」と表現し「三鷹フィルムコミッションを利用した上で三鷹シネマ倶楽部(映画祭実行委員を中心に結成されたグループ)で映画を作って、そして三鷹コミュニティシネマ映画祭で上映するという流れができれば素晴らしいと思います。三鷹で映画を撮る方が身近にいたり、ご自身が撮るという方は、ぜひ映画祭に問い合わせてください。(来年以降)上映ができればと思っております」と今後の展望を語って座談会を締めくくりました。

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左より、垣花満さん、品田裕介監督、冨田しのぶ監督、神原健太朗さん
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 「三鷹コミュニティシネマ映画祭」は市民有志と第三セクターによって共催されている映画祭。今年は「三鷹で撮る!三鷹で観る!」以外にも「アイドルは時空を超える」と題して新旧のアイドル映画の上映や女優の武田梨奈さん、三鷹に縁のある脚本家・小林弘利さんらをゲストに招いてのシンポジウムを開催。また、かつて存在した名画座・三鷹オスカーの1日限定の復活としてフェデリコ・フェリーニ監督の名作『甘い生活』が上映されました。
 来年以降も開催が予定されているほか、映画祭から派生した「三鷹シネマ倶楽部」によるイベントなども開催されています。

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