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気鋭のアニメ作家が劇場長編アニメをひとりで制作! 応援のクラウドファンディングもスタート

 アニメーション作家・坂本サク監督がたったひとりで制作する劇場用長編アニメ『アラーニェの虫籠』のプロジェクトがこのほど発表され、声優として白本彩奈さんや伊藤陽佑さんらの参加も決定。制作を応援するクラウドファンディングもスタートしています。

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『アラーニェの虫籠』より ©坂本サク / ゼリコフィルム

 坂本サク監督は2000年に多摩美術大学グラフィックデザイン科を卒業後にアニメーション作家として活動。押井守監督作品『イノセンス』(2004年)のデジタル・エフェクトや、NHK「みんなのうた」枠で放送のアニメーションの監督、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズで知られる制作会社・ROBOT製作のアニメ「マッツとヤンマとモブリさん」シリーズ(※同作品公式サイトで全編鑑賞可能)の脚本・監督などをつとめるほか、個人で制作した短編アニメはロッテルダム国際映画祭など国内外の映画祭で紹介されています。
 また、ドラマ「MOZU」(2014年)のイラスト・アニメーションを担当するなど実写作品への参加も多く、画面が白い掌に覆われていく「怪談新耳袋」シリーズのオープニング映像はホラーファンにはおなじみでしょう。

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『アラーニェの虫籠』より。主人公の女子大生・りん ©坂本サク / ゼリコフィルム

 このほど制作が発表された『アラーニェの虫籠』は、坂本監督が原作・脚本・監督・アニメーション・音楽と、一人五役でほぼすべての制作工程を担当する長編アニメで、奇怪な噂の絶えない郊外の集合住宅を舞台に、主人公の女子大生と民俗学研究者、呪術者たちが怪異の謎に迫っていくという、ホラーにファンタジーやバイオレンスなどの要素も加わった作品。
 個人やごく少人数で制作された劇場公開アニメは国内外に存在しますが多くは短編作品で、60分以上の長編ストーリー作品をひとりで制作するという『アラーニェの虫籠』はきわめて異例。パーソナルなこだわりを追求するアートアニメ的な制作手法を採用してエンターテイメント性の高い作品を作るという意欲的な試みです。
 制作発表に合わせてテストムービーも公開されており、約1分という短い時間ながら“超絶絵師”と呼ばれる坂本監督による魅力的なキャラクターと、アニメならではの怖ろしくも幻想的な世界を垣間見ることができます。

【『アラーニェの虫籠』テストムービー 】

 このテストムービーでナレーションを担当しているのは、戦隊シリーズ「特捜戦隊デカレンジャー」デカグリーン役や人気ホラー作品「心霊写真部」シリーズの痙攣部長こと牧村役で知られ『思い出のマーニー』(2014年/米林宏昌監督)でアニメ声優経験も持つ俳優の伊藤陽佑さん。伊藤さんは『アラーニェの虫籠』本編でも民俗学研究者・時世の声をつとめることが決定しています。
 さらに、謎の少女・奈澄葉役にNHK Eテレ「すイエんサー」MCをつとめドラマ「悪夢ちゃん」などで女優としても活躍する白本彩奈さん、呪術師・斉恩役にアニメ「ピンポン THE ANIMATION」ペコ役で声優デビュー作にして主演をつとめた片山福十郎さん、謎の青年・未可耶役に2016年開催「第十回声優アワード 新人発掘オーディション」で史上最多の15社にスカウトされ「カードファイト!! ヴァンガードG NEXT」東海林カズマ役で主役デビューを果たした期待の新人声優・バトリ勝悟さんと、豪華なキャストが参加します。

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謎の少女・奈澄葉(なすは)の声を演じる白本彩奈さんと奈澄葉 ©坂本サク / ゼリコフィルム

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民俗学研究者・時世(ときよ)の声を演じる伊藤陽佑さんと時世 ©坂本サク / ゼリコフィルム

 気鋭の監督の挑戦に充実のキャストが参加するこのプロジェクトを、人気作「心霊写真部」シリーズ(原作・脚本)や『こわい童謡』(監督・脚本/2007年)、『恐怖のお持ち帰り』(原作・脚本・監督/2016年)などの福谷修さんが製作・プロデュース・監修としてバックアップ。またスーパーバイザーとして特殊メイクアップアーティストの参加も予定されています。

 この『アラーニェの虫籠』の制作を応援するクラウドファンディングが、クラウドファンディングサイト・Makuakeで12月14日よりスタートしています。
 クラウドファンディングの特典としては「サイン入り台本&絵コンテ」や「サイン入り原画」などに加え「登場キャラクターがあなたに送るメッセージ動画(声は実際の声優が担当)」、そして「アニメのキャラクターとなって出演できる権利」や「劇中の広告や本の背表紙に自分の名前を掲載できる権利」、「劇中でキャラクターが着ている衣装のプレゼント」といったユニークなものも。
 クラウドファンディングは2017年3月末までおこなわれる予定となっています。

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『アラーニェの虫籠』クラウドファンディング特典の例:劇中の建物の看板などに名前を掲載できる ©坂本サク / ゼリコフィルム

 『アラーニェの虫籠』は、2017年秋の完成を目指し、内外の映画祭での上映と2018年の全国順次ロードショーが予定されています。
 今後、公式サイトやSNSなどで作品の進行状況が伝えられる予定。気鋭のクリエイターの挑戦をそのスタートから見るだけでなく、応援を通じて参加することもできるチャンスにご注目ください。

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