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“台湾の新星”ヤオ・アイニンさん「素敵な恋をしてください」とメッセージ 『恋愛奇譚集』舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなったあいみょんさん、遠藤新菜(えんどう・にいな)さん、福田麻由子さん、ヤオ・アイニンさん、子役の若林瑠海(わかばやし・るか)さん、内田慈(うちだ・ちか)さん、栁俊太郎さん、倉本雷大(くらもと・らいた)監督(左より)
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 台湾出身で世界に活躍の場を広げるヤオ・アイニンさんが日本映画初主演をつとめた『恋愛奇譚集』を公開中の新宿シネマカリテで、2月5日にヤオ・アイニンさんと共演の内田慈さん、福田麻由子さん、倉本雷大監督らが公開記念舞台あいさつをおこないました。

 福島県天栄村が舞台の『恋愛奇譚集』は、日本に慣れず孤独な日々を送る交換留学生のユーウェンが主人公。ユーウェンにしか見えない少女・ユリや、ユーウェンの同級生、わけありで東京から戻ってきた女性・彩子たち、村で暮らすさまざま人の想いが交錯していく不思議な恋愛群像劇となっています。

 ユーウェンを演じたヤオ・アイニンさんは「本日はお越しいただきありがとうございます。日本語はまだまだなんですが、がんばって喋ってみます。どうぞよろしくお願いします」と日本語であいさつし、初となる日本での映画主演を「最初はすごく緊張しました。監督さんとは(この映画以前は)1回も会ったことがなかったし、日本語もまだまだなので、大丈夫かなと心配していまして。けど、現場でみなさんは優しくて、ゆっくり話してくれるから楽しかったです」と振り返りました。

 複雑な事情を持った彩子を演じた内田慈さんは「監督に初めて会ったときに、あんまり“背負ってます”みたいな感じじゃないんじゃないかこの人(彩子)はという話をして、普段はヘラヘラして本心を簡単には見せないんだけど、それでも耐え切れずにはみ出ちゃうところを1ヶ所とか2ヶ所とか選んで演じるようにしようと監督と話しました」と、役作りについてコメント。
 不思議な少女・ユリ役の福田麻由子さんは、役の設定のために「つらい気持ちになってしまうこともあった」そうですが「監督が若い子たちにはキラキラしていてほしいとおっしゃっていたので、ユリの一番キラキラした部分だったり、ユーウェンといるときの心があたたかくなる瞬間を切り取って映画に残せたらいいなと思って演じました」と、ユリを演じての感想を述べました。

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ユーウェン役のヤオ・アイニンさん

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彩子を演じた内田慈さん

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ユリを演じた福田麻由子さん

 同級生の香織と交際しつつ、ユーウェンにも想いを寄せられる男子生徒・光孝を演じた栁俊太郎さんは「(光孝は)“この関係はいつか終わるんだろうな”という、旅しに行く覚悟が自分でできているから、人間関係も旅している感じで思っていました」と、ふたりの女性の間にいる役を演じての心境を披露。
 光孝の彼女・香織を演じた遠藤新菜さんは「見ての通り憎たらしい女子高生で“いるわこういう女、嫌だわ”と思っていただきたかったんですけど、憎たらしいんだけど愛嬌があるというか、なんか嫌いになれない女の子を目指してやっていたところがありました」と、演じる上での想いを明かしました。
 また、舞台あいさつには村で彩子が出会う少年・恵介役の若林瑠海さんも急遽参加し、撮影の合間には共演シーンの多かった内田慈さんと子どもに人気の「ベイブレードバースト」の話をしたり監督と“男気じゃんけん”をして「飲み物をおごってもらって、すごく楽しかったです」というエピソードを紹介して場内を沸かせました。

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光孝役の栁俊太郎さん

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香織役の遠藤新菜さん

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恵介役の若林瑠海さん

 映画の主題歌「漂白」を書き下ろし歌っているシンガーソングライター・あいみょんさんは「監督と初めて会ったときに映画のイメージを聞いて、思いのほか自分の中で物語が作り上げられたのでスラスラ詞が書けたんです」と話し、タイトル「漂白」について「主人公が(映画のあとで)心が汚れたときも、天栄村での出会いだったりを思い出して心を洗い流せるんじゃないかと思って『漂白』というタイトルにしました」と、そこに込めた想いを説明。

 メガホンをとった倉本雷大監督は「シナリオができた段階で、(それぞれの役を)どなたにやってもらいたいかと思って、ぼくがほかの作品を観て一緒にやってみたいなと思っていた人たちに声をかけたということです。映画を観ていただいたら、合っているというのはわかってもらえていると思います」と自信を覗かせ「撮影中は日々こなすことで精一杯だったので、試写とかでみんなで集まったタイミングでようやくひとつの作品ができたんだなという共有ができたかなと思っていました。今日もこうしてみなさんに観てもらえて同じメンバーで集まれたことを嬉しく思っています」と、映画公開を迎えての心境を語りました。

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主題歌「漂白」を担当したあいみょんさん

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メガホンをとった倉本雷大監督

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撮影中のピピさんの様子を語る遠藤さんと、福田さん、ピピさん

 “ピピ”の愛称でも知られるヤオ・アイニンさんは、撮影現場ではセリフだけでなく周囲とのコミュニケーションも通訳を使わず日本語でおこなっていたそうで、遠藤さんは「ピピちゃんががんばって違う言葉でお芝居をされているのを見て、見習わなきゃなとまず思いました。すごい葛藤しながらセリフを覚えたりコミュニケーションを取っているのを見て、私も最近中国でお仕事をする機会があるんですけど、こうやって飛び込んで愛される人であれたらいいなと影響を受けました」と、福田さんは「ピピちゃんが日本語で話してくれたおかげでコミュニケーションが取れて現場を進めることができて、ほんとに尊敬したので、新菜ちゃんもおっしゃっていましたが、私も将来ピピちゃんのように違う国で言葉を覚えて挑戦するような機会ができたらいいなと思っています」と、共演者の視点からヤオ・アイニンさんの現場での姿勢を紹介。
 そしてヤオ・アイニンさんは「『恋愛奇譚集』を観に来てくれてほんとにありがとうございます。周りの人を大切にしてください。そして素敵な恋をしてください」というメッセージで舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、和田聰宏さん、前野朋哉さん、山本浩司さん、水橋研二さんら実力派俳優陣が出演、多くの恋愛映画を手がけてきた狗飼恭子さんの脚本を『思春期ごっこ』で高い評価を得た倉本監督が映像化、音楽に幅広いスタイルで活動する蓮沼執太さんを迎えた『恋愛奇譚集』は、2月4日(土)より、新宿シネマカリテ、フォーラム福島ほか、全国順次公開されます。

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