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水澤紳吾さん旧友でもある守屋文雄監督に「ありがとね」 『まんが島』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった監督とキャスト。前列左より、守屋文雄監督、森下くるみさん、水澤紳吾さん、政岡泰志さん、松浦祐也さん。後列左より、河原健二さん、長平さん、川瀬陽太さん、邦城龍明(ほうじょう・たつあき)さん、宇野祥平さん。登壇者の多くは劇場で販売されている『まんが島』Tシャツを着用
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 マンガ家以外立入禁止の無人島を舞台に中年マンガ家たちのサバイバルを描く『まんが島』(まんがじま)が3月25日に新宿K's cinemaで初日を迎え、主演の水澤紳吾さんら出演者と守屋文雄監督が舞台あいさつをおこないました。

 『まんが島』は、脚本家として活躍し俳優としての出演作も多い守屋文雄監督の初長編監督作。絶海の孤島でマンガ執筆に励む5人のマンガ家たちが、外界との連絡が完全に絶たれるという極限状況下でひたすらマンガを描きながら生き延びていく姿が型破りな表現で描かれていきます。

 撮影がおこなわれたのは2013年で、守屋監督は「撮影したのがもう4年前でして、ほとんど4年ぶりに(舞台あいさつのメンバーと)顔を合わせてます。俺はひとりひとりとはお会いしているんですけど、こうして揃っているのがほんとに4年ぶりで嬉しく思っているところです」と撮影から4年を経て公開を迎えた心境をコメント。
 主人公のマンガ家・永沢を演じた水澤紳吾さんと、永沢とコンビを組むマンガ家・守吉役で出演もしている守屋監督は小学校からの幼なじみで「子どものときにマンガを一緒に書いていたのを思い出しまして、なんか映画を作ろうと思ったときに彼との想い出をひとつ足がかりにして作らせていただきました。映画の中に出てきた小屋を建ててくれたのも小学校の同級生の谷脇という男で、この3人の輪がなかったら映画はできなかったし、今日の日を迎えることもなかったのかなと思うと、いろいろと想いがこみ上げるものがあるんですけど、な、水澤」という守屋監督の呼びかけに水澤さんが「いや、ほんとに、守屋ありがとね」と答えると、場内からは拍手が沸き起こりました。

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主人公のマンガ家・永沢伸太郎役の水澤紳吾さん

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島で暮らすマンガ家・徳田かおる役の政岡泰志さん

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島で暮らすマンガ家・小林裸足役の松浦祐也さん

 主演の水澤さんはじめ、出演者には近年の日本映画で個性を発揮する名バイプレイヤーが揃っており、マンガ雑誌編集者・冬田を演じた川瀬陽太さんは「この『エクスペンダブルズ』に参加できて(笑)、ほんとに日本映画の中堅からちょっと下くらいの人たちで固まって作ったウンコのような映画です(笑)。ほんとにありがとう。もう君たちとの友情は一生だからさ」と共演者との絆をうかがわせましたが、水澤さんが「今日、家に遊びに行っていいですか?」と発言すると「嫌です」と即答。川瀬さんはさらに「年末に水澤くんとか松浦(祐也)くんが(家に)来て、気がついたら初めて家に上がったのに上半身裸になっていて、ほんとに原始人のような人たちです。映画関係者の人がいたら、絶対に使わないでください。品位が落ちます」と続けて客席の笑いを誘いました。

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島で暮らすマンガ家・藤井寺ポン役の宇野祥平さん

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ヒットを出したマンガ家・毛塚虫尾役の邦城龍明さん

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島を訪れるマンガ誌編集者・冬田勇太役の川瀬陽太さん

 無人島でのサバイバルという内容のためロケを中心におこなわれた撮影は過酷な部分も多く、短期間しか参加していない出演者は「みなさんは1ヶ月くらいどこかで寝泊まりしていて、すでにホームレス状態で、顔も体も頭もどこかおかしいっていうようなハイテンションの人ばっかり(笑)」(毛塚役・邦城龍明さん)、「スクリーンのまんまの人たちがそのまんまいるんですよね、どうなっているんだこの撮影はって(笑)」(長平役・長平さん)と思うほどだったそうですが、一方で島でサバイバルするマンガ家役のキャストからは「(現場が)衝撃で、4年間ずっと“こんな映画に出て”って宣伝してて、なんで俺は完成品を観てもないのに宣伝してるんだろうって思って、刺されたりすると人に言いたくなるじゃないですか、そんな感じだったんだろうなって(笑)」(徳田役・政岡泰志さん)、「俳優部もそうなんですけど、スタッフの方々がすごくがんばってくれて、一丸となってできた映画だと思います」(小林役・松浦祐也さん)、「ダニに噛まれたりして、そんな撮影でも“守屋さんのために”って口にするのもアレなんですけど“守屋文雄が監督するなら”ということでキャスト・スタッフが集まったので、あれ、ちょっといい話しちゃった(笑)」(藤井寺役・宇野祥平さん)と、過酷ゆえの思い入れの深さを感じさせる発言も飛び出し、ほかの出演者からも「個人的には守屋監督の作品に参加させていただいてすごく嬉しくてですね、監督はじめスタッフ・キャストのみんなのマグマのような情熱がひとりでも多くの方に届けばいいなと思っています」(サトー役・河原健二さん)、「私は拘束時間は何時間かしかなくて、(ほかの出演者の)過酷な状況とかも知らなかったし、素敵な撮影でした(笑)。でもね、4年待ちましたよ。ほんとにね、私もあのときなんでオファー受けたんだろうなっていうのはずっと謎で、でも公開できて、私が一番待っていたような気がしたので、今日の日というのは特別だなと思っています」(はるか役・森下くるみさん)と、あたたかなコメントが。
 「あとで労働基準局に行こうと。守屋を相手どって闘っていこうという話をしていたところでした」と現場の苛酷さを伝えるジョークを飛ばした川瀬さんも「守屋自体も、(ほかの監督の作品で)ホンを書くときに自分のやりたいことは考えていて“映画撮ります、映画撮ります”ってずっと言っていて、それがかたちになったのがほんとにすごいことだと思います。よかったね」と監督に労いの言葉を贈り、主演の水澤さんは「撮影開始当日からこの仲間と一緒にいて、撮影をして、いままた完成して舞台あいさつして、なにか“『まんが島』恋しいなあ”という感じもしています。劇中にも“このメンツで集まれる人生は一度きり”みたいなセリフがあったと思うんですけど、感慨深く思っています。ほんとにスタッフさん含めて、素晴らしいメンツだったと思います」と撮影を振り返り「守屋、ありがとね」と改めて守屋監督に感謝を示しました。

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島と陸地を結ぶ船の船長・長平役の長平さん

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マンガ家・守吉の彼女・はるか役の森下くるみさん

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マンガ雑誌編集者のサトー役・河原健二さん

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永沢とコンビを組む守吉文彦役で出演もしている守屋文雄監督

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劇場ロビーには劇中で使用された立て看板(左)や島のミニチュアが展示

 守屋監督は、海外の映画祭への出品が決まったことを報告し「世界で初めて観たみなさんから始まっていく『まんが島』ですので、周りのみなさんに好きなこと、感想を言葉にしていただければ」と呼びかけました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、柳英里紗さん、笠木泉さんらが出演する『まんが島』は、3月25日(土)より新宿K's cinemaにて上映。公開期間中にはゲストを迎えてのトークショーや、守屋監督の短編作品の同時上映などもおこなわれます。

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