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13歳の原菜乃華さん主演作は25歳の酒井麻衣監督がメガホン 『はらはらなのか。』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった酒井麻衣監督、ももさん(チャラン・ポ・ランタン)、松井玲奈さん、原菜乃華(はら・なのか)さん、吉田凜音さん、粟島瑞丸(あわしま・ずいまろ)さん、川瀬陽太さん(左より)。原さん、松井さん、吉田さんは劇中のイメージそのままの衣裳で登壇
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 現在13歳の女優・原菜乃華さんが本人役で映画初主演をつとめる『はらはらなのか。』が4月1日に初日を迎え、新宿武蔵野館で原さんと酒井麻衣監督、共演の松井玲奈さん、吉田凜音さん、粟島瑞丸さんらが舞台あいさつをおこないました。

 前作『いいにおいのする映画』が好評を得た25歳の新鋭・酒井麻衣監督の商業デビュー作となる『はらはらなのか。』は、原菜乃華さん演じる子役女優“原ナノカ”が主人公。劇団のオーディションを受けたナノカが、ちょっと不思議な人々との出会いを通して悩みながら成長してく姿を描いたファンタジーとなっています。

 酒井監督は「(今日から)お客さんに映画を観てもらえると思ったら、昨日ちょっと眠れなくて、ほんとにこの場に立てて嬉しく思います。ぜひ、この不思議な世界にひたってほしいなと思っています」とあいさつ。
 撮影時は12歳だった原さんは、完成した映画を観ても「毎回、不思議な感じで、あんまり慣れないですね、まだ全然ドキドキですね」とのことですが、初の映画主演がどんな経験となったかと質問されると「初主演で中学1年生で本人役で素敵な映画に出演させていただいて、本当に幸せだし、この先10年後とかにみなさんに“『はらはらなのか。』観てよかったな”っていうふうに思っていただけるような女優さんになります」と、しっかりと将来への抱負を語りました。

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主人公の悩める子役女優・原ナノカを演じた原菜乃華さん

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ナノカの家の近くの喫茶店の若き店主・リナ役の松井玲奈さん

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中学校のスター的存在である生徒会長・凜役の吉田凜音さん

 喫茶店の若き店主・リナを演じた松井玲奈さんは「久しぶりの映画出演で、そんなに(映画出演の)回数を重ねたこともなかったので“映画の現場ってどんな雰囲気だったかな”と思いながら現場に入っていたんですけど、隣にこんなかわいい子(=原さん)がいたり、監督が同い年ということで同い年で活躍している人がいるということがすごく刺激的でしたし、お話もすごく心が温まるというか、原ナノカちゃんの成長を見守れる作品になっていてとても素敵だと思ったので、出演できて嬉しいなと思っています」とSKE48卒業後初となった映画出演を振り返り、ナノカが通う中学校の生徒会長で歌手を目指す凜を演じた吉田凜音さんは「お稽古のときとかにも、監督と一緒に“私はどういう言葉で話すんだろう”とか“先輩だったら後輩にどうやって話しかけるんだろう”とか考えて凜の役をやらせていただいたので、ほんとに私らしい役で楽しかったですね、演じていて」と、役についてコメント。

 主題歌と劇中音楽を担当し出演もしている姉妹音楽ユニット、チャラン・ポ・ランタンのメンバー・ももさんは「私たちは普段ステージの上で音楽をやっているんですけど、演技もさせてもらって、ガッツリ(作品と)絡めてすごい濃厚な想い出ですね。ありがたいです」。主題歌「憧れになりたくて」は、原さんが歌う歌詞の違うバージョンも劇中のミュージカルシーンで使われており、ももさんは「劇中でナノカちゃんが歌っている曲を先に曲として書いて、その替え歌みたいな感じで主題歌を作ったんですけど、この映画を通して小春ちゃん(=チャラン・ポ・ランタンのメンバーで、ももさんの姉)が言いたかったテーマというか、そういう曲ですね。2曲できたみたいな気持ちで嬉しいです」と主題歌への想いを語りました。

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音楽・主題歌・出演のチャラン・ポ・ランタンのももさん

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劇団Z-Lionを主宰する粟島瑞丸を演じた粟島瑞丸さん

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ナノカの父親・原直人を演じた川瀬陽太さん

 『はらはらなのか』は、原さんが11歳のときに主演した劇団Z-Lionの舞台「まっ透明なAsoべんきょ~」が原案となっており、舞台の作・演出を担当し本人役で映画にも出演している粟島瑞丸さんは、自らの作品が映画へと発展した心境を「かたちを変えてなにか違うものになって成長していくみたいなところは、自分が関わることがあまりないので、今回はほんとに貴重な経験をさせていただいたと思っております」と語り、原さんについて「大人になったなというのが一番ですよね。ほんとに(舞台に出演したときは)小学生だったので、この映画と一緒で“成長したな”と思いながら、さらにこの映画の中で成長して、ここからさらに成長していくのを見られたらいいなとは思っております」と今後の活躍に期待を寄せました。

 ナノカの父親・原直人を演じた川瀬陽太さんは原さんとの共演シーンが多く「若くて、輝いてて ほんとにハラワタが煮えくり返る感じ。若さが憎い、妬ましいって思ってね、そう思いながらやっていました」と客席の笑いを誘いつつ「ただ楽しいとか女の子の夢を実現するっていうようなだけの映画じゃないってところも観どころじゃないですかね。夢には挫折もつきものだったりするので、そういう意味でも誠実に酒井は作ったんじゃないかと思います」と、酒井監督の映画作りの姿勢を評しました。

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監督・脚本を手がけ商業デビューを果たした酒井麻衣監督

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笑顔を見せる松井玲奈さん、原菜乃華さん、吉田凜音さん(左より)の3人 ※クリックで拡大します

 酒井監督は、舞台あいさつの締めくくりに「この映画は、ナノカちゃんの成長物語でもあるんですけど、そのときにぶち当たった壁だったりに真正面からぶつかっている映画です。どんな壁かというと、嘘と言う言葉がけっこう映画の中でも出てきていて、大人になるにつれての現実の中にある嘘というか“大人になるってどういうことなんだろう?”ということに真正面からぶつかっています。でも、それは明るく受け止めて、そのあたりを噛みしめてほしいなと思います。そして、今日は大人の方が多くてお子様がいらっしゃる方もいると思うんですけど、親御さん目線で観てくださってもいいし、子どもの心に一度戻ってもらって、心の中にしまってある、あのころ夢見ていた気持ち、“なになにレンジャーごっこ”をしていたころとかに戻ってもらって、ぜひ肩の力を抜いて楽しんでもらいたいです」とメッセージを。
 そのメッセージを受け、川瀬さんは「私、SKEのオーディション受ける! いまちょっと勇気もらった。がんばる!」と突然の宣言。松井さんが「ほんとですか? 年齢的にもうダメかもしれない」と返すと、川瀬さんは「わかっとるわ!」。さらに松井さんに対してももさんから「年齢的ってことなんですかね(=もっと大きな問題があるのでは)?(笑)」と会場の総意を代弁するようなツッコミも入り、会場は笑いに包まれました。

 ミュージカルシーンもふんだんに盛り込まれた作品となっている『はらはらなのか。』は、舞台あいさつ登壇者のほか、松本まりかさん、バンド・Vampilliaのメンバーで酒井監督の前作『いいにおいのする映画』に続いての出演となるmicci the mistake(ミッチー・ザ・ミステイク)さん、歌手としても活動する上野優華さんらが共演。4月1日(土)より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開されます。

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