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淵上泰史さん田中俊介さんW主演で監督は「ギクシャク」を楽しんだ 『ダブルミンツ』完成披露試写会

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舞台あいさつをおこなった川籠石駿平(かわごいし・しゅんぺい)さん、須賀健太さん、淵上泰史さん、田中俊介さん、小木茂光さん、内田英治監督(左より)。キャストは映画で実際に使用された衣裳で登壇
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 淵上泰史さんと田中俊介さんのダブル主演で、ふたりの男性がたどる危うく切ない運命を描いた『ダブルミンツ』(6月3日公開)の完成披露試写会が5月11日にユナイテッド・シネマ豊洲で開催され、淵上さんと田中さんら出演者と内田英治監督が舞台あいさつをおこないました。

 『ダブルミンツ』は、昨年アニメ映画化され話題となった『同級生』などで知られる中村明日美子(なかむら・あすみこ)さんの同名コミックの映画化。壱河光夫と市川光央、高校時代に出会った同じ「イチカワミツオ」という名前のふたりが、光央の「女を殺した」という電話をきっかけに再会し、後戻りできない世界に踏み込んでいく姿が描かれていきます。

 主人公ふたりが同じ読み方の名前のため、舞台あいさつは役の性格をもとに壱河光夫を「白みつお(白みつ)」、市川光央を「黒ミツオ(黒ミツ)」と呼び分けて進められました。

 再会をきっかけに新たな世界に足を踏み入れるIT企業社員の壱河光央=白みつおを演じた淵上泰史さんは、出演が決まった際にマネージャーから黒ミツオ役と聞いていたそうで「ホン(台本)を読んで、監督と初めてお会いして、衣裳合わせに行くにつれて、話がずれてるんですよね。“あれ? これ白みつおのほうじゃないの?”っていうところから始まりまして、そのあとマネージャーには雷を落としたんですけど(笑)」と告白。「監督にお会いする前、田中くんとあいさつしたときにもう違和感があったんですよ。顔が原作(の黒ミツオ)と似てるじゃないですか。その時点でおかしいなと思ったんですけど、そういう勘違いから始まりまして、まあけっこうハードな現場で、ほんとに大変でしたけども」と撮影を振り返り「ようやく完成してお客様の前で披露できるということで、不安でしかないんですけど、ぼく含め監督もキャストのみなさんも一生懸命やりましたので、どこか観ていただいた方の胸を打つ瞬間があればいいなと思っています」と初披露を前にした心境を語りました。

 粗暴な面を持ち裏社会に染まる市川光央=黒ミツオ役の田中俊介さんは「ぼくは一足先に黒ミツを演じるというのをイン(※撮影開始)の1年くらい前からお話をいただいていて、初めて1年間という長期間をかけて光央に向き合えたこと、それがすごい幸せなことだったなと。はたから見たらつらいって言われるようなこともやっていましたけど、ぼくにとってはすごい幸せで、それくらい向きあえて愛すことができた役に巡り会えたことを、いま幸せに感じています」と、役への思い入れの強さを感じさせました。

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壱河光夫を演じた淵上泰史さんは「ファンの方の多い作品なので、このあと観ていただくということで緊張していますが、ぜひ楽しんでいってください」とあいさつ

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「ほんとにみんなが愛情を持って作った作品ですので、必ずみなさんになにか届くと思っております。楽しんでいってください」と、市川光央を演じた田中俊介さん

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「2年半前くらいですかね、この作品をやろうと思って。2年半かけてようやく完成しました。その初めてのお客様なので楽しんでください」と、内田英治監督

 アンモラルな行為をおこなう高校時代の黒ミツオを演じた須賀健太さん、黒ミツオに服従させられる高校時代の白みつおを演じた川籠石駿平さんも、それぞれ最初は自分が逆の役だと思っていたそうで、田中さん以外は全員が逆の役だと思っていたという事態に田中さんは「おい、ホントかよ、そこまで(3人とも)続くとホントかよって(笑)」と苦笑い。
 須賀さんは「やっぱり役者をやらせていただいていると、ぼく自身の持っているイメージというものがどうしてもあると思うんですけど、それを拭えるキャラクターというのはすごく役者としては楽しいし挑戦ではあるので、今回そういう役をいただけたのがなにより嬉しくて、自分の中では新しい挑戦をさせていただいたのが、監督含めみなさんに感謝だなと思っています」と従来のイメージと異なる役を演じての感想を述べ、川籠石さんは「台本を読んだとき、ほんとに“ああ、やりたいな”と思える作品だったので、原作も読ませていただいて、すごく目が印象的だったので、目をすごく意識してやりましたし、淵上さんがすごく色気のある目をされているので、それはぼくの中では意識してやりました」と、白みつお役を演じる上でのポイントを挙げました。

 原作コミックに魅せられ自ら希望して映画化を実現させた内田英治監督は「3年くらい前にほんとにたまたま本屋で手にとって、当然キラキラした映画も世の中にいっぱいあるんですけど、ぼくは好み的にキラキラしたものがあまり好きではないので、そんなぼくに(原作が)ピタッと来たというか、読まれた方はわかると思うのですが、異様な世界観、中村先生が作っていらっしゃる特別な共依存な世界をやってみたいなと思って、自分で出版社に連絡して、BL(ボーイズラブ)というジャンルものではあるんですけど、そういう感じで始まりました」と映画化に至る経緯を明かしました。

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川籠石駿平さん、須賀健太さん、淵上泰史さん(左より)が3人とも逆の役だと思っていたという話に田中俊介さんは笑いながら「ホントかよ」
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 役作りについて、淵上さんは「引き算と言うんですかね、けっこう田中くんが芝居がメーター振り切るほうだったので、(自分は)あまり余計なことをしないように意識していましたので、毎回1日の撮影が終わるたびになんか足りない感じがしたんですよね。芝居をしたんですけど“これで大丈夫なのかな?”という感じで撮影が進んでいったんです。監督からもそういう感じの演出を受けていたので」と、田中さんは「ずっと監督に言われていたのが、いままでぼくが経験してきたことを引っ張りだす作業をまずしろと。引っ張りだしたものと、市川光央が感じているもの考えていることにすり寄せていくことを意識しろと言われていたので、現場ではお芝居をするという気持ちより、引っ張り出してきたものをどれだけ寄せることができるか、それを撮ってもらえるか、それを意識していましたね」と、役柄が違うように役作りもそれぞれの違ったアプローチをしていた様子。

 黒ミツオが所属する組織の組長・佐伯を演じた小木茂光さんは、そんなふたりを「田中くんはぼくの中では“キュートな小悪魔”な感じなんですよ。それで淵上くんは“ミステリアスな堕天使”。そのふたりが絡みあう、これってすげえ世界だなというのがあって、それを俺がヤマタノオロチ的感覚で眺めている、あとで思うとそんな感じでこの作品を捉えていたんだって気がして」と独特の表現で評し「ぼくとしては新鮮な感じがおふたりともあったので、すごく楽しかったです。今後ともぜひご一緒できたらと思っております」と、先輩からのエールとなる言葉を贈りました。

 そして内田監督は「田中くんは1年くらい掛けて役作りしたんですけど、クランクインの直前に会ったら10キロだか(※実際は14キロとのこと)、すごいガリガリに痩せてきて、痩せ過ぎだろうと思って“3キロ戻してくれ”って言って、彼は3キロ戻して現場に入って、それで淵上くんが合流してきたんですけど、そのときふたりは対照的な、淵上くんはけっこうクールな感じの役者さんで、田中くんは普段はけっこうおとなしいんで、そのギクシャクした感じを延々ぼくは楽しんでいたんですけど(笑)」と、現場でのふたりの印象を語り、淵上さんになかなか話しかけられない田中さんが現場で「監督、話しかけてもいいんでしょうか?」と聞いてきたというエピソードを紹介し「だんだん仲良くなっていく過程というのがすごく楽しかった」と現場を振り返りました。

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「観ていただいた方の反応がぼくも楽しみな映画なので、みなさんの反応に期待しながら、楽しんでいただきたいなと思います」と、高校時代の光央役・須賀健太さん

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「ほんとに、すごく深い愛情がテーマの作品となっていますので、初めてみなさんにお見せできるのがすごい楽しみです」と、高校時代の光夫役・川籠石駿平さん

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「黒ミツ」「白みつ」と役を説明する田中さんたちの自己紹介を受けて「あんみつ役をやりたかったんですけど」とジョークを飛ばした組長・佐伯役の小木茂光さん

 舞台あいさつの最後には、登壇者ひとりひとりよりメッセージが。キャスト陣は、最初にマイクを持った渕上さんが口にしたフレーズをほかのキャストも使うという茶目っ気で客席の笑いを誘いました。

 「ほんとに監督含め、スタッフ、キャストで一生懸命この日のためにがんばってきました。ぼくも『ダブルミンツ』の撮影のまっただ中に大切な人を亡くしたりもしました。そういう中、耐えながらやったんですけど、ほんとにみんな一生懸命やったので、観ていただいたあとに、ネット社会ですから”『ダブルミンツ』よかったよ”と、そういうことをつぶやいていただけると、ぼくの仕事もいい方向に向かうと思います(笑)。ぜひとも『ダブルミンツ』を広めていただきたいなとほんとに思っていますので、今日は楽しんでいってください」(淵上泰史さん)

 「内田監督がほんとに映画に対する強い愛を持った方で、その強い愛に集まるみなさんがいて、もちろんメチャクチャ超大作ではないですし、メチャクチャ予算があるわけではないんですけど、その愛がしっかりスクリーンから出ていると思うんですよ。それをみなさんに感じてもらいたいのと、ラストシーンを迎えたときにみなさんに光が強く見えるのか、闇のほうが強く見えるのか、たぶん捉え方がみなさんそれぞれ違うと思います。ぼくはそういうところのみなさんの反応をすごく楽しみにしているので、観てもらって、ぜひ“ダブルミンツよかったよ”となれば、ぼくのお仕事も増える(笑)。それくらいぼくたちも自信を持って作った作品ですので、楽しんでいってください」(田中俊介さん)

 「(主演の)おふたりの熱いダブルミンツ愛を感じたんですけど、小木さんとぼくはもう十数年前に親子役をやらせていただいておりまして(※2002年のテレビドラマ「人にやさしく」)、今回は直接的な一緒のシーンはなかったんですけど、まさかパパとこういう関係性になるとは(笑)。パパとこういうふうになって、ちょっと感慨深いものも個人的にあるんですけど、究極の愛がテーマなお話だと思っております。どんな感想でもいいので、SNSのほうで、そうするとぼくの仕事もいい方向に進むという(笑)。ぜひ、感想をいろいろなかたちで発信してくれたらぼくたちも嬉しいです」(須賀健太さん)

 「ほんとに、初めてこの映画を見たときに“日本映画でこういう作品が観たかった”って素直に思ったし、そういう作品がどんどん届いてくれたらいいなと思いますし、主役のおふたりがほんとに素晴らしい芝居をしているので、作品をもしよかったと思ってくださったら、広めてくださるとぼくの仕事も(笑)」(川籠石駿平さん)

 「映画というものは観た人の色々な想いがそこにあるというのが素晴らしいと思うんですよ。ぼくらはただひとつの画としてここに流すだけなんですけど、観る人それぞれがいろいろな違う想いをそこに抱いてくれる。これって作っている側とか演じている側としては“ああ、そういうふうに観られるんだ”というのを改めて感じるときがたくさんあるので、ぜひSNSあたりでつぶやいていただいて(笑)、みんなに“そういう見方があるんだ”ということを知ってもらいたいし、その世界に浸ってもらいたいと思います。今後ともよろしくお願いします」(小木茂光さん)

 「正直、この映画は万人受けする映画ではないと思うんですね。それは作る段階からそう思いながら作ったんですけど、いまの時代は万人受けするものが主流なんで、でもこういう映画もあっていいんじゃないかという、ほんとディープな内容の映画です。それに出演してくれて、正直、俳優をやっていてなかなか難しい役だと思うんですね、全員。それを快く引き受けてくれて、田中くんの事務所なんか、ぼく何度も“ほんとにいいの?”って確認して、彼が“やりたい”ということで実現したわけですけど、役者さんたちの想いと、ぼくがこういうディープな世界観をやりたいという想いがつながって今日初めて上映されるんですけど、いわゆるよく(映画館に)掛かる“背中を押される映画”とは真反対の、どっちかというと突き落とされる映画なので(笑)、みなさんがどう思うのかほんとに楽しみです。そして、広めていただければ幸いに存じます」(内田英治監督)

 友情や愛情、倒錯といった言葉では表現できないような光夫と光央の関係を描きつつ、裏の社会をハードなタッチで描く異色のジャパニーズ・ノワール『ダブルミンツ』は、舞台あいさつ登壇者のほか、刑事・中岡役の高橋和也さん、光央の恋人・麻美役の冨手麻妙さんらが出演。2017年6月3日(土)より、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショーされます。

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